いきいき!エバーグリーンラブ: 角質
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2015年2月2日月曜日

化粧品をやめて美肌になる!〈クレンジングクリーム、洗顔石鹸〉

誰しも「キメの細かい肌」に憧れます。
 では、「キメ」ってなんでしょう?

キメは、皮膚の表面の溝です。
皮膚は伸びたり縮んだりできないと、動かすたびにバリバリとひび割れてしまいますから、細かい溝をつくっておいて、蛇腹のように表面を崩すことなく動けるようにしているのです。

溝が細かく、規則正しく描かれていれば、キメの細かい美しい肌。
「キメを保つ」とうたっているのが基礎化粧品ですが、基礎化粧品を使って潤っている肌には、キメがなくなっている、ということを、皆さん、ご存じですか?

恥ずかしながら、私は、潤っていてつるつるした肌=キメの超細かい肌だと思っていました。

私の乾燥肌対策

私はひどい乾燥肌ですから、保湿には余念がありませんでした。
まず、お風呂でたっぷりのクレンジングでファンデーションをきれいに落とし、蒸しタオルで肌に水分を含ませて、お風呂上りにローション+美容液+美容ジェル+保湿クリームなどなど、とにかくいっぱいつけて、時には保湿パックまでしていました。

成果は著しく、翌朝にはツルツル、すべすべのお肌に。

乾燥もさることながら、シミもなかなかの問題。

もともとはどちらかといえば肌の色は白い方でしたが、学生時代のテニスで目いっぱい焼いたのが祟ってか、地の白い肌はどこに残っていることやら。
薄いシミの上に濃いシミが重なって、ファンデーションの色もどこに合わせてよいかわからない状態でした。

対策はもちろん厳重に。
朝は水で軽く洗って、ローション+美容液+クリームをつけ、下地クリームを塗ってファンデーション。
下地クリームもファンデーションも日焼け止め効果の一番高いものです。
これ以上、シミが増えたらたいへんですからね。
イラスト きめ 化粧品を使うとキメがなくなる

ファンデーションは薄めでしたが、外出するときは日に焼けるのを恐れて、真冬でも塗り直していました。

その結果、イラストの右側のようなツルンとしたお肌になりました。
ファンデーションのノリは悪くないし、艶々だし、よしよし、と。

ところが、これが大きな誤解でした。

「私の乾燥肌対策」は間違いだった!

キメのない肌は、表面のバリアが壊れた、水分の蒸発しやすい、シミのできやすい半崩壊状態の肌だったんです。
だから、保湿クリームの量は増える一方。
私がしていた乾燥肌対策が正しいのだとしたら、使っているうちに、だんだん肌は丈夫にならなければいけないわけです。

風邪を引いたときに風邪薬を飲んで体調が良くなったとき、風邪薬を止めたら必ず風邪をぶり返し、どんどん病弱になっていったとしたら、そんな風邪薬、一刻も早くやめないと、と思いますよね。
ということは、この乾燥肌対策、どこかが間違っていたと考えられます。

では、私のスキンケアのどこが間違っていて、こんなになってしまったのでしょう?
日常のお手入れに潜んでいる犯人は、大きく3つ。
  • 犯人1 クレンジングクリーム、石鹸
  • 犯人2 保湿クリーム、美容液、美容ジェル、下地クリーム
  • 犯人3 ファンデーション、日焼け止め
今回は、犯人1についてお話ししましょう。

犯人1 クレンジングクリーム、石鹸

界面活性剤は肌に悪いっていわれますね。
なぜでしょう。
それは、界面活性剤が皮膚の一番外側のバリアを壊してしまうからです。

なぜか?
それは、界面活性剤というものが油と水を混ぜるためのものだからです。
皮膚の一番外側にある皮脂と呼ばれる油の層も、水に混ざるようにして溶かしてしまいます。

クレンジングクリームは、ファンデーションという油を落とすのですから、界面活性剤であることは当然ですね。
この作用は、石油系だろうと、植物系だろうと、アミノ酸系だろうと全く違いはありません。

石鹸も強力な界面活性剤です。
これも、天然素材(?)だろうと、固形だろうと液体だろうと、同じこと。

石鹸の誤解についてはまた書きますね。

界面活性剤を含まないクレンジングクリームはないか?

challenge オリーブオイル

「オリーブオイルのクレンジングオイル」と謳っている製品もありますね。
これはよいかと思い、私も使ってみました。
確かにオイル風だけれど、よく落ちるし、洗顔せっけんで洗えば残らない。

で、試しにただのオリーブオイルで落としてみました。
が、これはたいへん。
ファンデーションが落ちたかどうかよりもまず、ファンデーションと混ざったオリーブオイルを落とすのに一苦労でした。
ファンデーションとも「クレンジングオイル」ほど、馴染みません。。
やっぱり、「クレンジングオイル」は、オイルと混ぜるための界面活性剤を、多分、少なからぬ量、含んでいると思われます。

ああ、これは界面活性剤を使わなければどうしたってムリ、クレンジングクリームとしては使い物にならない、ってよくわかりました。

皮脂と界面活性剤の作用については、こちらに詳しく解説しています。
⇒界面活性剤の危険性
⇒シャンプーをやめれば髪が生える!

クレンジングクリームを使わないで、化粧を落とす方法

そこで、界面活性剤を含まない成分で化粧を落とせないか、いろいろ試してみました。

challenge グレープシードオイル

まず、液体のオイル、料理に使う「油」です。
匂いの強いものはNGなので、香りの弱いものに限られます。
オリーブオイルはすでに試してダメだったので、グレープシードオイルを試しました。
が、これもお話になりません。
他の物も同じだということは、容易に想像できました。

challenge グリセリン

そこで、グリセリンを水で倍に薄めてみました。
グリセリンは、界面活性剤ではありませんが、水にも油にも混ざります。
が、触ってみればわかりますが、高濃度のグリセリンは、かなりべとべとしています。
案の定、水で流せる感触のよさからはほど遠いものでした。
そのうえ、ただのオイル以上に化粧品ともなじみません。
早い話が、クレンジングとしては何の役にも立ちませんでした。

しかも、高濃度のグリセリンは肌の水分を奪うということがわかりました。
使ってみなければよかった、と後悔・・・

challenge 劇落ちクロス

色々検索するうちに、お風呂で、布でこすって落とす、というやり方をしている方のブログを見つけました。
で、さっそく、私も試してみました。

ただの布ではなく、劇落ちクロスという「超微細繊維」で編まれた布です。
これは、確かに今まで試したものの中で一番落ちました。
石鹸も必要ありません。
ただ、物理的にこそぎ落とすのですから、表皮のバリアも落としてしまうことになりますね。

challenge ワセリン+グリセリンローション

試行錯誤の末、最終的に、今、私が使っているのは、ワセリンです。
ワセリンで馴染ませて、自分で作った、ただの「グリセリンローション」でふき取ります。
ワセリンは、顔に残ってもさほど問題にならないそうです。

グリセリンローションについてはこちらをご覧ください。
レシピ*手作りグリセリンローション

クレンジングクリームよりは、落ちない方がまし


クレンジングクリームで落とした方がきれいに落ちるのでしょうが、多少、ファンデーションが残ったとしても、クレンジングクリームは使わない方が肌にはよいといいます。
表皮の細胞は、どんどん入れ替わるので、残った化粧品も数日で自然にはがれるためです。
⇒みずみずしい肌の新陳代謝

ワセリンクレンジングの課題

ワセリンなんて、オリーブオイルよりもベトベトでは?
と思われる方も多いでしょう。
たしかに、十分ベトベトしていますが、液体ではないので、いくらか扱いが楽です。
それに、肌への影響が少ないようです。

とはいっても、顔全体に厚く塗った、日焼け止め+下地クリーム+ファンデーションを落とすには、かなりの努力が必要になります。

ここまでのところの解決策は、
  • 日焼け止め+下地クリーム+ファンデーションを使わないこと
しかありません。
当たり前ですが、そんなわけにはいかない、って思いますよね。

もちろん、いきなり、そんなことはできません。
時間をかけて、少しずつ素肌の健康を取り戻す方法を、これからご紹介します。

とにかく、ワセリンクレンジングを試してみるだけでも、効果はあります。
気長に、少しずつ。
今使っている化粧品がなくなってからでもいいので、お試しください。


化粧品をやめて美肌になる!〈クレンジングクリーム、洗顔石鹸〉
化粧品をやめて美肌になる!〈クリーム、美容液〉
化粧品をやめて美肌になる!〈ファンデーション、日焼け止め〉

2014年6月25日水曜日

みずみずしい肌の新陳代謝

この前は、表皮の保護機能=バリア機能と新陳代謝(ターンオーバー)についてお話ししました。
どうやら、新陳代謝がみずみずしさを生み出しているようだということがわかりましたね。
ということは、新陳代謝が活発になれば、よりみずみずしくなるのでは?

ここでは、新陳代謝が起こるメカニズムについて面白い実験があるのでご紹介します。

新陳代謝でみずみずしい皮膚ができる

まずは復習。
表皮では、バリア機能を保つため、図のように、基底細胞は14~42日かけて形を変えて、脂質の入ったラメラ顆粒という顆粒を内部に持つようになり、最後はアポトーシスによって死んで、セラミド、脂肪酸、コレステロールからなる脂質を流出させます。
このように細胞が形を変えていくことを「細胞の分化」といいます。

死んで角質化したケラチノサイトは14日ほどで自然に剥がれ落ちます。
はがれると下から順に、アポトーシスにより角質化したケラチノサイトと脂質が補充されます。


皮膚・ターンオーバー・新陳代謝


では基底細胞はどうやって、分化してゆくのでしょう。

皮膚のバリア機能が低下して水分が蒸散すると基底細胞に分化のシグナルが送られ細胞分化が進む


バリア機能の低下が細胞分化のサイン

上の図のように、角層の死んだ細胞(ケラチノサイト)が剥がれ落ちて、バリア機能が低下すると、細胞に「分化しなさい」というシグナルが出ると考えられます。
このシグナルをきっかけにして、基底細胞の分化のスピードが早まり、表皮の新陳代謝(ターンオーバー)が盛んになるのです。
では、どうやって角層の細胞(ケラチノサイト)が剥がれ落ちたことを感知するのでしょう?
ポイントは、角層の水分量らしいのです。

角層の水分量を察知して新陳代謝が進む?

1つ、実験をご紹介しましょう。
角層をセロハンテープで剥がして、バリア機能を低下させた状態で、
①その上に水を通さないラップのようなもので覆う
②水を通すゴアテックスのようなもので覆う

①の結果:表皮から水分が蒸発しない→バリア機能の修復は起こらない
②の結果:表皮から水分が蒸発する→バリア機能は修復された

ケラチノサイトが剥がれ落ちてバリア機能が低下した状態では、角層の水分がとんでいって(蒸散)しまうので、水分量が減ります。
②のように水分が蒸発すれば、バリア機能が修復されます。
①のように水分が蒸発しないようにすれば、バリア機能の修復は起こりません。

ということは、表皮のケラチノサイトが水分量の低下を感知すると、基底細胞にシグナルが送られる仕組みのようですね。
皮膚が乾燥した時に痒くなるのは、このバリア機能が低下した角層を強制的に剥がして、角層のターンオーバーを促進して、水分を保てるように再生させるための行動なのかもしれません。

参考図書:傳田光洋著 『皮膚は考える』 岩波書店 2005年


ターンオーバーを促進するにはどうすればいい?

常に新陳代謝(ターンオーバー)が起こって、バリア機能が低下しないようにすれば、憧れのみずみずしい肌になりそうです。
だからといって実験のように、常に引っ掻いて、皮膚を修復させるわけにはいきませんね。

外から、コラーゲンや水分を補えば効果がある・・・と謳っている化粧品はたくさんありますが、本当でしょうか?

角層は脂質のバリアーが働いているので、ふつうは水分もコラーゲンも外からは補えません。

化粧水や保湿クリームは役に立っていないということでしょうか?
詳しくはこちらを。