以前、明治ヨーグルトのR-1を種菌にして豆乳を発酵させたヨーグルトをご紹介しました。
豆乳+R1ヨーグルト
これも、それなりにおいしいヨーグルトになったのですが、日にちが経つとだんだん、豆腐の食感に近づいてくるという、大きな欠点がありました。
これは、発酵が進むと乳酸菌により乳酸が産生され、その乳酸によってタンパク質と脂質が固まるためです。
これを、カード(curd・凝乳ともいう)といいます。
牛乳にお酢を入れると固まりますよね。
あれもカードです。
ヨーグルトや豆腐のことをカードと呼ぶこともあります。
カードをさらに発酵させたものがチーズです。
時間が経つとヨーグルトが硬くなるのは、冷蔵庫の中でも発酵が少しずつ進むので、カードが徐々に増えるためです。
条件によって異なりますが、タンパク質の含量が多いとカードができやすくなります。
牛乳に比べて豆乳でカードが多くなるのは、豆乳の方がタンパク質を含む割合が高いからなのですね。
濃調整豆乳、豆乳、牛乳、調整豆乳の順に硬いカードとなったという研究もあります。
牛越静子ら;市販乳酸菌による牛乳および豆乳類のヨーグルトの性状.,長野県短期大学紀要 61, 87-92, 2006-12-27
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豆乳+牛乳+R1で作ったヨーグルト
とろとろに仕上がりました |
今回は、おいしさを追求して改良を加えた『豆乳+牛乳+R1ヨーグルト』をご紹介します。
といっても、牛乳をプラスして、発酵時間を調整しただけですが。
牛乳アレルギーで豆乳ヨーグルトをお試しの方にはお勧めできません・・・。
とろんとした感じが、ちょうど口当たりよく、ほどよい酸味に仕上がりました。
市販の無糖ヨーグルトと比較しても、味、食感とも、かなりレベルが高いと思います。
(あくまでも、私の趣向では、ということですが・・・)
道具はヨーグルティア
おいしいヨーグルトを作るコツは、一定の温度で発酵させること。
乳酸菌を育てるのですから、乳酸菌がよく育つ温度で発酵させて、他の菌に対して優位にさせてあげるんです。
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ヨーグルティア |
私は、
タニカのヨーグルティアというヨーグルトメーカーを使っています。
このヨーグルティア、優れもので、1℃刻みで温度設定ができるんです。
お値段も定価で8,500円(税別)と、手の届く範囲。
低温調理にも使っています。
種菌はR-1
R-1ドリンクタイプ 低糖・低カロリー 112mL(明治ヨーグルト)を使っています。
固形よりも液体の方が混ざりやすいですから、ドリンクタイプで。
菌によっては、豆乳では育ってくれないのですが、R-1は豆乳が好きなようです。
作り方
まず滅菌
ヨーグルトづくりの基本は、乳酸菌(ここではR-1)に優しい環境を整えること。
その他の菌を、できる限り排除してあげることです。
ですから、容器、ふた、混ぜるスプーンを滅菌処理します。
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無印良品で購入した
スプレーの容器(左) |
私は消毒用エタノールをスプレーしています。
消毒用エタノールは、無印良品で買ったスプレー用の容器に入れて、使っています。
電子レンジに少量の水を入れた容器をいれて1分半「チン」するという方法もあるようですが、そのあとエタノール消毒すれば完璧ですね。
1回目に作るとき
【材料】
R-1ドリンクタイプ 低糖・低カロリー 1本
成分無調整豆乳 500mL
成分無調整牛乳 500mL
豆乳と牛乳の割合は、正確に半分ずつでなくてもおいしくできます。
【作り方】
1.成分無調整豆乳 500mLと成分無調整牛乳 500mLを容器に入れて、電子レンジ500wで3分間加温する
目標は、42℃より少し高めに温めること。
もとの投入や牛乳の温度、気温、電子レンジなどの条件によって時間は調節してください。
2.1.にR-1低糖・低カロリーを加えてよく混ぜる
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豆乳+牛乳+R1ヨーグルト
完成品 |
3.ヨーグルティアを42℃に設定し、2.をセットして3時間発酵させる
4.3時間経ったら取り出す。
とろんとした状態になっていればOK
5.すぐに冷蔵庫へ
☆硬さはお好みで、発酵時間を調節してください。
2回目以降作るとき
【材料】
タネにする豆乳ヨーグルト 200cc
成分無調整豆乳 500mL
成分無調整牛乳 500mL
【作り方】
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タネにする豆乳+牛乳+R1ヨーグルト |
1.1回目と同じように、牛乳+豆乳を容器に入れて、電子レンジ500wで3分間加温する
2.作った豆乳+牛乳ヨーグルトを200㏄計って、種ヨーグルトとして1に混ぜる
ここで、よく混ぜるのがうまく作るコツです。
3.ヨーグルティアを42℃に設定して、2を3時間発酵させる
4.3時間経ったら取り出す。
とろんとした状態になっていればOK
5.すぐに冷蔵庫へ
どのくらい繰り返し作れるかというと
1回R-1をタネにして作ると、5回くらい種ヨーグルトとして使えます。
上手にできれば、もっといけるかもしれません。
豆乳だけで作るより簡単
豆乳だけで発酵させると、微妙な温度や発酵時間の違いで、仕上がりが変わってしまいましたが、牛乳を混ぜると、失敗なく同じように仕上がります。
これは、R-1がもともと牛乳をよく発酵させる菌だからだと思われます。
便秘にも効果大
豆乳だけのものより、便秘にも効きます。
牛乳だけで、同じようにR-1で発酵させたヨーグルトを食べたときには、ちょっと効きすぎた感じでした。
ですから、お腹の緩い方は、少量から食べるようにしてください。