いきいき!エバーグリーンラブ: 2016

2016年12月21日水曜日

漢方薬で感染性胃腸炎の嘔吐、下痢対策

寒くなってくると、感染症が流行って、困ることが多いですね。

ちょうど、今の時期、ノロウイルスやロタウイルスなどによる感染性胃腸炎が流行していることも多いです。

特に、お子さんや高齢の方が罹ると、嘔吐(吐き戻し)や下痢で脱水症状が出やすく、危険なこともあります。

高齢者の場合は、嘔吐物を誤嚥(誤って、気管に入ってしまう)して、肺炎を起こす、いわゆる誤嚥性肺炎の原因になることもあるので、侮れない感染症です。

主な症状は、吐き気、嘔吐、下痢、発熱(38℃以下)、腹痛で、小児では嘔吐が多く、大人は下痢が多い傾向があるといいます。

病原体により異なりますが、だいたい潜伏期間は1~3日くらいで、症状も1~3日くらいで治ることが多いようです。

特に有効な治療法はなく、安静と水分補給が重要ですが、重い脱水症状には点滴が必要です。
嘔吐や下痢が酷い場合は、OS-1などの経口補水液や水は、消化管が受け付けず、飲んでも嘔吐と下痢がひどくなるだけで、脱水症状は改善されないことを覚えておいてください。

重篤な脱水症状や肺炎が起こったら医療機関を受診するといいでしょう。

軽い場合には、自宅で安静にして水分補給に努めるとよいと思いますが、水分補給についてはコツがあるので、詳しくは下記をご覧ください。
⇒脱水状態になったら経口補水液!

また、大抵の感染性胃腸炎には抗菌薬や抗ウイルス薬は必要なく、かえって有害です。

胃腸炎に効く漢方薬☆五苓散

さて、こんな厄介な感染性胃腸炎ですが、実は、嘔吐と下痢には、漢方薬で特効薬があります。

五苓散(ごれいさん)、という処方です。
処方内容は、沢瀉、茯苓、蒼朮、猪苓、桂皮の5つの生薬で構成されます。

それぞれの生薬は、利尿、鎮静、健胃、抗眩暈(めまい)、発汗、理気(体表の血管を拡張させて軽く発汗させる)作用を持つものから構成されていますが、桂皮以外のすべての生薬は、利尿作用を持っています。

五苓散は漢方や中国医学の考え方の、水毒や水滞・湿証(水分停滞)、水腫(水分横溢)という病態に著効することが多いです。

漢方や中国医学の考えでは、水毒や水滞、水腫という病態は、体内で水が本来あるべきではないところに偏って存在する状態と捉えます。

ですので、五苓散は嘔吐や吐き気、下痢ばかりでなく、浮腫(むくみ)、胸水、腹水、尿量減少、頭痛、眩暈(めまい)、耳鳴り、口渇(のどの渇き)、二日酔いによるこれらの症状、つわり(悪阻)、熱中症による脱水予防などに応用されます。

とても良く効きますので、感染性胃腸炎対策に常備しておくことをお勧めします。

胃腸炎では薬が吸収されにくいことに注意

胃腸炎で、吐き気や嘔吐、下痢があると、胃や腸などの消化管は機能が低下しているので、水をはじめ、ほとんどのものの吸収が落ちています。

感染性胃腸炎には病院でナウゼリンやプリンペランなどの吐き気止めや、ロペミンやトランコロンなどの下痢止めの薬を処方されることもあると思いますが、これらの薬も、消化管の機能が低下しているときには吸収されにくいと考えられます。

その点、五苓散は、消化管の機能が低下しているときでも、よく効きます

五苓散の飲み方

感染性胃腸炎への五苓散の常備法としてお勧めなのは、エキス顆粒(粉薬)の五苓散をお湯に溶かして、冷ましてから、製氷皿に入れて冷凍庫に入れて、五苓散氷としておくことです。

【材料】1日分
大人
  • ツムラの五苓散料エキス顆粒(薬局で買えます) 2包(5g)
  • 熱湯 40mL
子ども
  • ツムラの五苓散料エキス顆粒 1包(2.5g)
  • 熱湯 40mL 
  • 砂糖 小さじ1/2くらい
【作り方】
  1. 五苓散料エキス顆粒(子ども用には砂糖も)を湯呑にいれて、40mLの熱湯で良く溶かす。ちょっと溶けにくいので、必ず熱湯を用いて、スプーンで根気よく溶かしてください。
  2. 冷めたら製氷皿4ピースに、同じ量になるように入れる
  3. 冷凍庫で凍らせる
【飲み方】
  • 五苓散氷を口の中に1つ含み、溶かす(飲み込まないこと)
  • 1日4個が目安
  • できれば、吐き気や下痢が軽いうちに飲む
  • 熱中症の脱水予防に使う場合は、暑さを感じた時点で予防的に飲む
  • 二日酔い予防もモチロン飲み会の前に飲む

消化機能が落ちていても飲みやすい

五苓散氷は、消化管の機能が低下していても、ゆっくり吸収されていくので、胃腸炎に適していると言えます。

感染性胃腸炎では、水も一切受け付けない(嘔吐の時は水を飲めばすぐ吐く、下痢の時は水を飲むとすぐ下痢する)状態になっていることが多いでしょう。
この方法ならこんな時でも、薬を飲むのに水をたくさん飲まずに済みます

エバーグリーン研究室では、夏の熱中症の脱水対策にもこの方法をお勧めします。
特に高齢の方とお子さんがいる家庭にぴったりです。

ちょっと渋いのが難点ですが、良薬口に苦しということで、味わってみてください。

お子さんには、ちょっと砂糖を加えて溶かして、味を調整してあげてもいいでしょう。

五苓散で症状が改善されて落ち着いたら、下記のリンクのアミノ酸スープがお勧めです。
⇒胃腸炎にアミノ酸スープ

下痢やむくみになぜ効くのか


五苓散は、体内が水分過多のむくんだ(浮腫)の状態では尿量を増やし,脱水状態では尿量を減少させる作用があります。
西洋薬の利尿剤では脱水状態でも尿量が増えるのに、五苓散は浮腫である場合のみ尿量が増えることも特徴です。

血中の電解質濃度(ナトリウムイオンやカリウムイオン、カルシウムイオン、塩素イオンなど)のバランスに影響せずに尿量を増やす作用もあります。
西洋薬の利尿剤の欠点は、この電解質のバランスに影響することです。

これらの五苓散の持つ、まさに体内の水分をあるべきところに納める作用は、とても不思議で、日本の研究者たちは一生懸命研究しました。

その1つをご紹介します。

礒濱洋一 郎 漢方薬の薬理作用とアクアポリン


図1から図5までを見てください。

漢方薬 アクアポリン 五苓散 イラスト 水の吸収 カリウムイオン ナトリウムイオン ポンプ
1.細胞外と細胞内の電解質バランスが正常
水の挙動(移動)は細胞外と細胞内の電解質バランスによって方向が決まる。
細胞内から塩素イオンなどの負(-)イオンが出ると、細胞外液のほうが浸透圧が高まり、
細胞内の水をアクアポリンを通じて引き寄せる。
ナトリウムイオンなどの正(+)イオンが細胞に入り、細胞内の浸透圧が高まると
細胞外液からアクアポリンを通じて水が細胞内に流入する。
どちらの場合も一時的に細胞内の水の量が増減するが、
管腔側との基底層のそれぞれのアクアポリンの働きで、水が出入りして収支を保ち、
やがて細胞の浸透圧は一定に落ち着くと考えられる。
アクアポリン 五苓散 イラスト 水の吸収 カリウムイオン ナトリウムイオン ポンプ
2.細胞外と細胞内の電解質バランスが異常
細胞外液と細胞内の電解質バランスが崩れると、水の移動が起こり浮腫(むくみ)や脱水や下痢となる。
この図の場合は管腔側の細胞外から水が流入し、浮腫となる様子を描いている。
アクアポリン, つわり(悪阻), むくみ, 下痢, 感染性胃腸炎, 胸水, 五苓散, 口渇、二日酔, 水滞, 水毒, 脱水, 頭痛, 尿量減少, 熱中症, 腹水, 眩暈(めまい), 漢方薬,
3.細胞外と細胞内の電解質バランスが異常
細胞外液と細胞内の電解質バランスが崩れると、水の移動が起こり浮腫(むくみ)や脱水や下痢となる。
この図の場合は、基底層側の細胞外から水が流入し、脱水や下痢となる様子を描いている。


漢方薬 アクアポリン 五苓散 イラスト 水の吸収 カリウムイオン ナトリウムイオン ポンプ
4. 五苓散がむくみに効くメカニズム
アクアポリンに作用して、アクアポリンの機能を止めて、
本来移動すべきでない水を堰き止める。
五苓散などの漢方薬に含まれる成分の1つ(この場合はマンガンイオン)が水の通り道となるアクアポリンに作用して、アクアポリンの機能を止めて、本来移動すべきでない水を堰き止める。

これが、五苓散が下痢にも、むくみにも効くメカニズムの1つのようです。

また、五苓散などの漢方薬の成分は小腸まで到達しなくても、口の中や喉などの粘膜からも吸収される可能性も指摘されています。

このあたりが嘔吐や下痢で消化管が機能低下しても、五苓散が効く秘密なのかもしれません。



漢方薬 アクアポリン 五苓散 イラスト 水の吸収 カリウムイオン ナトリウムイオン ポンプ
5.五苓散が下痢に効くメカニズム
アクアポリンに作用して、アクアポリンの機能を止めて、
本来移動すべきでない水を堰き止める。

漢方や中国医学の2000年以上の経験から、いろいろな生薬を使った処方が蓄積されています。
その使い方やメカニズムはまだ十分に科学的にわかっていないものも多いですが、近年の研究からだいぶ明らかになってきました。


エバーグリーン研究室では、副作用の出にくい漢方薬や民間薬の有効活用を推奨していますが、このような研究が進めば、より科学的に納得して漢方薬を使えるようになりますね。

漢方や中国医学の欠点は、どのような場合にどの処方を使うべきかの方法論が、経験論に基づいていて、一応体系化はされているものの、理論の基礎に陰陽五行説と易(経)という古い哲学ないし思想があり、難解で、多様な解釈ができてしまうことです。

漢方や中国医学の弁証(理論と診断・処方)は、物事の捉え方として素晴らしい点も多いのですが、ある意味、教条主義的で、一部に論理的ではない面があり、経験と勘がものをいう場合が多いことも問題点でしょう。

上の研究のように、漢方や中国医学の知見や考え方を現代科学・医学・薬学で分析・検証して、より有効で安全な使用法が明らかになっていくことを期待しています。

2016年12月19日月曜日

レシピ*低糖質クルミとアーモンドのキャラメリゼ

ナッツのおつまみ 写真
クルミとアーモンドのキャラメリゼがどうしても食べたくて、エリスリトールで作ってみました。

「キャラメリゼ」の「キャラメル」というのは、カラメル反応で茶色っぽくなることを意味しています。
カラメル反応とは、砂糖を加熱したときに茶色になる、あの反応です。


エリスリトールは砂糖とは性質が異なるため、カラメル反応は起こらないとされていますが、少量のメープルシロップを加えることで、シロップ中の砂糖がカラメル反応して、見た目も味も、それっぽくできました。

エリスリトールと砂糖の仕上がりの一番の違いは、エリスリトールは食べるとひんやりすることでしょうか。
砂糖よりさっぱりしているので、かえって、たくさん食べられてしまいます(笑)

【材料】
  • くるみ+アーモンド 合わせて500g
  • エリスリトール 100g(お好みで増量)
  • バター 10g
  • ラム酒 大さじ1
  • メープルシロップ大さじ1
  • 水   大さじ2

【作り方】
  1. 水、ラム酒を煮立て、よく混ぜながら、エリスリトール、メープルシロップとバターを加える。
  2. クルミとアーモンドを入れて、中火にして混ぜる。
  3. 水分が減ってきたら、バットに広げて冷ます。
  4. 少し冷めたところで、クルミとアーモンドをほぐす。

ナッツはビタミンEが豊富

アーモンドやクルミ、ゴマなどの植物の種子は他の食
材にみられないほど、たくさんのビタミンEを含んでいます。

ビタミンEといえば、抗酸化作用が有名ですね。
植物は、常に紫外線にさらされているので、自分自身で抗酸化作用を持つ物質をたくさん作って蓄えているのでしょう。

ビタミンEは油に溶けやすい性質を持っているので、細胞膜に入って、細胞膜の構成成分のEPAやDHAやアラキドン酸などの不飽和脂肪酸を酸化から守ってくれます。

シミや動脈硬化に効くと言われるのは、この抗酸化作用によります。
その他、更年期症状や自律神経失調症、関節痛、頭痛、腰痛などにも効果が認められています。

ビタミンEはサプリメントでも売られています。
でも、合成されたビタミンEは、抗酸化作用を持つために簡単に酸化されてしまうという性質を抑えるために安定化されている(ビタミンEがすでに酸化されている=抗酸化作用がなくなっている)商品が多いようです。
意味がないですね。

ビタミンは、偏って取るとかえって有害なこともあるので、バランスを考え、なるべく食品から取りたいものです。
ナッツ類は理想的なビタミン供給食品ですね。
いろいろな健康関連の疫学調査で、ナッツの消費量が多い人々が健康であるというデータが出ている理由が納得できます。

といって、砂糖をたっぷり使ったクルミのキャラメリゼを食べてしまったのでは、かえって身体に悪いかもしれません。
エリスリトールで、ちょっと食べすぎても安心なキャラメリゼを作ってみてはいかがですか?



2016年12月2日金曜日

R1ヨーグルトでインフルエンザ&風邪対策

    低い温度で長時間発酵させると免疫力を高める成分がたくさん作られる   という情報をもとに、免疫力強化R-1ヨーグルト 豆乳を発酵 写真 ヨーグルティアで作る豆乳を使ったR-1ヨーグルトを、これまでに2つほどご紹介しました。
(R1:L. bulgaricus OLL1073R-1)

豆乳+R-1ヨーグルト
豆乳+牛乳+R-1ヨーグルト

今回は、 
低い温度で長時間発酵させると免疫力を高める成分がたくさん作られる 
という情報をもとに、免疫力強化R-1ヨーグルトを作ってみました。

R-1ヨーグルトが風邪・インフルエンザに有効!?

R-1の製造元、明治の研究所が、R-1の免疫に対する作用のデータを出しています。
牧野聖也ほか ヨーグルト乳酸菌が賛成する菌外多糖の利用と培養条件の影響 Japanese Journal of Acid Bacteria. 2013; 24(1): 10-17.
ヨーグルト乳酸菌Lactobacillus delbrueckii ssp.bulgaricusが産生する菌体外多糖の免疫賦活作用
Makino, S. et al.: Br. J. Nutr. 2010; 104, 998-1006.


【健康な人での効果】

牛乳摂取群73例とR-1ヨーグルト摂取群74例(平均年齢67.7歳; 59- 84歳)にわけ、8-12週間毎日摂取して、風邪症候群およびインフルエンザへの罹患状況を確認した(2か所の地域の試験を統合して解析)。
  • R-1ヨーグルトを8-12週間食べた高齢者では風邪をひく割合が統計学的に有意に低下した(オッズ比0.39; P= 0.019)。
  • R-1株ヨーグルト摂取群のNK活性の上昇量は牛乳摂取群に比べて有意に高かった(P= 0.028)。特に、NK活性の低い人で、NK活性の上昇量が高かった。

【マウスでのインフルエンザに対する効果】

マウスにインフルエンザウイルスを接種したときの生存率を、R-1ヨーグルトを食べた群と、蒸留水を飲ませた群とで比較した。
R-1ヨーグルトを与えた期間は、ウイルス接種21日前から6日後まで。
  • 蒸留水を飲んたマウスではウイルス接種7日後から死亡が確認され、9日後にはすべて死亡した。
  • R-1ヨーグルトを食べたマウスでは8日後に40%に死亡が確認されたものの、21日後の生存率は37.5%だった。
  • 以上のように、R-1ヨーグルトにより、統計学的に有意な生存率の上昇および生存日数の延長が認められた(p=0.0018;Kaplan-Meier Logrank test)。

R-1が作り出す多糖に、抗ウイルス効果

これらの効果は、R-1が作る菌体外多糖(exopolysaccharide; EPS)によると考えられます。

同じ論文で、R-1のEPSがインフルエンザによる死亡を減少させる効果をマウスを使った実験で示しています。

これらの結果は、明治の研究所が出したものなので、信頼性が高いかどうかはお約束できません。
が、盛んに使われている抗ウイルス薬も、効果があると言うには疑問のあるデータしか出ていないのでR-1ヨーグルトを試してみる価値はあるのではないかと考えました。

低温・長時間発酵でEPSを効率よく作る

この明治の論文の記載に、
  • R-1ヨーグルトに含まれるEPSの量を増やすには、ヨーグルトの酸度を上げる(酸っぱくする)か、一般的な発酵温度(40~45℃)より低い温度で長時間発酵させる必要がある。
とありました。
ヨーグルトが酸っぱくなりすぎてはおいしくないので、低温+長時間発酵を試してみました。
38℃で8時間ほど発酵させたところ、 トロトロの酸っぱすぎないヨーグルトができました。

このトロトロ感を出しているのがEPSなので、かなり、うまくEPSを作れたのではないかと思います。

EPSが本当に免疫力を高めてくれるかどうかは、試してみないことにはわかりませんが。
食べ始めてから、風邪をひいても軽く済んでいるので、 いまのところ効いていると言えそうです。

免疫力強化R-1ヨーグルトの作り方

【発酵させる道具】
私は、タニカのヨーグルティアというヨーグルトメーカーを使っています。

これだと、1℃刻みで温度設定ができます。
お値段も定価で8,500円(税別)と、手の届く範囲。
低温調理にも使っています。

1回目に作るとき

【材料】
  • R-1ドリンクタイプ 低糖・低カロリー112mL(明治ヨーグルト) 1本
  • 成分無調整豆乳 500mL
  • 成分無調整牛乳 500mL
豆乳と牛乳の割合は、正確に半分ずつでなくてもおいしくできます。

豆乳は、marusanの毎日おいしい無調整豆乳を使っています。

はじめ、キッコーマンのおいしい無調整豆乳で作っていました。
が、必ず表面に3mmくらいのピンクの層ができます。
これはフザリウムというカビではないかと思われたので、豆乳を変えたところ、まったくピンクにはならなくなりました。

【作り方】

滅菌 簡単 消毒 スプレー 容器 無印良品 ムジ アルコール消  毒 殺菌1.容器、ふた、混ぜるスプーンを滅菌(消毒)する。

 私は無印良品で購入したスプレーの容器(写真)を使って、消毒用エタノールをスプレーしています。
電子レンジに少量の水を入れた容器をいれて1分半「チン」するという方法もあるようですが、そのあとエタノール消毒すれば完璧ですね。

2.成分無調整豆乳 500mLと成分無調整牛乳 500mLをヨーグルティアの容器に入れて、電子レンジ500wで約4分間加温する。

目標は、38℃くらいに温めること。
 我が家の電子レンジでは、冷蔵保存の豆乳・牛乳の時は4分20秒、室温(22℃)保存の豆乳・牛乳の時は4分かかります。
冬は+20~30秒くらいです。

3.2.にR-1低糖・低カロリーを加えてよく混ぜる。

4.ヨーグルティアを36~40℃に設定し、3.をセットして8時間発酵させる。

全体がトロトロのヨーグルトになっているのが目標です。
夏は36℃の設定でできましたが、冬場は38℃~40℃(部屋の温度によってはもっと高く)に設定した方がよいようです。 
我が家では、11月末、38℃に設定したところ8時間後にはヨーグルトが完成しましたが、温度計で測った完成品の温度は34℃でした。

5.8時間経ったら取り出して、すぐに冷蔵庫に入れる。

 

2回目以降作るとき

【材料】
  • タネにするヨーグルト  180cc
  • 成分無調整豆乳 500mL
  • 成分無調整牛乳 500mL
【作り方】
1.2.は1回目と同じ。

3.作ったヨーグルト180㏄を種ヨーグルトとして2によく混ぜる

4.5.は1回目と同じ

5回くらい種ヨーグルトとして使えます。
上手にできれば、もっといけるかもしれません。

まだまだ課題が・・・

ヨーグルティアは、高い温度の設定ではほぼ誤差がなく保温できますが、設定温度が低いと室温の影響を受けるようです。
とりあえず、上記の方法でおいしいヨーグルトが完成したのでご紹介しますが、実際の培養温度と設定温度については、もっと研究が必要なようです。

フザリウム(カビ)について 

フザリウム(正確には「フザリウム属」)は土壌にいるカビの仲間で、100以上の種類があるといいます。
大豆、小麦、大麦、そば、米などの穀類に寄生して赤かび病などの原因となるのもそのうちの1つです。

ヨーグルトがピンクになったのは、豆乳の中に微量潜んでいたフザリウムが、ヨーグルティアによって適温になり、増えたものと思われます。
フザリウムは酸素を好むカビです。

空気と接しているヨーグルトの表面だけがピンクになったことからも、フザリウムが原因ではないかと考えました。

ちなみに、R-1などの乳酸(発酵)菌はたくさん種類がありますが、酸素があってもなくても生きていけるのが特徴で、この性質を通性嫌気性と呼んでいます。
ですので、ヨーグルトの表面以外の酸素の少ないところでは、R-1が優勢で、フザリウムは増殖できなかったということでしょう。

ご参考までに、ヨーグルティアの製造元、タニカのウェブサイトには、豆乳を使って作ったヨーグルトの表面がピンクになった方からの質問に答えて
『食品工業技術センターに確認した所、豆乳に含まれているアントシアニンが溶出したものではないかと意見を頂きました。(アントシアニンはブルーベリーやワインに含まれているいわゆるポリフェノールと呼ばれる栄養素です。)通常のヨーグルトと同じようにおかしな臭いが無いことを確認して、お召し上がり頂いても大丈夫です。』
とのコメントがあります。

真偽のほどを確かめるために、培養してみればよかったですね。

2016年11月27日日曜日

解決!?レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)

こうしてレストレスレッグス症候群を治しました

レストレスレッグス症候群(restless legs syndrome:RLS)ってご存知でしょうか?
「むずむず脚症候群」 「下肢静止不能症候群」とも呼ばれます。

主に脚(腿から下、ふくらはぎ)に不快を感じる病気です。
具体的には、夜眠ろうと寝床に入ったときや、新幹線や飛行機での移動中、会議やコンサートなどで、じっと座ってなければならないときに、脚を動かしたくてたまらなくなったり、脚がムズムズするという、異常な感覚があるといいます。
レストレスレッグス症候群(restless legs syndrome:RLS)「むずむず脚症候群」 「下肢静止不能症候群」イラスト歩いたり、脚を動かしたりする動きをすると、不快感がなくなるという特徴があります。
夕方から夜にかけて症状が出やすくなります。

原因がまだはっきりしないため、治療がなかなか難しい病気で、患者さんは困っていることが多いようです。

この病気にかかると、睡眠の質が下がり、昼間の眠気や、疲れやすい、集中できないなど、仕事や勉強に影響することも多いのです。
エバーグリーン研究室では、れい主任研究員がこの病気を持っていて、ずっと解決策を研究してきました。
今日は、その成果をご紹介できる経験を積みましたので、この病気で苦しんでいる方々に情報提供をしたいと思います。

健康な一般の方はあまりご関心がないかと思いますが、ご家族やお友達、職場のお仲間にこの病気の人がいたら、ぜひこのブログを紹介してください。

レストレスレッグス症候群治療の試行錯誤

れい主任研究員からの報告によると、中学生のころ、30分ほどのバス通学で座席に座っていると脚がむずむずして立たずにはいられなくなったのが初めだそうです。

さて、研究室長のちかしは、れい研究員の相談を受けて、まず漢方薬を試してみました。
基本の処方は
  • 当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)
  • 四物湯(シモツトウ)
です。
これに抑肝散(ヨクカンサン)を追加することもあります。

これでだいぶ良くなりましたが、これに加えて緩い糖質制限をしてもらったところ、さらに良くなったということです。
ここら辺のいきさつは下のリンクをどうぞ。
⇒むずむず脚症候群

漢方薬と糖質制限で昼間の症状はなくなったものの、夜中の症状は抑えきれませんでした。
大事なれい主任研究員のために、ちかしは研究を重ねました。
いろいろ文献を読みましたが、医師も決定的な治療法が見つけられず、苦労していることがわかりました。
この病気の人は下の日本神経治療学会のガイドラインは一読されることをお勧めします。
⇒レストレスレッグス症候群のガイドライン

このガイドラインでも、

診断基準

  1. 脚を動かしたいという強い欲求が存在し,また通常その欲求が,不快な下肢の異常感覚に伴って生じる
  2. 静かに横になったり座ったりしている状態で出現,増悪する
  3. 歩いたり下肢を伸ばすなどの運動によって改善する
  4. 日中より夕方・夜間に増強する

診断を補助する特徴

  1. 家族歴
  2. ドパミン作動薬による効果
  3. 睡眠時のperiodic leg movementsが睡眠ポリグラフ検査上有意に多く出現
となっています。

ニュープロパッチが著効。でも、止めたら悪化・・・

そこで、れい主任研究員は、2013年に薬価収載されたドパミン作動薬の貼り薬ニュープロパッチ(一般名:ロチゴチン)を、試しに、医師に処方してもらい試用したところ、症状はピタリと治まりました。

しかも、 ニュープロパッチの用法は
  • ロチゴチンとして 1 日 1 回 2.25 mg/日からはじめ、以後経過を観察しながら 1 週間以
    上の間隔をあけて 1 日量として 2.25 mg ずつ増量し維持量(標準 1 日量 4.5 mg~6.75 mg)を定める。
となっているところ、2.25mgを2日に1回貼付しただけで、まったく症状が出なくなりました。

ところが、約1週間(4回)使った後、ニュープロパッチをやめると、症状は以前よりひどくなっていたのです。
それまでは夜中、2時ごろに目が覚めてもストレッチをすればそのあとは朝まで症状が治まっていたのに、薬を止めたあとは、朝まで目が覚めるたびにストレッチをしないと眠れなくなりました。

この病気の特徴として、このような、ドパミン作動薬を使用し続けると、使い始めるより前より症状が悪くなることも分かっています。
これは強化現象(augmentation)といわれ、ドパミン作動薬などで刺激を受けると、ドパミン受容体の1つであるD2受容体が壊れやすいことが原因とされています。

ですので、ドパミン作動薬も使い続けたくないですね。
新幹線や飛行機に長く乗らなければならない時、旅行に行く時、お芝居を見るときなどに、頓用で使うのがよさそうです。

レストレスレッグス症候群の原因究明!

以上、れい主任研究員のドパミン作動薬試用経験から、
これまでわかっているレストレスレッグス症候群の原因の学説のなかで、神経伝達物質であるドパミンの生合成異常が一番説得力があるな、と感じました。

図を見てください。
上のガイドラインにも記載されている現在推定されているレストレスレッグス症候群が起こる仕組み(病態生理)を簡単に図にしてみました。
レストレスレッグス(むずむず脚)症候群が起こる仕組み(病態生理)
図の緑色の線がドパミン神経です。
図の青色の線がセロトニン神経です。
図の橙色の線が交感神経です。
図の赤色の線が運動神経です。
図の紫色の線はノルアドレナリン・アドレナリン分泌を表します。

順番に今指摘されているレストレスレッグス症候群の原因を説明します。

脳の中では視床下部から前頭葉に走っているA11神経系がレストレスレッグス症候群に関係していて、ここの神経でのドパミンの働きが低下しているとされます。 

延髄では、ドパミン神経の終末が交感神経と連絡していて、交感神経の興奮を抑える役目をしています。でも①の原因のために、ドパミン神経が十分働けず、交感神経の抑制が障害されているとされます。

セロトニン神経系も、延髄で交感神経と連絡していて、交感神経を興奮させる働きがありますが、セロトニン神経系にも何らかの問題があるのではないかと指摘されています。

交感神経が興奮すると、副腎からルアドレナリン・アドレナリンが多く分泌されます。ルアドレナリン・アドレナリン運動を命令するホルモンです。

最終的に筋肉に動けと命令する運動神経は、①~④の原因で、過度に興奮してしまいます。

前頭葉に走っているA11神経系の働きが十分でないので、前頭葉は情報を正確に処理できずに感覚異常が起こります。

つまり図中の天秤の絵にあるように、興奮が制御を上回ってしまって、それが症状につながると考えられますね。

上のガイドラインにも記載がありますが、レストレスレッグス症候群は機能性障害であり、パーキンソン病のような神経変性(器質性障害)ではないということがポイントだと考えました。
車のトランスミッションに例えると、器質性障害はトランスミッションの歯車が壊れてしまった状態、機能性障害は油が切れている状態です。
歯車を直すのはたいへんですが、油を補うだけならば簡単ですね。

特に、生化学的な視点で考えるとドパミンの生合成異常が原因の1つとして説明できると思いました。
つまり、油の代わりにドパミンを補えばよいわけです。

ドパミンの原料を補えばよいと考えた理由

次の図を見てください。
ちょっと複雑な図ですが、順番に説明しますね。

サプリメント, セロトニン, ドパミン, ドパミン作動薬, フェニルアラニン, むずむず脚症候群, レストレスレッグス症候群, 下肢静止不能症候群,
ドパミン・セロトニン生合成経路

先ず、下から、

食事でとったタンパク質は、消化器で消化され、アミノ酸になって小腸から吸収されて、脳の血管までたどり着きます。
脳の血管では、脳の中に有害なものが入らないように、血液脳関門があります。
血液脳関門にはアミノ酸を血管内から脳にくみ出すポンプ(トランスポーター)があるので、 アミノ酸はこの関門を通り抜けられます。

しかし、多くのアミノ酸は同じトランスポーターを利用するので、アミノ酸同士で競合します。

ドパミンの原料になるフェニルアラニンセロトニンの原料になるトリプトファン脳への入り口で互いに競争するわけです。

まず、ドパミンの原料になるフェニルアラニンの経路を見ましょう。
図の緑の矢印の経路です。
フェニルアラニンから、ドパミンになるまでに、3つの酵素の働きが必要で、ドパミンになるまで4ステップです。

一方、セロトニンの原料になるトリプトファンの経路では、2つの酵素が働きセロトニンになるまで3ステップです。

セロトニンのほうがドパミンより簡単な過程で作れるようですね。

しかも、実は、ドパミンに至る経路の、フェニルアラニン水酸化酵素、チロシン水酸化酵素と、セロトニンに至る経路の、トリプトファン水酸化酵素は、ほぼ同じ形をしていて、しかも、同じ補因子(BH4と酸素)を利用して働きます。

ですので、ドパミン生合成セロトニン生合成が競合しているようにも見えます。

さらに注目なのが、真ん中にブルーグリーンで囲った、芳香族アミノ酸脱炭酸酵素(AADC)です。
AADCは、ドパミンセロトニンを作り上げる最後の段階で共通して働きます。
ここでもドパミンセロトニンは競合しているように見えます。

もちろんドパミン神経系セロトニン神経系のそれぞれの神経細胞の中で、酵素が働くので、酵素を取り合っているわけではないでしょうが、AADCの働きに偏りがあるのかもしれません。

私が注目したのはここです。

脳への取り込みで、セロトニンの原料となるトリプトファンドパミンの原料となるフェニルアラニンは競合する
セロトニンドパミン生合成経路の各酵素は相同で、競合するように見える
レストレスレッグス症候群ではセロトニン神経系ドパミン神経系とでAADC働きに偏りがあるのかもしれない

①+②+③を考えると、

ドパミン作動薬など直接ドパミンレセプターに働きかけるものよりも、生理的にドパミンが作りやすくなる環境を整えたほうが良いと結論しました。

ちなみに、なぜドパミンそのものが医薬品やサプリになっていないかというと、ドパミン血液関門を通れないからです。

なぜ、脳内で必要な神経伝達物質を血液脳関門は通してくれないのでしょう。
それは恐らく、ドパミンのような重要な神経伝達物質は「必要な時、必要な量だけ」作られるべきものだからでしょう。
このことからも、ドパミン作動薬のようなドパミンレセプターに直接働く物質を投与するのはリスクがあると思われます。

ドパミンの材料を補って、身体が必要とする分だけ脳内で身体にドパミンを作らせれば、適当な量のドパミンを補充できるわけです。

ドパミンの材料を摂ってみる

そこで、L-フェニルアラニンのサプリメントを試してもらったのです。
L-フェニルアラニンはチロシンの一段階前のもの(前駆体)ですので、チロシンのサプリメントでもよいのですが、なるべく生理的なドパミン生合成量(ドパミンが多すぎないよう)にしたいので、あえて前駆体のL-フェニルアラニンを使用しました

果たして効いたか?
効きました。
今のところ、症状が全く出ないか、出ても、ベッドから起きて、トイレまで歩くだけで治るレベルに収まっています。
飲み始めて3日目には改善を自覚できたそうです。


まず、1回425mgのL-フェニルアラニンを1日2回、空腹時(朝起きぬけと夕食の2時間前)に飲んでもらいました。
L-フェニルアラニンドパミンになるために必要な、葉酸、ナイアシン、ビタミンB6が含まれるビタミンB群のサプリメントと、できれば、を補充するサプリも一緒に摂ります。

先に書いたように、多くのアミノ酸は食事と一緒に取ると、ほかのアミノ酸と競合するので、空腹時が良いと思います。

一般に、ビタミン剤やサプリメントの副作用のリスクを減らす取り方のコツとして、通常は食事と一緒に飲むのが良いのですが、今回は治療的に使用するので、より吸収の良い方法を考えました。

しかし、夕方、おなかが張った感じ(腹部膨満感)が現れました。
ドパミンが増えることで考えられる副作用に、吐き気や便秘などの症状があります。
腹部膨満感もドパミンの副作用ではないかと考えました。

そこで、L-トリプトファン(305mg)も時間をずらして、空腹時(15時ごろ)に少量飲んでもらいました。

L-トリプトファンから作られるセロトニンには軟便の副作用がありますが、れい主任研究員は消化管が
動きにくいタイプの便秘気味なので、問題になりませんでした。
腹部膨満感もなくなりました。

これで、れい主任研究員の脳内でのドパミンセロトニンの生合成のバランスが取れたようです。
めでたし、めでたし。

服用した製品

L-フェニルアラニン
リッチパウダー
L-フェニルアラニン (60カプセル 1,188円)

L-トリプトファン
リッチパウダー
L-トリプトファン(120カプセル 1,550円)

金額はアマゾンを参考にしています。
変更があるかもしれませんので、購入の際にはご確認ください。

最後に。
同じ病気で悩む方に、少しでも情報提供できれば幸いです。
用量や飲み方など、ご自分でいろいろ調節されるといいかもしれません。
でも、サプリメントとは言え、上記のように副作用が出ることもあります。
お試しになるときは、少量から初めて、身体の変化を注意深く観察して、体調不良が少しでも出たら飲むのをやめてくださいね。

2016年11月15日火曜日

低糖質*クルミスプレッド

クルミクリーム バター 写真 低糖質 ダイエット
ファットスプレッドやマーガリン、バターの代わりにクルミスプレッドはいかがですか?
ミキサーで混ぜるだけ。
簡単で、ビタミンたっぷり、抗酸化作用?も期待できます。

【材料】
  • クルミ 150g
  • エリスリトール(ラカントなどでも) 40g
  • みそ  小さじ1
  • バター 40g
  • 水   120㏄ 
  • ラム酒(お好みで) 小さじ0.5
【作り方】
  1. クルミは半日くらい水(分量外)につけておく
  2. バターは室温に戻すか、電子レンジで柔らかくする
  3. 水を切ったクルミと材料を全部ミキサーに入れて撹拌する(ここではバイタミックスを使っています)

すぐに食べきってしまうなら、水の代わりに牛乳を使うともっとコクが出ます。
たくさん作って、冷凍保存もできます。

ご参考までにクルミに含まれる栄養素をご紹介します。

クルミは理想的な脂肪酸の摂取源

ナッツ類にはビタミンが豊富です。
クルミで特に注目できるのはω3系多価不飽和脂肪酸が多いことでしょう。

ω3系多価不飽和脂肪酸は、体の中でEPA(エイコサペンタエン酸)の原料になります。
詳しくは
健康に良い油?悪い油?
で説明しました。

下の図のように、
αリノレン酸などのω3系の脂肪酸はEPA
リノール酸などのω6系の脂肪酸はアラキドン酸
なります。

クルミにはω6系の脂肪酸も多く含まれていますが、ω3系の脂肪酸も含まれています。
多くの植物油はω3系が少なくω6系が多いので、クルミのようにバランスよく脂肪酸を含む植物油は貴重だといえます。
http://www.evergreenlove.net/2014/12/blog-post.html
ω3系のαリノレン酸はEPAの原料になり、EPAからはDHAが作られる(グリーン色系の四角で示した)。
ω6系のリノール酸は、アラキドン酸になる(赤系の四角で示した)。
アラキドン酸は細胞内で炎症、アレルギー、血栓、喘息などを引き起こす物質に変わる。
細胞膜の脂質二重層の中のグリセロリン脂質の脂肪酸成分(脚の部分は)、アシル基転移酵素の働きで、必要に応じて入れ替わる。

ω3系とω6系は拮抗しているので、どちらかの摂取が多いと、グリセロリン脂質の脂肪酸成分のω3系とω6系のバランスが崩れてしまう。ω6系が多くなると炎症性疾患、アレルギー性疾患、血栓性疾患などを引き起こす可能性がある。最近では、アラキドン酸などのω6系の脂肪酸の摂取過多と、うつ病などの精神神経疾患とのかかわりも指摘されている。

クルミスプレッドはパンに塗るのにも安心

最近、バターが貴重品になってきて、マーガリンを代用したくなりますね。

でも・・・
ファットスプレッドやマーガリンは、どれも、パンに塗って味をつけるものとして利用されていますが、以下の問題点があります。
ケーキ作りに使われるショートニングも同じです。

ファットスプレッドやマーガリン、ショートニングなどの原料になる油脂の多くは、油脂の持つ炭素同志の不飽和結合に水素を添加させて作ります。
この過程を硬化処理といいますが、この過程では水素を添加させるために高温にして化学反応を進める必要があります。

この時にできるのがトランス脂肪酸です。

トランス脂肪酸は動脈硬化など血管を傷つける原因となることが分かっていますで、それらを多く含むファットスプレッドやマーガリン、ショートニングなどを使用しないことをお勧めします。

ファットスプレッドやマーガリンでなくても、食用油を用いて高温で揚げたり炒めたりすれば、同じようにトランス脂肪酸ができます。
まさに、スナック菓子の作り方ですね。

このような調理法は控えた方が、健康には良さそうです。
てんぷらやフライは、たまに適量をよく味わっていただくことにして、スナック菓子やカップラーメンなどには手を出さないようにするのが賢明、ということでしょう。

2016年10月20日木曜日

たくさん動いていれば何を食べてもOK

秋です。
スポーツと食欲の季節ですね。

エバーグリーン研究室では、病気を避けて、いつまでも健康で過ごすための勉強を続けています。
これまで、運動と、適切な食事について様々なお勧めをしてきました。

今日は、健康でいるための大きなヒントとなる研究が報告されましたので、ご紹介しながら、もう一度、運動と食生活の関係について学びたいと思います。

ここで質問です。

下のイラストで、運動するタイミングはどちらが良いと思いますか?

運動, 運動不足, 栄養学, 栄養素, 血糖値, 健康的な食事, 消費社会, 食後高血糖, 糖尿病, 食後の運動で、2型糖尿病患者の食後高血糖を管理できる

Reynolds, A.N., Mann, J.I., Williams, S. et al. Advice to walk after meals is more effective for lowering postprandial glycaemia in type 2 diabetes mellitus than advice that does not specify timing: a randomised crossover study. Diabetologia (2016). doi:10.1007/s00125-016-4085-2

Short walks after meals may prove important tool in managing diabetes

【研究の参加者】
41人の2型糖尿病患者( 年齢60 ± 9.9歳、糖尿病の罹病の平均値10年)

【研究の方法】
41人を、
①特に時間を決めずに毎日30分のウォーキングをするグループ
②毎日3回の食後に10分ウォーキングをするグループ
に分けて、2週間運動をしてもらい、その後1か月運動を休み、その後、のウォーキング方法を入れ替えた。
アクセロメータ(加速度センサー)で身体の活動度と、持続血糖測定器で血糖値を5分ごとに継続して1週間以上測定して、運動を行う前後で比較した。

【研究の結果】
  • ②の毎日3回の食後に10分ウォーキングは、①の特に時間を決めずに毎日30分のウォーキングに比べて、食後の血糖値を12%減少(幾何平均 0.88, 95%信頼区間 0.78-0.99)した。
  • 食事中の炭水化物の割合が最も多く、座っている時間が最も長かった夕食後のウォーキングが血糖値を22%減少(幾何平均 0.78,  95%信頼区間 0.67-0.91)させ特に効果があった。

【研究から考えられること】
  • 特に炭水化物の割合の多い食事をとる場合、食後の運動の指導をすべきである。
  • 現在の糖尿病の運動指導では、食後30分から2時間にかけて運動を行うと効果的としているものの、実行が難しい場合は、患者のライフスタイルに合わせて、実施しやすい時間を選んで行う、という指導内容を訂正し、食後の運動を推奨すべきである。 

食休みは身体に良くない

いかがですか?

この研究は無作為化クロスオーバー介入研究ですので、①も②も同じメンバーが試験対象となっています。
ですから、参加者はそれほど多くはないものの、かなり信頼できる結果だと思われます。

エバーグリーン研究室では、以前から、炭水化物、特に糖質(遊離糖質、単純糖質)は、「早い栄養素」とか「エネルギー密度・エネルギー効率の高い栄養素」として、アスリート、代謝の活発な若者以外は、あまりたくさん摂るべきではないとお勧めしてきました。
運動不足の人は、なおさらです。
⇒早い、うまい、安いが身を滅ぼす
⇒吸収が速い栄養素は老化を進める?
⇒速い栄養にご注意
⇒主食の罠

この研究からもわかる通り、炭水化物、特に糖質は食後の血糖値を急速に上げます。

しかし、それは、活動的でなく、運動をせずに、体を安静にし過ぎている場合に問題となるのです。

運動をしたり、家事をして活動的になり、筋肉や赤血球や脳が、血中のグルコース(ブドウ糖=血糖)を消費してくれれば、血糖値は上がらずに済み、インスリンも余計に分泌されずに、太らずに済むわけです。

要するに、炭水化物は直ちに血糖となり、血糖をエネルギーとして使わないと体が脂肪としてため込もうとするため、ため込むすきを与えないように常に活動的でいて、エネルギーを使ってしまえばよい、ということです。
⇒糖をためる仕組み、脂肪を消費する仕組み

文明社会の利便性→運動不足→不健康

農業・畜産業・林業・漁業など一次産業が主な就労であった時代には、特に運動(スポーツ)を意識しなくても、普通に生活をしていれば、活動的になり、血糖値などを気にせずに、炭水化物を食べても問題になりませんでした。

それどころか、汗をかいて体を使う仕事をする人々には、即時にエネルギー源となる炭水化物はぴったりの栄養素だったのです。

日本でも、戦前は一次産業の就労人口が多く、自家用車などが普及する以前には、2型糖尿病は現在ほど多くはありませんでした。

ところが、約300年前に起こった産業革命以降、文明社会に住むヒトは、利便性と引き換えに、慢性的な運動不足に陥っています。
⇒文明が病気を作った!

都市への一極集中が加速し、移動には車や自転車、階段は使わず、最近では買い物さえ宅配で荷物も持ちません。
家事や買い物さえもロボット技術とITにより自動化が進んでいます。
仕事もデスクワークが多く、趣味でスポーツする方も減っているようです。
昼休みにバレーボールやキャッチボールをしている光景も珍しくなりました。
1日1回軽く汗をかく活動をしていますか?

糖尿病、肥満、高血圧、動脈硬化、がん、認知症などの生活習慣病の主原因は、実は食事内容よりも、運動不足です。
運動習慣あるヒトや毎日の運動量が多いヒトでは、食事内容をそれほど気にせず健康を維持できるということです。

消費社会に騙されない!

では、なぜ運動の重要性が認識しにくいのでしょう。

エバーグリーン研究室では、その原因は、資本主義が生み出した現在の消費社会のシステムにあると考えます。

消費社会では、企業活動に代表される、消費者の貨幣による消費が重要視され優先されるので、企業は利得のために消費者に消費を促します。

消費を促すためには、消費者の欲望、安易さと不安と恐怖を刺激するのが常道です。

「美味しいもの、美しい容姿や、健康を、労力を使わず、この商品を使えば得ることができる」などと盛んに製品を売り出し、宣伝広告しています。

また、「これは便利だ」「楽ができる」などとの誘い文句で、掃除・洗濯・片付けなどをしなくてもよい安楽商品もたくさんあります。
ルンバなどの自動掃除ロボットや、乾燥機能付き洗濯機、使い捨ての商品などがその典型ですね。

また一方で、
「これを食べていると健康に悪い」
「これを飲まないと健康に悪い」
「サプリを使わないと太る、醜くなる」
「化粧品を使わないと美容に悪い」
などとというキャッチコピーを使って、不安と恐怖を刺激して、安心のために製品を買わせようとする企業や宣伝は数え切れません。

医療保険なども同様です。
「病気になったらお金がかかる」と不安をあおって加入させようとしています。
いくら保障の厚い保険に入ろうとも、病気になったら、まず幸福にはなれません。

そして、マスメディアやインターネットにはびこる広告やマーケティングによって、
欲望、安易さと不安と恐怖を刺激され続け、これらの商品・製品を必要以上に消費するため、
ヒトは貨幣の虜になっています。

そのため、長時間の労働を強いられ、その内容も、会社員であればデスクワークや単純作業の比率が多く、体を使う就労は少なくなっています。
多忙と疲労のためにエレベーター・エスカレーターはもちろんご近所への移動も車やタクシー。
やっと迎えた週末には、疲れていて、趣味やスポーツどころか、ちょっとしたストレッチをする気力もない。

貨幣の獲得のために、仕事優先の思考になり、休日も取らず、ストレスが多くなり、不健康な食事や飲酒・喫煙などで憂さを晴らす、といった方も多いと思います。

消費社会と貨幣にとらわれ、時間を奪われ、安心することに脅迫されて、本質を見抜く思考ができなくなってはたいへんです。
生き物が本来守るべき、自分の健康な命を見失ってしまわないようにしたいものです。
健康を損なえば、自分だけではなく周りの人間も不幸になります。
病気になって喜ぶのは医療従事者と医療産業だけです。

保険に入っても病気予防はできない

医療・医学は未完成です。
現在の医療技術で、一度かかってしまった病気を完治させることはまだまだ困難です。

保険に入っても病気は予防できません。
保険をかけて、発病してからお金をかけて高級な医療を受けても、根治しないことが多いのです。
病気にならないことが大切です。

そして、あらゆる生活習慣病に共通して最も有効な予防法は、運動であることを忘れてはなりません。

人生は限られています。
誰にとっても時間は等しく過ぎていき、貨幣を出しても買い足せません。
なるべく多く健やかな時間を過ごすことが、貨幣には代えられない幸せではないでしょうか。

さあ、今日は17:00に退社して、自宅の最寄り駅から1つ前の駅で降りて、歩いて自宅に帰りましょう。
エレベーターもエスカレーターも使わないようにしましょう。
きっと新たな風景や発見を楽しめますよ。
帰ったら軽いストレッチをしましょう。
これだけでもかなりの運動量です。
そうすれば風呂上がりのビールも格別ですよ。

週末はきちっと仕事を休んで、趣味やスポーツに汗を流しましょう。
美味しい料理をたくさん楽しめますよ!!!

2016年10月16日日曜日

レシピ*豆腐で作るチーズもどき

八丁味噌 漬け 写真 レシピ余った味噌と安い木綿豆腐で作りました。
見た目はちょっとチーズでしょ?
さっぱりしていておいしいです。

この「大豆チーズもどき」には、チーズの欠点である過剰な脂肪分が含まれていません。
チーズに含まれる脂肪は乳脂肪ですので、飽和脂肪酸が多いため、あまりたくさんは摂りたくありませんね。
チーズの代わりに、ちょっとおつまみにするのにピッタリですよ。

味噌の種類を変えれば、味にバリエーションも。

【材料】
木綿豆腐 1丁
味噌(今回は八丁味噌で作りました) 70gくらい

【作り方】
1.一晩、冷蔵庫で木綿豆腐の水を切る。

2.キッチンペーパーで豆腐を包む。
 キッチンペーパーを豆腐の側面を覆えるサイズにカットすると使いやすいです。


3.キッチンペーパーの上から味噌を塗る。 
今回は八丁味噌です。




4.新聞紙で包む

5.冷蔵庫に入れ、水分が浸みてきたら新聞紙を取り換える。
初日は1日に2~3回。
あとは1~2回くらい。
はじめて新聞紙を取り換えるとき、味噌が新聞紙についてはがれてきますが、つけ直してください。
2回目以降は付いてこなくなります。
 


6.4日くらいして、水分があまり浸みだしてこなくなったら、キッチンペーパーごと味噌をはがす。















3日くらいで食べてください。

大豆は優秀なタンパク源

大豆は、タンパク質を多く含む優秀な食材です。
「植物性タンパク質が体にいい」と言われますが、動物のタンパク質と植物のタンパク質を比べたら、動物のタンパク質のほうがずっと優秀です。
どういうことか、もう少し詳しく説明しましょう。

タンパク質はアミノ酸でできている

タンパク質は、消化管で1つのアミノ酸か2~3個連なった形にまで分解されて吸収される
タンパク質とは、アミノ酸がたくさん連なったものが立体的に折りたたまったものです。
  1個のたんぱく質を作るアミノ酸の数は、数千個のものから数億個のものまであります。

しかも、私たちの体の中で使われるアミノ酸には20の種類がありますから、その組み合わせで、様々なタンパク質ができます。

私たちは、口から食べたタンパク質を アミノ酸に分解して、このアミノ酸をもう一度、まったく別の形のタンパク質に組み立てなおして、体の必要な場所に取り込んでいます。

コラーゲンを食べてコラーゲンが増える確率はわずか

例えば、お肌にいいと言われるコラーゲン。

コラーゲンはタンパク質ですが、コラーゲンを食べてもそのまま皮膚に取り込まれるのではありません。
タンパク質は大半が消化管でアミノ酸に分解されて吸収されます。
そして、ほとんどの場合、コラーゲンとは全く違うタンパク質の材料として使われます。
たまたま、コラーゲンが足りないときには、コラーゲンの材料として使われることもあります。
コラーゲンは、アミノ酸が幾つか連なった特殊な形(オリゴペプチド)で吸収される場合があり、それがコラーゲン生合成効果を持つという仮説もありますが、まだはっきりしていません。

タンパク質は生命活動そのもの

タンパク質はご存じのとおり、炭水化物(糖)、脂質と並んで、三大栄養素の1つとされています。
でも、我々動物にとって最も重要な栄養素は、炭水化物(糖)や脂質ではなくタンパク質(アミノ酸)です。

動物では、炭水化物(糖)、脂質は、体の部品の一部には使われますが、割合は多くありません。
炭水化物(糖)、脂質は、どちらかというとエネルギー源として利用しています。

タンパク質がなぜ重要かというと・・・
外から摂った栄養素を体の部品として取り込むには、消化(分解)酵素の働きが重要ですね。
この酵素はタンパク質でできています。

血中に取り込んだ栄養素を細胞に取り込むときには、膜輸送体というタンパク質が細胞膜の入り口として働きます。

運動や、血液循環、呼吸などを行う筋肉もミオシンとアクチンというタンパク質で構成されています。

神経細胞が興奮したり、鎮静したりする、つまり考えたり、感じたり、喜んだり悲しんだりするのにも、膜輸送体のタンパク質が働いています。

つまり、私たちのすべての生命活動は、タンパク質によって行われているのです。

私たちの遺伝子には、自分の設計図が書かれていると言いますが、DNAが決めているのはタンパク質を作るアミノ酸の並び順だけです。
DNAから作られた酵素などのタンパク質と外から取り入れる栄養素を使って、私たちの体は自分自身を組み立てていくのです。
それだけのことで個性が生まれるのですから、不思議ですね。

タンパク質を作るアミノ酸の種類

さて、ヒトの体は20種類のアミノ酸で構成されていると言いましたが、その中には体内で合成できないアミノ酸が9種類あります。
これを必須アミノ酸といいます。

【必須アミノ酸】

・トリプトファン 
・リシン 
・メチオニン 
・フェニルアラニン 
・トレオニン 
・バリン 
・ロイシン 
・イソロイシン 
・ヒスチジン

これらのアミノ酸は、外から摂らなければなりません。

動物性のタンパク質には、これらの必須アミノ酸を豊富に含んでいますで、効率よくタンパク質を摂れます。
それに対して植物はタンパク質を多く含むものが少なく、比較的多く含む米や小麦(ただしどちらも全粒での話)、芋類などでも、必須アミノ酸の種類が偏っているものが多いようです。

ごま大豆パン

大豆は必須アミノ酸をバランスよく含む植物

大豆は、植物にしては珍しく、必須アミノ酸をバランスよく含んでいます。

大豆&ラズベリークリームチーズパン
動物性タンパク質には必須アミノ酸がバランスよく含まれているので、魚や肉類、卵などを食べていれば問題はありませんが、忙しいと、食事をパンだけで済ませたい時もありますね。

そんなとき大豆パンを食べれば、大豆パンそのものに必須アミノ酸が入っているので、これらをバランスよく摂ることができます。
ただし、大豆のタンパク質の消化吸収の効率は動物性蛋白ほど良くないので、少し多めに摂る必要があるかもしれません。

大豆&チョコパン

2016年9月24日土曜日

レシピ 低糖質 ココアチーズケーキ

チョコレートの代わりにココアパウダー(無糖)とエリスリトールを使った、低糖質ココアチーズケーキです。
味はチョコレートチーズケーキと変わらないで、糖質は全部で約46g。
8枚切り食パン2枚と同じくらいです。

ゼラチンで固めるので、失敗しません。

【材料】

クリームチーズ 100g
ココアパウダー 50g
エリスリトール 70g
牛乳       100mL
ゼラチン     4g
水(ゼラチン用) 大さじ1
塩         ひとつまみ


〈土台〉
ふすま 40g
クルミ 40g
バター 30g
エリスリトール10g

ふすまがなければ、クラッカーを砕いてもよいです。
そのときは、エリスリトールは入れません。
ただし、糖質の量は増えます。


【作り方】
  1. 容器(13L:13㎝×19㎝のタッパ)にクッキングシートを敷く
  2. ボールにクルミを入れて細かく砕く ※細かい方が土台はしっかりしますが、クルミの触感を楽しみたい場合は大きめに
  3. エリスリトール、ふすまを加えて混ぜる
  4. 室温に戻して柔らかくしたバターを加えて混ぜる
  5. 容器に入れ、ラップを載せて平らにならす
  6. 重しを載せて冷蔵庫で冷やす※一回り小さなタッパをラップの上に重ねて、その上に重しを乗せました)
  7. ゼラチンを水に浸してふやかす
  8. 鍋に牛乳を入れ、沸騰しないように温めて火を止め、エリスリトールと塩を溶かす
  9. ふやかしたゼラチンを加え、よく混ぜる
  10. クリームチーズを加えて溶かす
  11. ココアパウダーを加え、よく混ぜる
  12. 土台の上に流し入れる
  13. 冷めたら、冷蔵庫で冷やす
  14. 固まったら、クッキングシートをはずす

大きめのタッパにクッキングシートを敷いて作りました。

クッキングシートを外したらタッパに戻し、蓋をして冷蔵庫に入れられるので、便利です。

ココア(無糖)とチョコレートを比べると

文部科学省の食品成分データベースによると、無糖のココアに含まれる利用可能炭水化物ミルクチョコレートの約1/6です。

利用可能炭水化物というのは、デンプンやブドウ糖、ショ糖、果糖などの、体内に吸収される糖質のことです。
つまり、同じ量のココアとミルクチョコレートとでは、ココアのほうが吸収される糖質の量が1/6で済むということになります。

さらに、糖質の種類を見てみると・・・

【ココア】

ココアに含まれる糖質は主にデンプンです。

デンプンは、たくさんのブドウ糖がつながっていて、吸収されるためにはブドウ糖をアミラーゼなどの酵素で1つ1つバラバラに切り離さなければなりません。

この切り離す作業=消化には時間がかかります。
デンプンは酵素でブドウ糖に分解されて吸収される
そのため、血糖値が急に上がることはありません。


【ミルクチョコレート】

ミルクチョコレートに含まれる糖質は、主にショ糖(砂糖)です。

ショ糖とは、1個のブドウ糖と1個の果糖が結合した糖ですから、結合を1か所切るだけで吸収することができます。
デンプンに比べて、消化に時間がかかりません。
ですので、砂糖を多く含む食品をとると血糖値が急上昇しがちなのです。

そのうえ、グルコースと果糖を同時に摂取すると血糖値が上がりやすいことがわかっています。

エネルギー効率が良い食べ物は危険

エネルギー効率については、これまで何度かお話してきました。

低糖質チョコレートブラウニー
ミルクチョコレートは、ココアに比べてエネルギー効率が良いといえます。


昼間甘いものを無理に我慢して、反動で夜中に食べてしまったりしないためには、エネルギー効率の悪いおやつをいただくほうが健康的。

チョコレートクッキー
無糖ココアはチョコレートの代用になるので、いろいろ使い道があります。
ココアは味が濃いので、低糖質のおやつを作るのに扱いやすいです。
砂糖をエリスリトールに替えたり、小麦粉をふすまに替えたりしても、ココア味だとなかなかバレません(笑)

低糖質チョコレートクッキー
低糖質チョコレートブラウニー
低糖質 小麦粉なし!チョコパン