今日は、よくあると思われる、1日3食のメニューから、糖質量を計算してみましょう。
これをお読みのあなたにもきっと思い当たる、1日の食生活だと思います。
まず、朝食のメニューから見ていきましょう。
本日のメニュー
お勤めの方だけでなく、主婦の方も、朝は忙しいもの…。
こんな朝食メニューがありがちなのでは?
朝食の糖質(トースト+野菜ジュース+コーヒー) |
・8枚切りのトーストにバター
・野菜ジュース
・コーヒー
糖質は31.4gです。
カロリーは257kcal。
一生懸命仕事や家事をこなして、お昼も、やっぱり忙しいので、お蕎麦屋さんで、ツルっと…
つけとろそばの糖質 |
糖質は76.1gです。
カロリーは429kcal。
昼が軽かったから、3時におやつ。
甘い大福と辛い柿の種で、晩ごはんまでのつなぎにします。
おやつの糖質(いちご大福の糖質、柿の種の糖質) |
・柿の種
糖質61g、カロリー383kcal。
日が暮れて、忙しい1日ももうすぐしめくくり、ちょっとボリュームのあるごはんがいいなと…。
魚フライ定食の糖質 |
・魚フライ定食
糖質は136.5gです。
カロリーは957kcal。
お風呂上り、夜のひと時はやっぱりビールですね。
おつまみにポテトチップの一番小さい袋を1つ。
ビールとポテトチップスの糖質 |
・ビール
糖質26.4g、カロリー317kcal.
いかがですか?こんな食生活ってありがちでしょう?
本日の摂取カロリーの評価
3食の合計、おやつと夜食を加えたすべての合計をまとめると次のようになります。糖質は、糖質の重さに炭水化物(糖質)1gのもつエネルギー4kcalをかけて、カロリーの値に計算し直しました。
30〜49歳の男性が何もしないでも消費するカロリー(基礎代謝)が1530kcal。
同年代の女性の基礎代謝が1150kcal。
また、同年代の身体活動レベルが低い(座りがちな仕事)の男性の必要カロリーが2300kcal。
同じく、身体活動レベルが低いの女性の必要カロリーが1750kcal。
ですので、摂取カロリーから見た評価は
男性の場合 ⇒ まずまずのダイエットメニュー
女性の場合 ⇒ 間食の分を除けば、ダイエットメニュー
といえます。
本日の栄養素のバランスの評価
厚労省の推奨する栄養素のバランスでみると
本日の糖質は全部で1324kcal。ご飯に換算すると、6杯分、角砂糖に換算すると83個分です。
総摂取カロリーの57%を占めることになります。
厚生労働省の作った【日本人の食事摂取基準(2015 年版)】では、1日のエネルギーの50%~65%を炭水化物で摂るように推奨しています。
⇒エネルギーとなる栄養素の目標バランスについてはこちら
めでたく、基準の推奨のバランスの範囲に入りました。
でも、手放しで喜べないかもしれません。
血糖値の推移でみると
下のグラフを見てください。食事回数と血糖値(グルコーススパイク) |
上のグラフは、本日の1日の食事と間食で、血糖値がどのように推移したかを、推察して描きました。
上の赤い線が3食+間食した時の血糖値の推移。
下の青い線が3食のみの血糖値の推移です。
朝食から昼食までは、同じカーブを描きますが、15時ごろのおやつと23時ごろの飲酒で、血糖値の山が2つ余計にできしまうと考えられます。
⇒グルコーススパイクに注意
高血糖の時間が長いことは身体によくありません。
なぜかというと、高血糖の持続時間が長いほど、体の細胞を構成するタンパク質が糖と結びつきやすくなり(これを糖化といいます)、終末糖化産物(AGE)ができてしまうからです。
AGEができると、タンパク質は本来の働きをしなくなり、細胞の機能が低下してしまうと考えられています。
例えば、血液中の糖が血管壁のタンパク質にたくさんくっついてしまうことは、動脈硬化のはじまりです。
動脈硬化とは名前の通り動脈が固くなった病態で、高血圧、心筋梗塞や脳梗塞などの原因といわれています。
また、血糖値が高いと膵臓からインスリンが出てきて下げようとします。
この日のメニューでは、グラフのようにお昼から夜中までずっと血糖値が高いので、この間、インスリンは出っ放しということです。
最近の研究から、血糖値が上昇したり下降したりすることと、インスリンが過剰に分泌されることが、身体に悪いのではないかとの見解もあります。
血糖値を上げるのは糖質(炭水化物)だけです。
⇒何を食べると血糖値が上がる?
血糖値を必要以上に上げないように保つには、炭水化物、特に糖質を控えるようにする以外に方法がありません。
先ほども示したように、厚労省のお勧め栄養バランスでは炭水化物は1日のエネルギーの50%~65%とされていますが、果たして、それが本当に健康に良い量なのかは疑問です。
⇒厚労省お墨付き栄養法で糖尿病??
本日の食事の改善ポイント
ポイント1間食に糖質(炭水化物)の割合が高い食品は避ける
間食しなければ我慢できないなら、イチゴ大福や柿の種、ポテチは避けて、ナッツやさきイカなどを選びましょう。ポイント2
食事は糖質(炭水化物)の割合が高くなりすぎないようにする
朝食には、忙しくてもパン以外に、野菜(食物繊維)や肉や魚(タンパク質、脂質)をがんばって摂りましょう。昼、外食する方は、お店選びが難しいです。
毎日は実行するのは難しいと思いますが、ラーメンやお蕎麦、うどん、スパゲティ、丼もの、カレーはほどほどにしましょう。
ラーメンやお蕎麦、うどん、スパゲティ、丼もの、カレーはお手軽で選びがちと思いますが、糖質の多さだけでなく、早食いのしがちなメニューなので、要チェックです。
早食いはメタボの元です。
⇒早食いはメタボの元
おかず+副菜+汁物+ごはんなどの定食のあるお店を選びましょう。
定食ならばごはん(主食)の量を調節できます。
また、洋食で、料理にパンがついてくるランチでも調節できますね。
特に要注意なのは、カレー、ハヤシライスなどのルーものです。
ルーを使った料理は、大抵、とろみを出す小麦粉や片栗粉、コーンスターチなどがたっぷり使われている上に、それをライスにかけて食べるので糖質のオンパレードです。
お弁当屋さんのお弁当も、ごはんと揚げ物が多いので、あまりお勧めできません。
揚げ物の衣(特にフライ)は小麦粉とパン粉が結構多く使われているので要注意です。
ポイント3
おなかがすかないメニューを選ぶ
昼食のつけとろそばは、カロリーは低くても糖質リッチなので余計におなかがすいてしまいます。これでは、「間食はダメといわれてもムリ」ということになって、本日のダイエット計画はなかったことになりかねません。
実は、糖質を控えてタンパク質や脂質を多く摂ることで、おなかはすきにくくなります。
意外な感じがしますが、実験で認められています。
⇒糖類を食べるとおなかがすく?
上手に糖質制限をしている方の中には、1日に1食か2食で問題なく生活しているケースもあるという話を聞きます。
私たちエバーグリーン研究室でも1日に1食か2食です。
理想の食事は
空腹を我慢することなく、美味しく食べて、太らず、病気にもならない。そんな理想に一番近いのが、タンパク質と脂質を、食物繊維とビタミンが豊富な野菜とともにたっぷり摂って、主食と呼ばれる米・パンなどを抑え、お菓子などの単純糖質をたくさん含む食品をひかえたメニューのようです。
健康と美容(!?)のためには、多少の我慢はやむをえません。
美味しい菓子パンやどんぶり飯、アイスクリーム、ケーキなどなど、嗜好品は特別な時にとっておくのがよさそうです。
糖質や糖尿病については下記もご覧ください。
糖質
血糖になる栄養素
何を食べると血糖値が上がる?
「糖類オフ」と「糖質オフ」の違い
ブドウ糖と果糖の毒性
果糖はブドウ糖より危険
果糖は別腹
糖類を食べるとおなかがすく?
糖質は食べ物でとる必要はない?
糖質制限で二日酔いから解放?
アルコール飲料 角砂糖いくつ分?
スポーツドリンクで糖尿病に?
お酒と糖類の依存性
あなたの1日の糖質量
糖質制限 糖質は何gまでOK?
糖尿病
4~5人に1人が糖尿病予備軍!
糖毒性で糖尿病予備軍に??
グルコーススパイクに注意
インスリンは肥満ホルモン?!
早食いはメタボの元
厚労省お墨付き栄養法で糖尿病?
低GI食品って意味ある?
やっぱりGIはあてにならない
糖尿病予備群は癌リスクが15%高い
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