いきいき!エバーグリーンラブ: ちょっと工夫で静電気対策

2017年1月16日月曜日

ちょっと工夫で静電気対策

冬になり乾燥してくると、ドアノブ、セーター、車のドア、いろんなところでバチバチって来て不快な思いをされることも多いでしょう。

皆が嫌う静電気です。

ここで問題です。

非常に乾燥した時期(湿度10〜20%)にカーペット(絨毯)上を歩く人が帯電する静電気の電圧(ボルト;V)はおおよそどれでしょう。
A. 35,000V
B. 12V
C. 5億V

正解はAの35,000Vです。

新幹線の架線(電線)の電圧が25,000Vですから驚きですね。
参考:静電気の電圧

でも、ご安心を。
冬場のよくあるバチっと静電気が放電される際の電圧は、おおよそ2,000Vと高いのですが、流れる電流と時間はごくわずかなので、感電による影響はほとんどありません。*
*人体の静電容量は約100pFだそうです。小さなコンデンサー1つ分で、仮に35,000Vでこのコンデンサーを充電しても、0.0000035クーロンの電荷(電気量)しか蓄えられません。これは、バチっとわずかに電撃を感じる1mA(ミリアンペア)の電流が、0.035秒流れるのと同じ電気量です。

でも、不快なことはやっぱり避けたいですよね。

今日は、ちょっとした工夫で静電気を防止することができることをご紹介します。

静電気対策

加湿

室内ではなんといっても加湿が静電気防止に絶対の効果があります。
感染症対策にもなるので、加湿器などで50-60%に保ちましょう。

 

静電気防止剤・柔軟剤

静電気防止というと、洗濯の時に用いる柔軟剤や静電気防止剤(スプレーなど)を思い浮かべる方も多いと思います。
これらは、中の成分の界面活性剤(両親媒性分子成分)の、油に馴染みやすい部分が衣類の滑りを良くして、摩擦による帯電が起きにくくして、水に馴染みやすい部分から帯電した静電気を逃がすことで効果を発揮します。
⇒界面活性剤についてはこちらを

でも、あまり効果的とは言えないと思いますし、下着やタオルなどでは吸湿性が落ち実用性が落ちます。

静電気防止スプレーも結構高価なので、必要な方は、自分で作りましょう。
すごく簡単です。
【静電気防止スプレーの作り方】
  1. 百均ショップで、50mLくらいのスプレーボトルを買ってくる
  2. 水を入れる
  3. 柔軟剤か髪に使うリンス(コンディショナー)を2-3滴入れる

 

導電性繊維

普通の繊維は電気を通さない絶縁体ですが、導電性繊維という、電気を通す繊維もあります。
身近なところでは、スマホ対応の手袋などに使われています。
この繊維でできた服を着たり、裏地などに使用すると、体の静電気を逃がしてくれますが、まだあまり一般的ではないですし、お値段もそこそこのようです。

 

衣服の素材

それよりも、まずは下着や、衣服の重ね着をする場合の素材を選ぶとよいと思います。

下着やシャツやセーターの素材をなるべく同じ繊維にするとよいでしょう。
例えば綿のTシャツに綿のワイシャツ、フリースの下着にフリースのスエットなど繊維の素材をそろえると静電気が帯電しにくいのです。

下の表は、摩擦帯電列といわれるもので、ここでは、主な繊維の原料の物質を表にしました。



右に行くほどマイナス(-)に帯電(電子を得る)し、左に行くほどプラス(+)に帯電(電子を失う)する傾向にあります。

女性はストッキングをはいた脚にスカートがまとわりついてお困りになった経験があると思います。
これは、ナイロンのストッキングと、ポリエステルのスカートの裏地がこすれると(摩擦)、ナイロンの電子がポリエステルに引き寄せられて偏り、静電気を帯びたために(電界(電場)の発生)、纏わりついていたのです。

例えば、フリースはマイナス(-)に帯電しやすいポリエステルでできているので、フリースのスエットの上に、プラス(+)に帯電しやすいウールのセーターを重ね着すると、やっぱり静電気が起きやすくなります。

化繊(合成繊維)が悪いのではなく、組み合わせの問題なのです。

上の図から、綿と麻、絹とレーヨンなど同じ色のグループの繊維同士を重ね着すれば、静電気が起きにくいといえます。

これは、かなり効果的なのでお試しあれ。

静電気を逃す工夫

さてここまでは、静電気を帯電させない工夫でした。
ここからは、静電気を逃がしてしまう(電界を打ち消す)工夫です。

効果的なのが、ドアノブなどを触る前に、地面や、壁、木や車のタイヤ、ボディを両手で触るなどをして、体に帯電した静電気を逃す(電界を打ち消す)ことです。

静電気の放電が指先など1点に集中すると、ショックが強いので、いきなり片手や指だけで金属などを触らないようにしましょう。

人との接触でパチッと来ることもありますね。
レジでのお金の受け渡しの時などです。
そんな時は、お金を出す前に、レジの台(机)に触ってからにするとよいです。

また、外出から帰ってきて服を脱ぐ前に、手を洗うと静電気が逃げていく効果があります。

静電気対策グッズの中でも、静電気除去 キーホルダーはお勧めです。

効果的に静電気を逃してくれます。

中には光って、静電気が放電されるのを確認できるものもあるようです。

試してみてはいかがですか。

身体の中の発電所

ちなみに…最後に先頭の問題をもう一度見ましょう。
非常に乾燥した時期(湿度10〜20%)にカーペット(絨毯)上を歩く人で帯電する静電気の電圧(ボルト;V)はおおよそどれでしょう。

A. 35,000V
B. 12V
C. 5億V

正解は35,000Vでしたが、Cの5億Vは稲妻(雷)の電圧です。
稲妻(雷)は電圧は200万-10億V(ボルト)、電流は1千~50万A(アンペア)と言われます。

我々は体の表面に静電気を帯びますが、実は、私たちの体の中でも、この稲妻(雷)クラスの電気が発電されていることも知っておいてください。

ミトコンドリアとは?
ミトコンドリアがそれを行っているのです。

ATPという生体のエネルギーを作るミトコンドリアは、6ナノメートル(10億分の6メートル)のミトコンドリアの内膜を挟んで、150-200mV(ミリボルト)の電位差を生み出して、タービン(ATP合成酵素)を回転させてATPを作っていますが、これを人体の身長レベル、メートル単位に換算すれば、電界の強さは約3000万V/m(ボルト/メーター)です。
まさに、ミトコンドリアの内膜では雷が発生しているに等しいのです。

やっぱりミトコンドリアってすごいですね。


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