いきいき!エバーグリーンラブ: 厚労省お墨付き栄養法で糖尿病?

2014年10月9日木曜日

厚労省お墨付き栄養法で糖尿病?

健康的な食生活とか、健康に良い食事、バランスの良い食事をとるべきだといろいろなメディアや人が言いますね。
でも健康的な食生活、バランスの良い食事って具体的にどんなものなのでしょうか?
そして、一般に言われている『健康的な食生活』、『バランスの良い食事』は本当に正しいのでしょうか?
今日はこのことについてご一緒に考えましょう。

日本で勧められている「バランスの良い食事」とは

実は、このページを書き始めたきっかけが、本日2014年 10月6日 15時23分掲載のNHKのNews Web【「健康な食事」コンビニ弁当などに専用マーク】というニュースを見たからです。
要約すると、

厚生労働省では、生活習慣病の予防や健康作のために、1食当たりに必要な栄養素の量を定めた基準を満たせばコンビニなどで販売される弁当などに専用のマークを付けることができる制度を来年度から始めることになった。

というものです。
コンビニのお弁当などに、このお弁当は、「健康な食事」ですよ!のマークがつき始めるということのようです。

そこで、このニュースの元となった、厚生労働省が実施している、

【日本人の長寿を支える「健康な食事」のあり方に関する検討会】

の議事録をみて、内容を確認してみました。

「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」の報告書を取りまとめました

今回の「健康な食事」の基準は、「厚生労働大臣が定める、健康の保持・増進を図る上で摂取することが望ましいエネルギー及び栄養素の量の基準」として定められた【日本人の食事摂取基準(2015 年版)】に基づくもののようです。

この基準の中で気になることがあります。

下の表を見てください。

栄養素 バランス 目標 タンパク質 脂質 脂肪 炭水化物 PFCバランス 健康的な食事 日本人の食事摂取基準(2015 年版)
エネルギーとなる栄養素の目標バランス(一日必要エネルギーの何%を占めるか)


この表は、1日に摂るべき栄養素のバランス(%)の目標値を示しています。

わかりやすいように元の表を少し編集していますが、要するに、1日に必要なエネルギーをどの栄養素でとるべきかの割合を%で示しています。

幅がありますが、1日のエネルギーの、13~20%はタンパク質で、20~30%は脂肪で、50~65%は炭水化物(糖質、食物繊維、アルコールも含む)で摂りなさいということです。

このバランスは別名、PFCバランスとも呼ばれます。
Pはタンパク質(protein)の頭文字、Fは脂肪(fat)、Cは炭水化物(carbohydrate)の頭文字からとっています。

では、具体的にどれくらいの量なのかを見てみましょう。

日常生活での身体の活動性が普通の30~49歳の男性で、必要な1日のエネルギーは、2650kcalとされています。
ちなみに同年齢層の女性は2000kcalですので、以下のお話の答えの数字に0.755を掛け算して読んでみてください。

身体活動が普通とは、デスクワーク中心の仕事だけれども、職場内での移動や立ってする作業・接客等、あるいは通勤・買い物・家事、軽いスポーツなどを合計2時間ほどしていて、1日30分歩行しているくらいの人です。

結構、仕事や家事で体を動かしてますね。

さて、上の割合を当てはめてみましょう。

まず、タンパク質の割合は全体のエネルギーの13~20%とされますので、仮に20%として、

2650kcal(1日の必要エネルギー)×0.2(20%)=530kcal

となります。

では、530kcalのタンパク質はどれ位の量かというと、
タンパク質は1gで4kcalのエネルギーを持っていますので、

530kcal(1日の必要エネルギーの20%)÷4(タンパク質は1gで4kcal)=132.5g

同じようにして、脂肪を30%として計算すると、
脂肪(1日の必要エネルギーの20%)は795kcalとなります。

脂肪は1gで9kcalのエネルギーを持っていますので、

795kcal(1日の必要エネルギーの30%)÷9(脂肪は1gで9kcal)=88g

さらに、炭水化物を50%として、
炭水化物(1日の必要エネルギーの50%)は1325kcalとなります。

炭水化物は1gで4kcalのエネルギーを持っていますので、

1325kcal(1日の必要エネルギーの50%)÷4(炭水化物は1gで4kcal)=331.25g


これらをまとめると

普通の30~49歳の人では、1日の必要エネルギーを、
おおよそ、タンパク質133g、脂肪88g、炭水化物332gの割合で摂ればよいとされているわけです。

鶏もも肉ロースト2枚とごはん6杯

もっとイメージしやすくするために、実際の食品に当てはめてみると、

タンパク質133gは、鶏もも肉のロースト540g分、小さめの鶏もも肉2枚分です。

上の鶏もも肉のローストにも脂肪が入っているので、鶏もも肉のロースト540gには、約71gの脂肪が含まれています。
脂肪88gに17g足りないですね。

炭水化物、332gは、ごはんにすると920gで、ごはん茶碗(150g)として、約6杯分です。
ここでは、単純化するため、食品を2つに絞って、調味料などの実際の食事のことを考慮していませんが…

2枚の鶏もも肉ローストとごはん6杯を1日で食べると聞いて、直観的にどう感じますか?
(女性では、鶏もも肉ロースト1枚半、ごはん4杯半を1日で…

ご飯が、炭水化物が多すぎると思いませんか?

糖質を制限している私からするとめまいがするような炭水化物の量です。

現在の日本の栄養学では、このバランスが推奨されているのです。

白米の過食が2型糖尿病の主な原因なのに?


私たちエバーグリーン研究室の見解では、この基準の勧める割合は、炭水化物が多すぎると考えます。

また、糖尿病患者への食事指導でも、1日の総エネルギーは抑えられますが、上に書いたPFCバランスの割合はだいたい同じ割合で指導されます。

糖尿病というのは、何らかの原因で、インスリンが出なくなったり、インスリンの働きが悪くなり、グルコース(ブドウ糖)を処理できなくなって血糖値が上がってしまう病気です。

それなのに、このような割合の炭水化物を摂ってしまって、大丈夫なのでしょうか?

実は、白米の過食がアジア地域(日本人と中国人)の2型糖尿病の主な原因であることは、明らかになっています。
White rice consumption and risk of type 2 diabetes:meta-analysis and systematic review

このことは、日本食の最大の欠点である主食の習慣とかかわっています。
詳しくは下のリンクで…。
主食の罠

厚生労働大臣お勧めの栄養バランスで糖尿病・糖尿病予備群が増えた?


さて、この疑問が残るPFCバランスを用いた栄養指導で、糖尿病や糖尿病予備群が増えてしまったと考えられる実例があります。

九州の福岡県の久山町という町でのことです。

実は、この久山町という地域では、地元の九州大学の医学部第二内科が中心となって、食生活や運動、飲酒、などの生活習慣と病気についての医学研究を1961年以来行い続けている地域です。

久山町に住む40歳以上の住民の大半は、手厚い健康管理と検診を定期的に受けて、継続して医学的データを提供しています。

この研究は久山町研究と呼ばれて、世界的に注目される研究結果をいくつも出してきました。

ところが、このように医師や栄養士による生活指導や食事指導をきちっと受けている地域で、なぜか糖尿病やその予備軍が増えてしまったのです。

図を見てください。

栄養素 バランス 目標 タンパク質 脂質 脂肪 炭水化物 PFCバランス 健康的な食事 日本人の食事摂取基準(2015 年版)
久山町40歳以上男性の代謝性疾患の頻度の推移

栄養素 バランス 目標 タンパク質 脂質 脂肪 炭水化物 PFCバランス 健康的な食事 日本人の食事摂取基準(2015 年版)
久山町40歳以上女性の代謝性疾患の頻度の推移


上のグラフのように、肥満、高コレステロール血症、糖代謝異常(糖尿病と予備群)について1961年、1974年、1988年、2002年に調査した結果、1974年から1988年の14年間で、男性も女性も高コレステロール血症(赤の棒)と糖代謝異常(グリーンの棒)が非常に増えていました。

さらに詳しく、1988年と2002年の調査結果を比較すると、

男女とも、高コレステロール血症は増加はしませんでした。

これは、1974年から1988年の過去の14年間での高コレステロール血症の増加を重く見て、しっかりと、高コレステロール血症の予防と治療をした成果なのでしょう。

しかし、糖代謝異常(糖尿病とその予備軍)では、

男性では糖代謝異常(糖尿病とその予備軍)が39.3から54.5%に増加し、
女性では糖代謝異常(糖尿病とその予備軍)が30から35.5%に増えました。


高コレステロール血症と同じように、糖代謝異常にも、食事指導などの対策をしたにもかかわらず、大幅に増えました。

さらに、次のグラフを見てください。

栄養素 バランス 目標 タンパク質 脂質 脂肪 炭水化物 PFCバランス 健康的な食事 日本人の食事摂取基準(2015 年版)
2002年の久山町40歳以上の住民と全国の糖尿病の割合の比較

このグラフは、2002年の久山町と全国の糖尿病(糖尿病の疑いが濃厚な人も含む)の割合を比較したものです。

青い棒が全国で、赤い棒が久山町です。

2002年の久山町の糖尿病の割合の男性23.6%、女性13.4%は、同じ年の日本人全体の糖尿病の率の男性15.6%、女性8.1%と比べても明らかに多いという結果となってしまったのです。

なぜこんなことが起こるのでしょう?

下の表は、久山町住人の栄養素のバランス(%)を1965年、1985年、1994年、2004年に調査した結果です。

栄養素 バランス 目標 タンパク質 脂質 脂肪 炭水化物 PFCバランス 健康的な食事 日本人の食事摂取基準(2015 年版)
久山町住人の栄養素のバランス(%)を1965年、1985年、1994年、2004年に調査

1965年は研究を始めて間もない時期でしたから、栄養の指導が十分行きわたっていなかったためか、タンパク質が少な目で、脂質も少なく、炭水化物が多めです。




1985年、1994年、2004年の結果では、研究が始まり医師や栄養士による栄養指導が行きわたっていたためか、タンパク質、脂質、炭水化物の全てで、栄養素のバランスの目標の範囲に見事入っています。

この事実からいえることは、現在の日本の栄養学や、糖尿病の専門家や、厚生労働省などが推奨している栄養法では、糖尿病とその予備軍が増えてしまうことになります。

繰り返しますが、私たちエバーグリーン研究室の見解では、このような久山町での事実を踏まえて、【日本人の食事摂取基準(2015年版)】や、糖尿病の食事指導などで勧められている、栄養素のバランスは、明らかに炭水化物が多すぎると考えます。
栄養指導をするのなら、少なくとも炭水化物を単純糖質(遊離糖質、単糖類、二糖類)と複合糖質、食物繊維に分けて考えることが最低限必要でしょう。

生活が便利になるほど、私たちは運動不足になっています。
久山町の1985年、1994年、2004年の結果からも明らかなように、糖尿病とその予備軍が時を経るほどに増えている事実からも、運動不足が加速され、そこに加えて、旧態依然とした炭水化物(主食文化=白米を好む)の多い食事指導をしたために、糖尿病とその予備軍が増加したのではないでしょうか?
実は、自家用車の普及率と2型糖尿病の増加も比例しています。
運動不足の現代の日本人では、食後直ちに血糖値を上げる単純糖質の多い食事を控え、代わりに努めて食物繊維を摂るように指導するべきでしょう。

最初のニュースの通り、コンビニで売られている「健康な食事」のマーク入りのお弁当が普及するのがちょっと怖い気がします。

あなたはどうお考えですか?

糖質や糖尿病については下記もご覧ください。

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