いきいき!エバーグリーンラブ: 「糖類オフ」と「糖質オフ」の違い

2014年5月16日金曜日

「糖類オフ」と「糖質オフ」の違い

今日は糖の仲間の呼び方についてお話します。

上手にムダなく糖質制限をしようと思ったら、食品中の栄養成分をなるべく正確に知ることが大事です。
実は糖質がほとんど入っていないものをがまんして、かわりに糖質の多いものをそうとは知らずに摂っていた・・・なんていうことになったら、一大事ですからね。
そんな間違いを起こさないために、まず栄養素や成分についての用語の知識を整理してみました。

「糖類」「糖質」「炭水化物」・・・違いは何?


カロリー制限や糖質制限用の食品や飲み物には、「糖質0」とか、「糖類ゼロ」、「カロリーオフ」、「カロリーゼロ」など、表示されています。
まずは、これらが何を指しているかを説明します。

↓の図(ベン図ですね…懐かしい)をよく見てください。

この中で、何が血糖値をあげるかわかりますか?

イヌリン、ポリデキストロース、セルロース、 難消化性デキストリン、多糖類、グルコース、ぶどう糖、 フルクトース、果糖、でんぷん、オリゴ糖、デキストリン、糖アルコール、還元麦芽糖水飴、エリスリトール、キシリトール、 マルチトール、ラクチトール、アセスルファムK、スクラロース、クエン酸、クエン酸ナトリウム、砂糖、ショ糖、スクロース、 乳糖、ラクトース、麦芽糖、マルトース、 トレハロース、異性化糖、高果糖コーンシロップ、ブドウ糖果糖液糖、果糖ブドウ糖液糖、高果糖液糖、砂糖混合異性化液糖


答えは、赤字で示したものです。

赤: 血糖値をあげるもの
紫: 大量に摂ると血糖値をあげるもの
黒: 血糖値をあげないもの

糖類はもちろんですが、でんぷん、オリゴ糖、デキストリン、還元麦芽糖水飴も、血糖値をあげやすい成分です。
水飴は大丈夫とか、オリゴ糖は消化されない、なんてことはありません。

集合の包含関係の大きい順に

炭水化物>食物繊維≧糖質糖類となっていることに注目です。

さて、

糖質オフ」とは、

食品100g当たり、糖質の含有量が5.0g未満(飲料100mLでは2.5g未満)の製品で表示可能です。
この基準を満たせば、「低」、「ロー」、「カット」といった“低い”を意味する言葉を使用できます。

糖質ゼロ」とは、

食品100gあたり(飲料100mLあたり)、糖質の含有量が0.5g未満の製品で表示可能です。
この基準を満たせば、「ノン」、「レス」、「無」といった“含まない”を意味する言葉がつかえます。

では、「糖類オフ」と「糖質オフ」との違いは?

どちらも含有量が5.0g未満(飲料100mLでは2.5g未満)の製品ということ。
ただし、なにが「オフ」になっているかの対象が違います。
もう一度上の図を見てください。

糖類オフ」の場合は
上の図中のグリーン色の中にある成分が対象となります。
例えば、砂糖と果糖を含んでいて、その総量が5.0g未満(飲料100mLでは2.5g未満)の製品ということです。

一方、「糖質オフ」の場合は、上の図中のピンク色とグリーン色の両方の成分が対象です。
例えば「糖質」としてオリゴ糖、還元麦芽糖水飴、人工甘味料スクラロースが入っていて、砂糖や果糖などの「糖類」は入ってなくて、その総量が、5.0g未満(飲料100mLでは2.5g未満)の製品は「糖質オフ」と表示できます。
これは納得です。

しかし!!
仮に、この製品に「糖類」の砂糖と果糖が加えられても、
加えられた砂糖と果糖の総量が、5.0g未満(飲料100mLでは2.5g未満)であれば、「糖質オフ」、または、「糖類オフ」と表示できてしまうのです。
それは、炭水化物、糖質糖類の“それぞれ”の含有量が、それぞれ基準を満たしていれば、それぞれ表示してもよい、というルールがあるからです。
場合によっては、糖質オフ」と「糖類オフ」を両方表示している製品のほうが、総量としての炭水化物含有量が多いというマジックが生まれかねません。

さらーに!

「50%オフ」、「糖質2分の1」はどういう意味???

こういう表示の製品はよく見ると「当社製品に比べて糖質50%オフ」などと書かれているはずです。このような表示をするための条件は

  1. 比較対照する製品が明らかである。
  2. 両製品で比較される内容成分の差が、食品100g当たり5g以上、飲料100mL当たり2.5g以上ある。

ことが条件だそうです。


日本での食品の成分の表示は入り組んでいます。
ここでは詳しくは触れませんが、表示義務を規定している法律とそれぞれの規制当局が異なり、複雑になっているのが一因でしょう。
メーカーのキャッチコピーに惑わされない賢い消費者にならないと、努力が無駄になりかねませんね。

ちなみに上記のことは、他の栄養素やカロリー(熱量)でも同じルールで表示されています。

商品の成分表示は字が小さくて読むのがつらいですが、がんばって熟読すると、いろいろ気づくことが出てきますよ。

糖質や糖尿病については下記もご覧ください。

糖質
血糖になる栄養素
何を食べると血糖値が上がる?
「糖類オフ」と「糖質オフ」の違い
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果糖はブドウ糖より危険
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糖質は食べ物でとる必要はない?
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