いきいき!エバーグリーンラブ: 漢方薬
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2016年12月21日水曜日

漢方薬で感染性胃腸炎の嘔吐、下痢対策

寒くなってくると、感染症が流行って、困ることが多いですね。

ちょうど、今の時期、ノロウイルスやロタウイルスなどによる感染性胃腸炎が流行していることも多いです。

特に、お子さんや高齢の方が罹ると、嘔吐(吐き戻し)や下痢で脱水症状が出やすく、危険なこともあります。

高齢者の場合は、嘔吐物を誤嚥(誤って、気管に入ってしまう)して、肺炎を起こす、いわゆる誤嚥性肺炎の原因になることもあるので、侮れない感染症です。

主な症状は、吐き気、嘔吐、下痢、発熱(38℃以下)、腹痛で、小児では嘔吐が多く、大人は下痢が多い傾向があるといいます。

病原体により異なりますが、だいたい潜伏期間は1~3日くらいで、症状も1~3日くらいで治ることが多いようです。

特に有効な治療法はなく、安静と水分補給が重要ですが、重い脱水症状には点滴が必要です。
嘔吐や下痢が酷い場合は、OS-1などの経口補水液や水は、消化管が受け付けず、飲んでも嘔吐と下痢がひどくなるだけで、脱水症状は改善されないことを覚えておいてください。

重篤な脱水症状や肺炎が起こったら医療機関を受診するといいでしょう。

軽い場合には、自宅で安静にして水分補給に努めるとよいと思いますが、水分補給についてはコツがあるので、詳しくは下記をご覧ください。
⇒脱水状態になったら経口補水液!

また、大抵の感染性胃腸炎には抗菌薬や抗ウイルス薬は必要なく、かえって有害です。

胃腸炎に効く漢方薬☆五苓散

さて、こんな厄介な感染性胃腸炎ですが、実は、嘔吐と下痢には、漢方薬で特効薬があります。

五苓散(ごれいさん)、という処方です。
処方内容は、沢瀉、茯苓、蒼朮、猪苓、桂皮の5つの生薬で構成されます。

それぞれの生薬は、利尿、鎮静、健胃、抗眩暈(めまい)、発汗、理気(体表の血管を拡張させて軽く発汗させる)作用を持つものから構成されていますが、桂皮以外のすべての生薬は、利尿作用を持っています。

五苓散は漢方や中国医学の考え方の、水毒や水滞・湿証(水分停滞)、水腫(水分横溢)という病態に著効することが多いです。

漢方や中国医学の考えでは、水毒や水滞、水腫という病態は、体内で水が本来あるべきではないところに偏って存在する状態と捉えます。

ですので、五苓散は嘔吐や吐き気、下痢ばかりでなく、浮腫(むくみ)、胸水、腹水、尿量減少、頭痛、眩暈(めまい)、耳鳴り、口渇(のどの渇き)、二日酔いによるこれらの症状、つわり(悪阻)、熱中症による脱水予防などに応用されます。

とても良く効きますので、感染性胃腸炎対策に常備しておくことをお勧めします。

胃腸炎では薬が吸収されにくいことに注意

胃腸炎で、吐き気や嘔吐、下痢があると、胃や腸などの消化管は機能が低下しているので、水をはじめ、ほとんどのものの吸収が落ちています。

感染性胃腸炎には病院でナウゼリンやプリンペランなどの吐き気止めや、ロペミンやトランコロンなどの下痢止めの薬を処方されることもあると思いますが、これらの薬も、消化管の機能が低下しているときには吸収されにくいと考えられます。

その点、五苓散は、消化管の機能が低下しているときでも、よく効きます

五苓散の飲み方

感染性胃腸炎への五苓散の常備法としてお勧めなのは、エキス顆粒(粉薬)の五苓散をお湯に溶かして、冷ましてから、製氷皿に入れて冷凍庫に入れて、五苓散氷としておくことです。

【材料】1日分
大人
  • ツムラの五苓散料エキス顆粒(薬局で買えます) 2包(5g)
  • 熱湯 40mL
子ども
  • ツムラの五苓散料エキス顆粒 1包(2.5g)
  • 熱湯 40mL 
  • 砂糖 小さじ1/2くらい
【作り方】
  1. 五苓散料エキス顆粒(子ども用には砂糖も)を湯呑にいれて、40mLの熱湯で良く溶かす。ちょっと溶けにくいので、必ず熱湯を用いて、スプーンで根気よく溶かしてください。
  2. 冷めたら製氷皿4ピースに、同じ量になるように入れる
  3. 冷凍庫で凍らせる
【飲み方】
  • 五苓散氷を口の中に1つ含み、溶かす(飲み込まないこと)
  • 1日4個が目安
  • できれば、吐き気や下痢が軽いうちに飲む
  • 熱中症の脱水予防に使う場合は、暑さを感じた時点で予防的に飲む
  • 二日酔い予防もモチロン飲み会の前に飲む

消化機能が落ちていても飲みやすい

五苓散氷は、消化管の機能が低下していても、ゆっくり吸収されていくので、胃腸炎に適していると言えます。

感染性胃腸炎では、水も一切受け付けない(嘔吐の時は水を飲めばすぐ吐く、下痢の時は水を飲むとすぐ下痢する)状態になっていることが多いでしょう。
この方法ならこんな時でも、薬を飲むのに水をたくさん飲まずに済みます

エバーグリーン研究室では、夏の熱中症の脱水対策にもこの方法をお勧めします。
特に高齢の方とお子さんがいる家庭にぴったりです。

ちょっと渋いのが難点ですが、良薬口に苦しということで、味わってみてください。

お子さんには、ちょっと砂糖を加えて溶かして、味を調整してあげてもいいでしょう。

五苓散で症状が改善されて落ち着いたら、下記のリンクのアミノ酸スープがお勧めです。
⇒胃腸炎にアミノ酸スープ

下痢やむくみになぜ効くのか


五苓散は、体内が水分過多のむくんだ(浮腫)の状態では尿量を増やし,脱水状態では尿量を減少させる作用があります。
西洋薬の利尿剤では脱水状態でも尿量が増えるのに、五苓散は浮腫である場合のみ尿量が増えることも特徴です。

血中の電解質濃度(ナトリウムイオンやカリウムイオン、カルシウムイオン、塩素イオンなど)のバランスに影響せずに尿量を増やす作用もあります。
西洋薬の利尿剤の欠点は、この電解質のバランスに影響することです。

これらの五苓散の持つ、まさに体内の水分をあるべきところに納める作用は、とても不思議で、日本の研究者たちは一生懸命研究しました。

その1つをご紹介します。

礒濱洋一 郎 漢方薬の薬理作用とアクアポリン


図1から図5までを見てください。

漢方薬 アクアポリン 五苓散 イラスト 水の吸収 カリウムイオン ナトリウムイオン ポンプ
1.細胞外と細胞内の電解質バランスが正常
水の挙動(移動)は細胞外と細胞内の電解質バランスによって方向が決まる。
細胞内から塩素イオンなどの負(-)イオンが出ると、細胞外液のほうが浸透圧が高まり、
細胞内の水をアクアポリンを通じて引き寄せる。
ナトリウムイオンなどの正(+)イオンが細胞に入り、細胞内の浸透圧が高まると
細胞外液からアクアポリンを通じて水が細胞内に流入する。
どちらの場合も一時的に細胞内の水の量が増減するが、
管腔側との基底層のそれぞれのアクアポリンの働きで、水が出入りして収支を保ち、
やがて細胞の浸透圧は一定に落ち着くと考えられる。
アクアポリン 五苓散 イラスト 水の吸収 カリウムイオン ナトリウムイオン ポンプ
2.細胞外と細胞内の電解質バランスが異常
細胞外液と細胞内の電解質バランスが崩れると、水の移動が起こり浮腫(むくみ)や脱水や下痢となる。
この図の場合は管腔側の細胞外から水が流入し、浮腫となる様子を描いている。
アクアポリン, つわり(悪阻), むくみ, 下痢, 感染性胃腸炎, 胸水, 五苓散, 口渇、二日酔, 水滞, 水毒, 脱水, 頭痛, 尿量減少, 熱中症, 腹水, 眩暈(めまい), 漢方薬,
3.細胞外と細胞内の電解質バランスが異常
細胞外液と細胞内の電解質バランスが崩れると、水の移動が起こり浮腫(むくみ)や脱水や下痢となる。
この図の場合は、基底層側の細胞外から水が流入し、脱水や下痢となる様子を描いている。


漢方薬 アクアポリン 五苓散 イラスト 水の吸収 カリウムイオン ナトリウムイオン ポンプ
4. 五苓散がむくみに効くメカニズム
アクアポリンに作用して、アクアポリンの機能を止めて、
本来移動すべきでない水を堰き止める。
五苓散などの漢方薬に含まれる成分の1つ(この場合はマンガンイオン)が水の通り道となるアクアポリンに作用して、アクアポリンの機能を止めて、本来移動すべきでない水を堰き止める。

これが、五苓散が下痢にも、むくみにも効くメカニズムの1つのようです。

また、五苓散などの漢方薬の成分は小腸まで到達しなくても、口の中や喉などの粘膜からも吸収される可能性も指摘されています。

このあたりが嘔吐や下痢で消化管が機能低下しても、五苓散が効く秘密なのかもしれません。



漢方薬 アクアポリン 五苓散 イラスト 水の吸収 カリウムイオン ナトリウムイオン ポンプ
5.五苓散が下痢に効くメカニズム
アクアポリンに作用して、アクアポリンの機能を止めて、
本来移動すべきでない水を堰き止める。

漢方や中国医学の2000年以上の経験から、いろいろな生薬を使った処方が蓄積されています。
その使い方やメカニズムはまだ十分に科学的にわかっていないものも多いですが、近年の研究からだいぶ明らかになってきました。


エバーグリーン研究室では、副作用の出にくい漢方薬や民間薬の有効活用を推奨していますが、このような研究が進めば、より科学的に納得して漢方薬を使えるようになりますね。

漢方や中国医学の欠点は、どのような場合にどの処方を使うべきかの方法論が、経験論に基づいていて、一応体系化はされているものの、理論の基礎に陰陽五行説と易(経)という古い哲学ないし思想があり、難解で、多様な解釈ができてしまうことです。

漢方や中国医学の弁証(理論と診断・処方)は、物事の捉え方として素晴らしい点も多いのですが、ある意味、教条主義的で、一部に論理的ではない面があり、経験と勘がものをいう場合が多いことも問題点でしょう。

上の研究のように、漢方や中国医学の知見や考え方を現代科学・医学・薬学で分析・検証して、より有効で安全な使用法が明らかになっていくことを期待しています。

2015年1月19日月曜日

インフルエンザ*タミフルよりはリレンザ・イナビルが安心

エバーグリーン研究室では、インフルエンザに罹ったら、抗インフルエンザウイルス薬より漢方薬をお勧めしています。

インフルエンザ*漢方薬で早めの対策

とはいえ、抗インフルエンザウイルス薬についてももっと詳しく知っておく必要があるのでは?と思い、誰でも入手できる資料を元に、色々調査してみました。

ここでは、今、A型にもB型にも効果があるとされていて、注射薬ではない3種類の抗インフルエンザウイルス薬を比べてみることにします。
  • タミフル:経口薬(カプセル、ドライシロップ)5日間服用
  • リレンザ:5日間吸入
  • イナビル:1回吸入

剤形が違うとこんなことが違う

まず、投与方法の違いについて。
カプセル、ドライシロップ、吸入などの薬の形を、剤形といいます。

同じ剤形でも、薬によって吸収のされ方が違う場合があるので、一般的な話はすごく複雑になります。
ですから、ここでは、タミフルとリレンザ、イナビルについてお話しします。

幼児、高齢者、肺炎の人はタミフル

吸入はお手軽な感じがしますが、乳幼児や高齢者など、うまく使えない場合には全く効果が得られません。
肺炎を起こしている人や、喘息で気道が狭くなっている人も、薬が肺まで届きにくいために使えません。

経口薬は、飲めば確実に体内に入るので、誰にでも使いやすい剤形といえます。
タミフルが誰にでも勧められるのには、こういった理由があります。

リレンザ・イナビルはのど、タミフルは全身

吸入と経口薬では、使用後、体の中のどこに入っていくかが違います。
  • タミフル(経口薬)の場合:       口→胃→小腸→肝臓→血液→全身
  • リレンザ/イナビル(吸入)の場合:  のど・気道・肺の粘膜→血液→全身
このような体内での薬の動き方を、体内動態といいます。

薬の作用の現れ方 経口投与 吸入の作用箇所の違い 内服、吸入で吸収される部位 口から飲んだ時とスプレーで吸入した時、薬はどうやって効く? のど 肝臓 静脈 動脈 小腸から門脈を通って肝臓へ 体内動態と効果が発現する部位 有効性  吸収 代謝 ADME 図説 イラスト タミフル リレンザ イナビル オセルタミビル ザナミビル ラニナビル インフルエンザの薬は何がいいか イラスト 図説
タミフルを飲んだ時
①飲み込むと
②胃を通過して小腸へ
③小腸から吸収されて、門脈(緑)を通って肝臓へ
④肝臓から肝静脈を通って心臓へ
⑤心臓から全身へ
★全身で作用

リレンザ・イナビルを吸入した時
①吸入すると、のど・気管支・肺の粘膜へ
★のど・気管支・肺で作用
②のど・気管支・肺の粘膜からほんの少し吸収され、全身へ

タミフルも、リレンザ・イナビルも、最終的には血液中に入り全身へ送られますが、その割合が違います。
  • タミフルでは飲んだ量の約80%が血液へ
  • リレンザは吸入した量の約2%が血液へ
これがどういうことかというと・・・

タミフルは

タミフルは、大半(80%)が血液の中に入り全身へいきわたり、全身に作用します。
そのほかは、おそらく吸収されていないと考えられます。

リレンザは

リレンザは、吸入した薬のほとんどはのどや気管支、肺など、吸入した薬が届いた粘膜にとどまって作用します。
インフルエンザウイルスはのどから侵入するので、ここで、戦って体に入るのを食い止めようというわけです。

イナビルは

では、イナビルはどうかというと、示されているデータがちょっと違うので、タミフルやリレンザと並べてお示しできません。

イナビルは、血液中の濃度を1とすると、肺胞粘液中の濃度は約100、肺胞マクロファージの濃度は約14,000になるとされています。

肺を顕微鏡で見ると、小さな袋がたくさん集まってそこで血液中の二酸化炭素を酸素に置き換えています。
この小さな袋が肺胞。
肺胞の表面を覆っている粘液が肺胞粘液、肺胞の中にいるマクロファージ(白血球の一種で、ウイルスと闘う戦闘員)が肺胞マクロファージです。
ですから、イナビルは血液中にはほんのわずかしか入らず、ほとんどが肺胞で作用すると考えられるわけです。

特に、肺胞マクロファージというのは、インフルエンザウイルスが感染した細胞を食べる戦闘員ですから、この中にイナビルがたくさんあるということは、イナビルがインフルエンザウイルスが感染した細胞にたくさんくっついていたのではないかと推測できます。

ただし、インフルエンザウイルスが増殖することができるのは喉の細胞だけで、肺の細胞には入っていくことができません。
ですから、肺胞にイナビルがいくらたくさん分布していても、肺での効果は期待できません。
インフルエンザ治療薬 イナビルは本当に有効?

抗インフルエンザウイルス作用について3剤を比べると

これらの薬が効果を発揮するのは、ヒトの細胞の中で増殖したウイルスが細胞から出ていくところです。
インフルエンザウイルスの増え方と薬の作用については、こちらを見てください。

ということは、いったん血液中に入ってから、体中を回ってのどの粘膜にたどり着いた薬が効果を発揮するタミフルよりも、投与した薬のほとんどがのどの粘膜で効果を発揮するリレンザやイナビルの方が効率がよさそうに思えますね?

中枢神経系副作用について3剤を比べると

ここでは、特に問題視されている中枢神経系の副作用についてお話しします。
錯乱してしまったり、飛び降りてしまったりした原因ではないかとされる副作用のことです。

血液中で作用するタミフルは、脳の中に入る可能性があるけれども、リレンザ、イナビルは、そもそも血液中に入る量が少ないので、脳に作用する可能性はほとんどない、と考えられますね。

これに対してタミフルには、脳の中に入るかもしれない、というデータがいくつかあります。
参考 インフルエンザ*タミフルで予防できる?

さらに、イギリスの研究者が発表したコクラン共同研究の報告では、次のように、タミフルが中枢神経系副作用の原因ではないかと疑っています。
Jefferson T, et al. Neuraminidase inhibitors for preventing and treating influenza in healthy adults and children. Cochrane Database of Systematic Reviews 2014, Issue 4. Art. No.: CD008965. DOI: 10.1002/14651858.CD008965.pub4http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/14651858.CD008965.pub4/abstract
  • タミフルが炎症促進性サイトカインの濃度を低下させることで、免疫反応が治まり、インフルエンザの症状が改善していることが考えられる。
  • とすると、タミフルには中枢神経(脳の神経)抑制作用があり、その結果、熱が下がり、見かけ上、症状が改善したようになっているという可能性がある。
ちなみに、厚生労働省の見解は、インフルエンザに罹ってタミフルを飲んでいた人と飲んでいなかった人とで、中枢神経系の異常が現れた割合に統計学的に差がないことから、タミフルはこれらの副作用の原因ではない、としています。

血液中に入る薬の量について3剤を比べると

そもそも、血液の中に入らなければ、中枢神経系の副作用は起こるはずがありません。
そこで、タミフル、リレンザ、イナビルが、投与した後どのくらい血液中に入るかを調べてみました。
抗インフルエンザウイルス薬3剤の体内動態を比べると、吸入薬は経口薬に比べてAUCが約1/20 剤形 1回投与量 半減期 AUC 分子量  タミフル オセルタミビル リレンザ ザニナミビル ラニナミビル 活性体 効果 安全性 精神科副作用 脳内に入る 中枢神経 AUC(血中濃度-時間曲線下面積、area under the blood concentration-time curve)

血液中の薬の量は、時間の経過とともに変化するので、血液中の濃度と時間からAUC(血中濃度-時間曲線下面積、area under the blood concentration-time curve)というものを計算して求めます。

表の「総AUC」の所を見てください。
この値で、それぞれの薬が投与期間を通して血液中に入る総量を比較できます。

タミフルとリレンザは1日2回5日間、計10回投与するので、1回投与した時の投与後12時間のAUCの値を10倍しました。
ですから、だいたいこのくらいかな、と思ってみてください。

結果は・・・
全投与期間に血液中に入る量は、タミフルは、リレンザ、イナビルの約20倍でした。

化学に強い方は、薬の1分子の重さが違えば、濃度(ng/mL)では比較できないのでは?という疑問を持たれるのではないかと思い、分子量を調べましたが、どれも同じくらいでした。

つまり・・・
タミフルは、リレンザ、イナビルに比べて圧倒的に血液中に入る量が多いので、脳の中に作用する可能性も他の2剤より高いといえそうです。

参考までに、血中濃度半減期も調べました。
血中濃度半減期というのは、血液中の薬の濃度が一番高くなったところから半分になるまでにかかる時間のことです。

タミフル、リレンザに比べて、イナビルは血中濃度半減期が10倍以上長いですね。
イナビルは、ゆっくり吸収されて長い時間作用することがわかります。
だから、1回の吸入で効果が得られるわけです。

インフルエンザの症状を抑える作用について3剤を比べると

薬が発売されるためには、臨床試験(治験)といって、実際に患者さんに使った時の効果や副作用を確認する試験を行う必要があります。
臨床試験の結果は、薬ごとに作られているインタビューフォームと呼ばれる冊子に書かれています。
インタビューフォームは「医薬品医療機器総合機構(PMDA)」の
「医療用医薬品の添付文書情報
から検索できます。

ここで調べたところ、タミフル、リレンザ、イナビルとも、似たり寄ったりの成績で、薬を使わない時と比べて発熱やその他のインフルエンザ様症状を、半日~1.5日くらい早く治す、というものが多いようです。
海外の臨床試験では、効果が認められなかったものもあります。

さらに、タミフルの臨床試験方法をじっくり読むと、効いたようにみえて実は効いていないのではないかという疑問も出てきます。

というのは、タミフルには免疫の力を抑える作用があると考えられるためです。

詳しく説明すると…
免疫力が弱い人はインフルエンザに罹っていても、抗体が上手に作れないためにインフルエンザかどうか調べる抗体検査の結果が陰性になってしまう可能性があります。

臨床試験は抗体検査でインフルエンザであることが確認された患者さんだけを対象にします。
ということは、タミフル投与群には、タミフルを使っても検査でインフルエンザだと認められた免疫力の強い人、つまり、治りやすい人が多かった可能性があるわけです。

このお話は、
インフルエンザ*タミフルで予防できる?
で、予防投与の効果を例に詳しく説明しましたので、ご参照ください。

インフルエンザの薬って、よく効くって言われているのに・・・と思われる方が多いかもしれません。
私も、そういう評判を信じていましたが、試験の成績をよく見ると、そんなことはないんです。
ムリして医者に行ってもらうほどの価値があるとは、ちょっと思えません。

私の感想

で、どうすればいい?と思われるかと。
色々調べた結果の個人的な意見をお伝えしますね。
じゃあ、インフルエンザ対策は何もしないか、というとそんなことはありません。
詳しくはこちらを。


ところで、日本では、新型インフルエンザに備えてタミフルを備蓄しています。
厚生労働省のお役人は、この薬の有効性も副作用もご存じでしょうから、どうして、そんなことをするのか疑問です。

で、理由を考えてみました。
ここからは、全くの想像です。

新型インフルエンザ対策を何もしないと、いざというときに、パニックに陥ってしまうので、やむを得ず、タミフルを備蓄しているのではないでしょうか。
タミフルを選んだ理由は、もう、耐性ウイルスが出てきているので、新型ウイルスに全国で使われて耐性ウイルスだらけになってしまっても、惜しくないから・・・でしょうかね??


2014年12月29日月曜日

インフルエンザ*漢方薬で早めの対策

インフルエンザに効くとされている抗ウイルス薬はあまり効果がないようだし、思っていたより副作用があるかもしれない、というお話をしてきました。

インフルエンザ*タミフルはどのくらい効くの?
インフルエンザ治療薬 イナビルは本当に有効?

では、インフルエンザに罹ったら、ひたすら寝て、じっと治るのを待つしかないのか??
さすがに私たちも、そんなに暇ではないし、辛いのは嫌いです。
では、どうするか?

私ならこうして対処する、という方法をご紹介します。
実は、エバーグリーン研究室では、西洋新薬はめったに使いません。
漢方は私の守備範囲なので、今回はちかしがお話しします。

漢方薬@インフルエンザの前に知っておきたいこと

漢方薬はウイルスを排除しようとする身体の力を助ける

はじめに復習しておきたいことがあります。

いわゆる風邪とインフルエンザは、病院へ行って検査をしない限り、正確には区別がつきません。
ですから、ここでは、インフルエンザの流行期に、「のどがおかしい」とか、「関節が痛い」とか、「くしゃみ・鼻水が出てきた」などの症状が現れたときの対処方法をお話しすることになります。

いわゆる風邪を引いたときの対応は、こちらをご覧ください。
風邪のひきはじめに飲む薬

ここでご紹介する薬は、インフルエンザウイルスに直接働いて退治する薬ではありません。
自分自身の身体の力を高めて、入ってきたウイルスを退治する薬です。

ヒトの体は、外敵を体の中に入れないようにする力をもともと持っています。
ただ、インフルエンザウイルスはかなりの強敵で、負けてしまうことが多いのです。
ここを、負けないように漢方薬で加勢してあげようというものです。

ならば、どんなウイルスにも効くのでは?と思われた方、そのとおりです。
ただ、いわゆる風邪のウイルスは、インフルエンザウイルスのように感染力が強くなく、進行が遅いので、処方が違う薬の方がより適切な場合が多いです。
詳しくは、しつこいですが、先ほどの風邪のひきはじめに飲む薬を。

もう一つ、とても大切なことがあります。
普通の風邪と、インフルエンザとどちらにかかったかを見分けることが大切です。
でも、これは難しいことでもあります。

でも、ポイントがありますので、覚えておきましょう。

インフルエンザを疑う症状は?

インフルエンザでは、まず、発熱が特徴で、微熱ではなく38℃以上の発熱をします。

そして、
  • 寒気や震え
  • だるさ(倦怠感)
  • 肩こり、首のはり
  • 関節や場合によっては筋肉の痛み
  • 頭痛
  • 鼻水
  • くしゃみ
  • 喉の痛み
症状が、出る順番は人によって違いますが、いくつもいっぺんに起こるのが特徴です。

普通の風邪はどうかというと

普通の風邪では、これも人によって異なりますが、症状が病気の進行とともに順番に出てきます。
私の典型的な風邪の症状のパターンは、

寒気(ざわざわした感じ)
~肩こり
~のどの痛み(咳が出ないことも多い)
~頭痛
~発熱
~汗をかく
~関節の痛み
~くしゃみと水っぽい鼻水
~熱が下がってくる
~くしゃみは出ないで鼻が詰まり、鼻をかむと緑色のどろっとした鼻水が出る
~1週間ぐらいで治る

です。


このインフルエンザ以外での、自分の風邪の症状パターンを覚えておくとよいです。

インフルエンザは、感染力が強いので、発熱とともに、症状が激しく、症状が複数いっぺんに出るのが特徴なのです。

インフルエンザに罹ったと思った時の漢方薬

インフルエンザに罹ったかなと思ったら、麻黄湯(マオウトウ)

麻黄湯はメディアでも紹介されているけれど、使い方は難しい

近頃、メディアでもインフルエンザに効くとして話題の漢方の処方ですね。
麻黄湯は、漢方の感染症の処方でも、感染して初期に使うべきものです。
漢方では風邪の初期を傷寒中風(しょうかんちゅうふう)の病といいます。
意味は、風に中(あた)って寒さに傷つけられた病ということです。

漢方の概念では、傷寒中風の病には、漢方や中国医学では解表剤(げひょうざい)といって、身体(筋肉や血液循環)を活性化させて汗をかかせ、ウイルスや細菌を物理的に外に出してしまう、そんな作用があります(これらの作用は西洋的医科学では充分には説明できません)。

傷寒中風の病の症状の特徴は寒気や悪寒がすることです。
風邪の病原体は熱に弱く、そのため身体が体温を上げようとして、寒く感じさせて、筋肉を震わせて体温を上げようとします。

寒気を感じ、発熱していて汗をかいていない人に、汗をかかせるのが処方の目標です。
この治療法を中国医学では「汗法」と言います。

体温を上げようとしているので、このような状態で解熱薬を使っては台無しにしてしまいます。
解熱剤はほとんどの風邪では必要ないことも覚えておいてください。
傷寒中風の時期を過ぎて、高い熱が続く場合は、漢方では地竜(ミミズの乾物)を使い、とてもよく熱を下げ副作用もありません。

さて、麻黄湯などの解表剤は、身体(筋肉や血液循環)を活性化させるので、比較的体力のある人にあった処方です。
筋肉がない人、虚弱な人には向いていません。
また、喉が渇いたり、喉に熱感がある場合や、喉に痛みを感じる場合は麻黄湯を使うべき時を過ぎてしまっています。
使わないほうがよいでしょう。

また、これらに当てはまる高齢の人や乳児、就学前の小児などは避けたほうがよいかもしれません。

副作用としては胃の不快感、食欲が落ちる、吐き気、動悸や不眠、発汗過多などが出ることがあります。

麻黄湯の処方

少し処方を詳しく見ましょう。

キョウニン(杏仁) マオウ(麻黄)、  ケイヒ(桂皮)、  カンゾウ(甘草)

で構成される処方です。

生薬の作用を中国医学的に解説しましょう。

杏仁(キョウニン)

杏仁は 「あんにん」とも読み、中華料理でおなじみの杏仁豆腐に使われる、アンズの種です。
主として胸にたまった水分、痰などを出すことで、呼吸困難や嗽に効く。息切れ、みぞおちのあたりがつかえて痛む、胸の痛み、むくみなどにも良い、とされます。
ただし、たくさん食べたりすると毒物である青酸と似た化学構造を持つアミグダリンが含まれているので、危険です。

麻黄(マオウ)

麻黄は、喘息様の呼吸困難、咳、むくみを治します。
寒気、汗が出ない、身体(筋肉)の痛み、関節の痛み、全身がむくんで肌色が黄色っぽい場合も良い、とされます。
成分のエフェドリンは西洋薬として、咳どめや喘息の治療にも使われます。

桂皮(ケイヒ)

桂皮は、シナモンという名前でおなじみです。
のぼせ(体の下から上のほうへつき上げてくるような症状)を治します。
のぼせが激しくなって、心臓がどきどきする、頭痛、発熱、軽い寒気、汗が出て、筋肉や関節が痛む場合に良い、とされます。
私の解釈では、のぼせは血や気が頭に集中してしまう体質を持つ人がなりやすく、桂皮はこれに効くようです。
不思議とのぼせやすい人は、シナモンティーなどの薬味の桂皮が好きなことが多いですね。

甘草(カンゾウ)

甘草は、急迫した症状を治します。
たとえば、腹部のケイレン、差し込み(痛み)などです。
手足の冷え、何か気がかりして悩んで落ちつかないとき、のぼせ(体の下から上のほうにつきあげてくるような症状)などにも良い、とされます。
成分のグリチルリチン(酸)は、胃潰瘍や十二指腸潰瘍や去痰薬として使われ、またステロイド薬に似た作用があります。

麻黄湯を使うタイミング

麻黄湯は、寒気を感じて悪寒がして、「インフルエンザにかかったかな」と感じ、節々(関節)が痛み、発熱しているけれど汗をかいていない場合にすぐに飲むことがコツです。

先ほどもお話ししたように、特に感染症に用いる漢方薬には使うべき時期があります。
上の状態にあるごく初期につまり傷寒中風(しょうかんちゅうふう)の時期に使えば効果は高いと思います。
そして、一枚多く着るか、布団をかぶって体を温めて軽く汗をかくことで、効果が高まると考えられます。

汗をかいて、高い熱が下がってくればやめ時です。
人によって異なりますが長くて2日ぐらい飲んで効かないようならやめます。
あまり長く飲むと、汗をかきすぎて体力を消耗します。

麻黄湯が効く時期は風邪やインフルエンザのごく初期で、体表で生気が病原体と戦っている時だけです。
麻黄湯で効いてしまえば、ほかの薬が必要ないかもしれません。
この時に麻黄湯などのっ解表剤が効いてしまえば、ごく初期のうちに、病原体を駆逐できたことになるからです。

喉が渇いたり、喉に熱感があったり、痛んだりする場合や、全身のほてりや熱感があったり、鼻水やくしゃみが出ているようなら、もう病原体は体の中に入ってしまっています。

この場合は麻黄湯は無効で、かえって汗をかかせようと体力を消耗しますので飲まないでください。

後にお話しする温病の処方が必要になります。


葛根湯(カッコントウ)は、解表剤の中では麻黄湯より応用範囲が広い

葛根湯は、皆さんよくご存じですね。
葛根湯も、麻黄湯と同じく風邪の初期=傷寒中風に使う処方です。

カッコン(葛根)、マオウ(麻黄)、タイソウ(大棗)、ケイヒ(桂皮)、シャクヤク(芍薬)、カンゾウ(甘草)、ショウキョウ(生姜) 

で構成されます。

葛根湯にも麻黄が入っていて、麻黄湯と同じ解表剤ですが、使う目標が異なります。

葛根湯の目標は、風邪の初期で、汗をかいていなくて、弱い寒気がして、首の裏側や肩(項背部)が凝り、頭痛、咳がでる場合です。

麻黄湯との目標の最大の違いは、寒気がそれ程強くなく、節々の痛みがないことです。

麻黄湯と同じように、喉が渇いたり、喉に熱感があったり、痛んだりする場合や、全身のほてりや熱感があったり、鼻水やくしゃみが出ているようなら飲まないでください。

私の印象では、葛根湯は麻黄湯に比べて応用範囲が広い処方です。

普通の風邪の初期で、上の症状が当てはまる場合は試してみる価値があります。
インフルエンザがはやっている時期だといっても、急激に症状がひどくならなければ、インフルエンザではないことが多いです。
そんな時は、麻黄湯よりも葛根湯を選ぶのが良いかと思います。

葛根湯も長くても2日飲んで効かなければ中止してください。

桂枝湯(ケイシトウ)

普段から風邪をひきやすくのぼせやすい人には、葛根湯は強力すぎる場合があります。
こんな人で、風邪で少しだけ汗をかいた場合の漢方薬として、桂枝湯があります。

風邪を引いたと感じて、少し汗をかいていて、外に出たり、薄着で風にあたると寒気を感じる状態で、のぼせ、発熱、頭痛、関節や場合によっては筋肉の痛み、くしゃみ、鼻水、鼻が詰まる、を目標にするとよいでしょう。

私の経験では、のぼせ易い人で、少しの温度上昇や厚着で汗をかきやすいタイプの人の風邪には桂枝湯が合う場合が多いようです。
比較的活発で、鼻血がよく出るようなのぼせやすいタイプの子供の風邪には、桂枝湯が合っています。

小青竜湯(ショウセイリュウトウ)

足の冷える人で、風邪を引くと水分の多い鼻水が出る人の風邪には小青龍湯がよいでしょう。

麻黄附子細辛湯(マオウブシサイシントウ)

高齢者で、こたつに入ったりカイロを充てるなどいくら温めても、寒気が取れない人は、麻黄附子細辛湯がよいでしょう。

柴胡桂枝湯(サイコケイシトウ)

傷寒中風の時期をすぎて、風邪をこじらせてしまい、食欲がなく、胃がもたれ、胃が痛い、腹痛がある、下痢をするような場合は柴胡桂枝湯があっています。
最初からこれらの胃腸の症状がある風邪には、まず柴胡桂枝湯を試してみてください。
柴胡桂枝湯はちょっと長めに5日間くらいを目安に飲んでみてください。

本格的にのどが痛くなったら、銀翹散(ギンギョウサン)

銀翹散を使うタイミング

皮膚と消化管は一筆書きができるように、連なっている。
漢方の概念では、大まかにオレンジから赤色のところを表と呼ぶ
さて、今までお話してきたように、風邪などの感染症は、漢方的・中国医学的な概念では、病気の時期(病期)がとても大切です。

ウイルスや細菌などの病原体が、身体に入ってくるのに、必ず順番があります。

西洋医学的には気道感染とよばれる、風邪などの一般的な感染症では、病原体は、まず、表皮と鼻の粘膜に入ってきます。

この状態を漢方的・中国医学的な概念では病原体(漢方では風邪[ふうじゃ]とよびます)が表(ひょう)にあるといいます。
身体のおもてなので「表」というわけです。



この状態を漢方では傷寒中風の病(やまい)と呼ぶのです。

麻黄湯も、葛根湯も桂枝湯も風邪が表にある傷寒中風の病のうちに使うべき処方です。
麻黄湯や葛根湯を使うのが難しいのは、この短い時期を逃すと、効かないし、使うべきではないことです。

病原体が表皮と鼻の粘膜に入って1日もすると、もう少し進攻してきて喉が渇いたり痛くなったります。
この時期は体がすでに入ってきてしまった病原体を駆逐しようと免疫が働き始めていると考えられます。

悪寒は無いか、軽い悪寒で高い熱が出る風邪を中国医学では温病(うんびょう)と呼びます。
よくある風邪の経過は、短い傷寒中風の時期からこの温病に移行していくことが多いようです。

しかし、インフルエンザでは、この傷寒中風の時期が自覚できないことも多く、いきなり発熱する温病として現れることが多いようです。

この時に使うと効果的なのが銀翹散です。

銀翹散を使う目安

目標としては、
風邪の初期で、発熱して、頭痛があり、ちょっと風にあたると寒気がして、喉が渇いたり痛む状態です。
汗をかいたり、かかなかったりどちらのケースもありますが、汗をかいても熱が下がらないのが特徴です。

咳が出ることもありますが、咳が出てくるとだいぶ身体の内側に進攻されていて、銀翹散でも力が及ばないこともあります。

銀翹散の処方

処方内容を見ておきましょう。

キンギンカ(金銀花)、連翹、荊芥、香豉、牛蒡子、桔梗、竹葉、甘草、薄荷、芦根

で構成されています。

金銀花(キンギンカ)

金銀花はスイカズラの花蕾です。
味は甘くて、体を冷やす作用(解熱作用)があり、抗菌作用があります。
中国医学的には、体表の熱を発散させて熱を下げ、同時に風邪も発散させてしまう作用(疏散風熱)があるとされます。

連翹(レンギョウ)

連翹は、レンギョウの果実です。
味は苦くて、少し体を冷やす作用があります。
漢方では皮膚の膿があるできものやニキビなどやヒゼンダニによる感染症(疥癬)に効果があるとされ、中国医学的には、金銀花と組み合せて疏散風熱作用を強めるされています。

荊芥(ケイガイ)

荊芥はシソの仲間のケイガイの花穂で、l-ミントンというミントのような香りの成分が入っています。
味は辛くて、体を少し温めます。
発熱、頭痛、鼻づまり、のどの痛み、蕁麻疹、風疹、麻疹、結膜炎や軽い皮膚潰瘍に良いとされます。
また、止血作用もあります。
中国医学的には発汗作用があり、風邪を発散させますが、発汗力は弱めです(祛風解表)。

香豉(コウシ)=淡豆豉(タントウチ)

香豉(こうし)は、大豆を蒸して発酵させた日本の納豆のようなものです。似たものに豆豉(とうち、どうち)とも呼ばれる中華料理に使われる調味料があります。
味は塩味のない味噌のような味で、身体をわずかに冷やします。
中国医学的には発汗させ解熱作用があり、発熱、頭痛に用います。精神的なイライラを解消する作用もあるとされ、不眠などにも用いられます。

牛蒡子(ゴボウシ)

牛蒡子(ごぼうし)は、ゴボウの実です。
味は辛くて苦く、体を冷やす作用があります。
漢方的には、咽の塞がり、喉のはれ、のどの痛みを治すとされ、中国医学的には、発汗させ解熱作用(疏散風熱)があり、発疹すべき箇所に発疹させて解毒をすすめ(透疹)、のどを潤して腫れを治める(利咽散腫)とされ、咳、痰のからみ、発疹に用います。
おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)や母乳の出が悪い時にも用いられます。

桔梗(キキョウ)

桔梗はキキョウの根です。
味は苦くて辛く、身体を冷やしたり温める作用はありません。
漢方的にも中国医学的にも、膿みを出す作用があるとされ、各種の腫物、膿を伴うできものや中耳炎、痰のからみ、喉の痛み、喉の腫れ、声が出にくい、しわがれ声に用います。
肺の気を発散させて、肺の機能を高める作用(開宣肺気)もあり、肺炎や気管支炎にも用います。

竹葉(チクヨウ)

竹葉(ちくよう)は、ハチクの葉です。
かすかに甘く、体を冷やす作用があります。
中国医学的には、身体に滞った熱を逃がして、精神的なイライラを解消する作用(清熱除煩)があり、体液(津液)を生み出させて体を潤す作用(生津)、利尿作用があり、これらから解熱、喉の渇き、口内炎、口角炎、小児の発熱性のひきつけ(熱性痙攣)に用います。

薄荷(ハッカ)

薄荷はハッカの葉と茎です。
味は辛くて、体を少し冷やします。
中国医学的には、体表の熱を発散させて熱を下げ、同時に風邪も発散させてしまう作用(疏散風熱)があり、頭や目を冷やしすっきりとさせる(清利頭目)作用があり、発疹すべき箇所に発疹させて解毒をすすめ(透疹)、のどを潤して腫れを治める(利咽散腫)とされます。
発熱、軽い悪寒、頭痛、目の赤み、喉の腫れ・痛み、初期の麻疹、胸のつかえなどに用います。

芦根(ロコン)

芦根はアシの根です。
味は甘くて、体を冷やします。
中国医学的には、身体に滞った熱を逃がして、体液(津液)を生み出させて体を潤す作用(生津)があり、吐き気を止め、精神的なイライラを解消する作用(除煩)もあるとされます。
口が渇いて熱っぽいとき、舌の乾燥、水分を多く飲む、吐き気、肺の膿(肺膿瘍)に用います。

このように銀翹散は全般的に体の発汗させたり、解熱させたり、膿を出したり、炎症を鎮める作用を持つ生薬を上手に組み合させた温病の標準的な処方といえるでしょう。

漢方薬でない解熱鎮痛剤は使っていいの?

私たちエバーグリーン研究室では風邪の発熱に薬局などで手に入る解熱鎮痛剤の安易な使用はおすすめしませんが、温病の漢方薬が手に入らない時には、風邪のこの時期(温病)にこそ、アスピリンなどの解熱鎮痛剤を使ってもいいと思います。
それ以外の時期の風邪に、解熱鎮痛剤は必要がありませんし、余計な副作用が出ることもあります。

風邪を引いたと思って、頭痛、発熱、くしゃみ、鼻水、咳、痰、のどの痛みなど、いろいろな症状にきくとうたっている総合感冒薬をのんでも、風邪の病期に合うはずがないので、メリットはないでしょう。
参考:総合感冒薬って、何に効くの?
   風邪薬の選び方【解熱薬】

温病に香蘇散(コウソサン)も

ほかに温病の代表的な処方として、香蘇散があります。

香附子、紫蘇葉、陳皮、甘草、乾生姜 

で構成されます。

中国医学的には、自律神経系(交感神経と副交感神経)の緊張(バランスの崩れ)のため、胃や腸、血管などの平滑筋が緊張して、けいれん・ひきつれ・胃腸の運動障害などが起こる気滞を治め、体表の血管を拡張させて軽く発汗させます。
これを理気解表(りきげひょう)と呼びます。

悪寒がするけれどひどくはなく、発熱も軽めで、汗はかかず、頭痛、胸苦しさ、おなかが張る、食欲不振を目標に使うとよいと思います。

銀翹散との目標の違いは、発熱が軽いことと、のどの痛みがないこと、胃腸の症状があることです。

香蘇散は比較的穏やかな処方なので、妊婦や高齢者の風邪にも良いと思います。
特に、マタニティブルーのように気分がすぐれない妊婦に良く効いた例があります。


ちょっとへんかな?と思ったら、板藍根(バンランコン)も

板藍根(ばんらんこん)という生薬があります。
抗ウイルス作用を持つ生薬として、注目されています。
板藍根は現在日本では、医薬品ではなく食品としての扱いです。

インフルエンザをはじめ、帯状疱疹、ウイルス性の難聴、肝炎などのウイルス性感染症に効果があるとされます。

板藍根は、アブラナ科のタイセイの根です。
味は苦く、よく体を冷やす作用があります。
中国医学的には、その冷やす作用で、熱を冷まして、腫れを抑え、病原体を駆逐する作用(清熱解毒)があり、血の熱を冷まし(涼血)、のどを潤す作用(利咽)もあります。

中国では、インフルエンザがはやる時期に、板藍根の煎じたお茶でうがいをしたり、お茶代わりに飲んだりするそうです。
予防的に使っているようです。

日本でも板藍根の予防使用を勧めている方もおられます。
しかし、板藍根をインフルエンザがはやる時期にずっと使用するのはちょっと考えたほうがいいと思います。
板藍根は体を冷やす作用が強いので、あまり長く飲むべきではありません。
体力のない高齢者や乳幼児も、控えたほうがよいでしょう。

ご参考まで、板藍根には粉薬(顆粒)、飴、お茶などがありますが、店頭では探せませんでした。
私は、インターネットで顆粒を購入しました。

板藍根の使い方

私のおすすめの利用の仕方は、うがいと頓服(必要なときだけに服用)です。

インフルエンザがはやる時期に外で、いかにもそれっぽい咳をしている人と会ったときとか、病院に行かなければならない用がある場合などです。
板藍根はとても苦いので、甘い味で味付けした顆粒のタイプが市販されています。
それを、お湯に溶かして、水に薄めて、帰宅時にうがいをしてそのまま飲んでしまいます。

また、ちょっと喉がいがらっぽく、のどが渇くかなと異常を感じた時に、1包頓服します。

これで、大抵ののどの違和感は消えます。

インフルエンザの予防にどれだけ効果を発揮しているかは証明できませんが、少なくとも板藍根の頓服をした後、風邪を引いたことはありません。

板藍根+銀翹散という使い方

もう一つ、もし、インフルエンザや温病を自覚して、銀翹散を飲む場合で、喉の痛みが強く、熱が高い(38℃以上)場合は、板藍根と一緒に飲むことをお勧めします。

銀翹散と、板藍根が相乗してよく効くようです。


最後にひとこと

インフルエンザに罹ったら何を飲めばいいの?という、皆さんの疑問にお答えしようと調べるうちに、抗インフルエンザウイルス薬は思ったより効果がなく、副作用を考えると使わない方がいいということがわかってきました。
やはり、夢の新薬など、そうそうできる訳はないのですね。
そこで、私たちが慣れ親しんだ、漢方薬をご紹介しようとしたのですが、ずいぶん長くなってしまいました。
ここまで読んで下さった方、ありがとうございます。

時間をかけて読んでくださった皆さんは、理解されたと思いますが、漢方薬は、その人が持っている体の個性に合わせて、その人がウイルスや細菌などの外敵と闘う力を助けるものです。
インフルエンザウイルスを特に敵として定めているわけではありません。

ですので、インフルエンザの特効薬になる漢方薬は、人によって違います。

自分の年齢や体質、風邪の症状や、風邪の進行状況によって、何を使うか変わってきます。
ここで説明したことはごくごく大まかなことですので、皆さんの「今、必要な処方」にまで、責任を持てるものではないことは、ご理解ください。

もし、普段から備えるために、もう少し個人的に知っておきたいと思われる方がいらっしゃいましたら、右のメールの枠からご相談ください。
ただし、症状が出ていて、どう対応すれなよいかというような診断や治療に関わるご相談には応じかねます。
また、商用目的でのご相談は、ご遠慮ください。


2014年8月21日木曜日

風邪薬の選び方【咳止め】


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咳を止めるのは難しい

これまでに、熱の薬=鎮痛薬と鼻水の薬についてお話ししました。
今回は、咳止めです。

⇒総合感冒薬についてはこちらをご覧ください。
⇒風邪のひきはじめに飲む薬
⇒総合感冒薬の効かない成分についてはこちらをご覧ください。

熱や鼻の薬に比べて、咳の薬の効き目はもう一つ。
「ああ、効いた!!」という感動がありません。
お医者さんは、こういうとき「切れ味が悪い」と言います。

そんな咳止めですが、お店で買える薬(OTC薬)には、いろいろな効き方をする成分があります。
さらに、1つのOTC薬の中に、いろいろな効き方をする咳止め薬が入っています。

ですから、「こんな時はこれ」とお勧めするのはとても難しいです・・・
ここでは、咳の薬を飲む前に知っておいた方がいいと思うことを、個人的な感想を交えて解説します。

咳はどうして出る?

咳が出る病気はいろいろあります。
たとえば、喘息、扁桃炎、結核、咳喘息、花粉症などのアレルギーによるせき、百日咳など。
こういった疾患では、お医者さんに行って治療する必要があります。

ここでは、、お医者に行かずに済ませたいときに飲む薬を選ぶときのヒントにしていただくために、かぜのウイルスが感染した”いわゆる風邪”で出る咳について説明します。

お気づきかと思いますが、風邪の咳といっても色々な症状がありますね。
個人的な経験から、4通りに分けてみました。


1.気管支に炎症が起きて出る


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咳を出すための信号の伝わり方
かぜのひきはじめの、のどの奥の粘膜に入り込んだウイルスを出そうとする咳です。

ウイルスがのどの奥(咽頭)の細胞に入り込んだことを察知した神経は、延髄や大脳皮質などの中枢神経に信号を送ります。
右の図の緑色の線の経路です。

この信号を受けた中枢神経は、咽頭や肺や横隔膜に、咳をしてウイルスを吐き出してしまうように指令を出します。
右の図の青い線の経路です。

この指令は、ウイルスだけでなく、痰や、炎症を起こす物質などに対しても働きます。

この神経の指令は、いったん下ると、排泄が完了するまで働き続けるため、咳が止まらない状態になります。


2.鼻水がのどに流れてきたときに出る

かぜの鼻水が原因。
副鼻腔炎など、もともと鼻の病気を持っている人では、よくみられます。

  
3.痰が絡んで出る

痰といっても、風邪の進行具合で、いろいろ様子が変わります。

風邪のひきはじめは、ウイルスを排出するために過剰に分泌された粘液やそこに集まってきた白血球などの免疫細胞を含んだ、無色で比較的粘り気の少ない痰が出ます。

風邪が進行すると、ウイルスの死骸や、それらを食べた白血球などが混ざった、黄色や緑色の粘度の高い痰が出ます。

いずれの場合も、痰を吐き出すために咳が起こります。


4.気管支が狭くなることで出る

ゼイゼイ・ヒューヒュー音がする感じの咳。
気管支炎や喘息の咳はこれ。

咳に効く成分

では、咳止めに入っている成分は、これらの何に効いているのでしょうか?

手始めに、お店でよく見かける咳止めの薬の成分を調べました。

市販薬 OTC 一般用医薬品 一類 二類薬 ハッカ油 メントール 薬局 イソジン ポビドンヨード セチルピリジニウム OTC 市販 風邪薬 どうやって選ぶ かぜ 咳が止まらない 咳を止めたい せきどめ 注意 効き目 よく効く 成分 医者 処方薬 喘息、扁桃炎、結核、咳喘息、喘息、扁桃炎、結核、咳喘息、花粉症,炎症,咽頭,肺,横隔膜,喉頭,ウイルス,ジヒドロコデインリン酸塩,ジメモルファン,咳止め,せき止め,ムコダイン,ビソルボン,コンタック,アネトン,ブロン液,ブロンエース,パブロン咳止め,プレコール,カイゲン,去痰,気管支拡張,中枢神経,抗ヒスタミン,デキストロメトルファン臭化水素,半夏厚朴湯,ばくもんどうとう,麦門冬湯,はんげこうぼくとう,酸塩水和物,ノスカピン,ジプロフィリン,メチルエフェドリン,カルボシステイン,ブロムヘキシン,グアイフェネシン,グアヤコールスルホン酸,カルビノキサミン,クロルフェニラミン,桔梗,甘草,キキョウ,カンゾウ、気管支、気管、ねばねば、水っぽい、使用可能年齢,小児,カフェイン,酵素,麻薬性,非麻薬性,習慣性、花粉症,炎症,咽頭,肺,横隔膜,喉頭,ウイルス,ジヒドロコデインリン酸塩,ジメモルファン,咳止め,せき止め,ムコダイン,ビソルボン,コンタック,アネトン,ブロン液,ブロンエース,パブロン咳止め,プレコール,カイゲン,去痰,気管支拡張,中枢神経,抗ヒスタミン,デキストロメトルファン臭化水素,半夏厚朴湯,ばくもんどうとう,麦門冬湯,はんげこうぼくとう,酸塩水和物,ノスカピン,ジプロフィリン,メチルエフェドリン,カルボシステイン,ブロムヘキシン,グアイフェネシン,グアヤコールスルホン酸,カルビノキサミン,クロルフェニラミン,桔梗,甘草,キキョウ,カンゾウ使用可能年齢,小児,カフェイン,酵素,麻薬性,非麻薬性,習慣性 コンタック咳止め エスエスブロン液L 新ブロンエース 小児用 ペラックTj錠 パブロンSせき止め プレコール持続性咳止め 新カイゲンせき止め液W アネトン咳止め Z液


用量は1日の大人の使用量を示しています。
一番下に最低使用可能年齢を示しましたが、それぞれの年齢に適した用量は、添付文書等で確認してください。

生後3か月から使用可能な薬もありますが、少なくとも1歳までは、必ずお医者さんにかかって薬をもらうようにしてくださいね。
何が原因で咳が出ているのか判断を誤ると、命に係わることもありますから。


では、表の分類ごとに解説します。


咳の中枢神経を抑える薬

ジヒドロコデイン、ジメモルファン、デキストロメトルファン、ノスカピンなど

咳を出す働きをする神経を抑える薬。
麻薬性のものと、非麻薬性のものがあります。
上の薬の中では、ジヒドロコデインが麻薬性に分類されます。

何が違うかというと、習慣性があるかどうかです。
つまり、癖になって止められなくなるものは「麻薬性」、習慣性がないものは「非麻薬性」ということ。

でも、咳止めに含まれる量を、咳が出る期間使うのであれば、麻薬性の薬でも習慣にはなりません。
ですから、この辺はあまり気にせずに選んでよいでしょう。

咳は、気道にある痰などの分泌物を外に吐き出させるために出るので、神経を無理やり抑えてしまうと、気管が詰まってしまうので、好ましくないとも言われています。
個人的には、心配するほどは効かないように思いますが。

気管支拡張薬

ジプロフィリン、メチルエフェドリン
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気管支に炎症が起こって、狭くなってしまうのが喘息の発作です。気管支というのは、肺の中の空気の通り道、図の紫の部分で、分岐しているところから先の部分です。

気管支拡張薬は、お医者さんも喘息や気管支炎に使っている薬です。
文字通り、気管支を広げて、空気を通りやすくする効果は、広く認められています。

ただし、気管支に炎症がない場合には、飲んでも関係ないかと。

去痰薬

カルボシステイン、ブロムヘキシン、グアイフェネシン、グアヤコールスルホン酸など

痰の粘度を低下させて、痰を切れやすくする薬です。
ねばねばしていると、気管にまとわりついて、咳をしてもなかなか出ていきませんよね。
水っぽくすることでそのねばねばを解消して、外に出しやすくします。
水っぽくなる分、痰の量は増えるようです。

グアイフェネシングアヤコールを改良して、味をよくし、胃を刺激する副作用を減らした薬です。

お医者さんもよく使っています。
ムコダインという薬はL-カルボシステインのこと、ビソルボンという薬はブロムヘキシンのことです。

ムコダインは私もお医者さんからもらって飲んだことがあります。
確かに、薄まった痰が出て楽になりましたが、効いている時間は1時間程度だったでしょうか。

抗ヒスタミン薬

カルビノキサミン、クロルフェニラミンなど


抗ヒスタミン薬は、「アレルギー性の咳に効く」と製薬メーカーのウェブサイトに書かれていました。
「アレルギー性の咳」というと、花粉症、ハウスダスト、食物アレルギーなどでしょう。
このような症状に対しては、抗アレルギー薬を使用する方が適切だと思います。


抗ヒスタミン薬がかぜの咳に効果があるのかどうかは疑問ですが、ほとんどの咳止めに入っています。
抗ヒスタミン薬の入っていない咳止めを探す方が難しいくらいです。


咳で眠れないときにはいいかもしれません。
強烈に眠くなりますから。

抗ヒスタミン薬は、のどを乾燥させるため、会議でスピーチをするときなどは、特に避けた方がよいです。
咳が出るうえ、声もかすれてしまったということになりかねません。

抗ヒスタミン薬には、ここに挙げた以外の成分もたくさんありますので、避けようと思ったら、薬局で自分で選ぶのは難しいです。
「抗ヒスタミン薬の入っていない咳止めをください」と言ってください。

抗ヒスタミン薬の眠気を防ぐために、多くの場合、カフェインが一緒に入っています。
私はコーヒーが好きなので、できれば薬でカフェインは摂りたくないため、カフェイン入りの薬は極力避けるようにしています。
カフェインむずむず脚症候群にはよくないそうですから。


抗炎症薬

リゾチーム、トラネキサム酸など

この2つの薬が抗炎症薬として分類されていいた主な薬ですが、それぞれ、効き方は違います。

トラネキサム酸は、止血剤として多く使われている薬です。
歯磨き粉にも入っていることがあります。

炎症を抑える作用もあるということで、のどの痛みにも使われます。
咳止め薬には、炎症を抑える目的で入っています。
効果のほどは・・・実は、試したことがありますが、効いているのかいないのかよくわかりませんでした。

リゾチームはタンパク質を分解する酵素です。
痰はタンパク質でできているので、これを分解してしまおうということでしょう。

そのほか、炎症が起きている組織を修復する作用があると、メーカーの資料には書かれています。

が、酵素というのはタンパク質でできているので、胃の中で消化されないのか疑問です。
それに、大きすぎて消化管から吸収できないような・・・。
なので、本当に効くのかなぁ・・・というのが正直な感想です。

液剤で、直接のどに触れる薬ならば効くかも??


ちなみに、抗体医薬と呼ばれる最新の薬はタンパク質でできていますが、すべて注射剤。
胃や消化管は通過しないように作られています。

私のお勧め

お話ししてきたように、咳の出る機序は様々で、今、自分の咳がどうして出ているかなんて、わかりません。
ですから、このように色々な成分が一緒に入っている「咳止めの薬」は、理に適っているといえるかもしれません。

ただし、ここでも思い出してください。
咳止めの薬は咳を抑えるだけで、根本的に咳の出る原因を治すわけではありません。
なので、どうしても咳をしたくない時に使うのがよいでしょう。

「1日3回」と書かれているものでも、3回きちんと飲まないと効果がないわけではありません。
1日3回飲んでいればだいたい1日を通して症状が抑えられる、ということでしょう。
個人的には、飲んで30分くらいで効き始め、1時間くらい効いているという感触です。
なので、寝る前、会議の前、電車に乗る前30分くらいに飲むのが、お勧めです。

ドリンク剤は、直接のどを通るので、、飲んだ時に効いた感じがします。
でも、血液中に入って作用するには、やっぱり30分程度かかります。
錠剤と一緒です。

すぐに抑えたいときはトローチを

では、私は何を使っているかというと、咳が出ると困るときに限って、トローチを使います。
お勧めは、桔梗湯のトローチ。

成分は、桔梗と甘草です。
咳を抑えるよりも、のどの痛みによく効くとされています。
なので、風邪のひきはじめに、よりお勧め。
私も、のどが痛いときに愛用しています。

セチルピリジニウムという殺菌作用をもつ成分の入ったトローチがたくさんあります。
風邪のひきはじめにはいいかもしれませんが、咳が出ているような状態で、殺菌作用が効果を発揮するかどうかは疑問です。
それに、あまり使うと、口の中が荒れて、口内炎ができてしまいます。

トローチの一番の目的は、のどを潤して、痰などを押し流してしまうことですから、ただの飴でも効果はあります。
ただし、トローチも飴も、糖分がたくさん入っていることが多いので、選ぶときには注意してくださいね。

咳の症状に合わせて漢方薬を

咳の症状を早く治したいとき、私は漢方薬に頼っています。
これは、咳を抑えたいときだけに飲むのではなく、添付文書の指示通り、決められた回数、飲んでください。

主に2種類。

麦門冬湯(ばくもんどうとう)

発熱、のどの痛み、鼻水など、風邪の急性期の症状は回復したのに、咳だけ残っていて元気がでないようなときに使います。
風邪のあと、消耗してしまい元気がなくて、いつまでも痰が絡んで咳が出るようなときってありますよね。
そんなときに効くとされています。

体力のない高齢者の、風邪の後の長引く咳にはぴったりです。

半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)

のどの詰まった感じ、異物感に効くとされています。
治りかけているけれど、のどが気になって咳払いをしてしまう・・・という、神経が過敏になっているときにお勧めです。
私自身は、エヘン虫に抜群に効果がありました。

神経性の吐き気や、つわり、不安神経症、不眠などにも使われる薬です。
試験前に緊張して吐き気があったり、眠れなくなるようなタイプの人にも良いといわれています。

インフルエンザかな、と思うようなときの漢方薬についてはこちらをご覧ください。

基本はうがいとマスク

 ハッカ油 メントール 薬局 イソジン ポビドンヨード セチルピリジニウム OTC 市販 風邪薬 どうやって選ぶ かぜ 咳が止まらない 咳を止めたい せきどめ 注意 効き目 よく効く 成分 医者 処方薬 喘息、扁桃炎、結核、咳喘息、花粉症,炎症,咽頭,肺,横隔膜,喉頭,ウイルス,ジヒドロコデインリン酸塩,ジメモルファン,咳止め,せき止め,ムコダイン,ビソルボン,コンタック,アネトン,ブロン液,ブロンエース,パブロン咳止め,プレコール,カイゲン,去痰,気管支拡張,中枢神経,抗ヒスタミン,デキストロメトルファン臭化水素,半夏厚朴湯,ばくもんどうとう,麦門冬湯,はんげこうぼくとう,酸塩水和物,ノスカピン,ジプロフィリン,メチルエフェドリン,カルボシステイン,ブロムヘキシン,グアイフェネシン,グアヤコールスルホン酸,カルビノキサミン,クロルフェニラミン,桔梗,甘草,キキョウ,カンゾウ、気管支、気管、ねばねば、水っぽい、使用可能年齢,小児,カフェイン,酵素,麻薬性,非麻薬性,習慣性咳が出て眠れない、今出ている咳をすぐに止めたい、そんなときはうがいが一番
長くは効きませんが、効いている間に眠れるかもしれません。
マスクをすれば、効果が長持ちします。


OTC 市販 風邪薬 どうやって選ぶ かぜ 咳が止まらない 咳を止めたい せきどめ 注意 効き目 よく効く 成分 医者 処方薬 喘息、扁桃炎、結核、咳喘息、花粉症,炎症,咽頭,肺,横隔膜,喉頭,ウイルス,ジヒドロコデインリン酸塩,ジメモルファン,咳止め,せき止め,ムコダイン,ビソルボン,コンタック,アネトン,ブロン液,ブロンエース,パブロン咳止め,プレコール,カイゲン,去痰,気管支拡張,中枢神経,抗ヒスタミン,デキストロメトルファン臭化水素,半夏厚朴湯,ばくもんどうとう,麦門冬湯,はんげこうぼくとう,酸塩水和物,ノスカピン,ジプロフィリン,メチルエフェドリン,カルボシステイン,ブロムヘキシン,グアイフェネシン,グアヤコールスルホン酸,カルビノキサミン,クロルフェニラミン,桔梗,甘草,キキョウ,カンゾウ、気管支、気管、ねばねば、水っぽい、使用可能年齢,小児,カフェイン,酵素,麻薬性,非麻薬性,習慣性 ハッカ油 メントール 薬局 イソジン ポビドンヨード セチルピリジニウムうがい薬にもいろいろありますが、メントールが入っていると、すっとして効果的です。
その他の薬効成分・・・ポビドンヨードやセチルピリジニウムなど・・・に効果があるかというと、そうでもなくて、かえってのどを痛めることもあるそうです。

私はハッカ油を使って、自分で作っています。
ペットボトルに300mL水を入れて、ハッカ油を1~2滴加えます。
これをさらに10倍に薄めたくらいがちょうどよい感じ。

ハッカ油は薬局でもAmazonでも買えます。
これなら安いし、余計な成分も入りません。
浄水ではなく水道水を使うのは、防腐剤の代りです。
多少なりとも塩素が入っていますから。

イソジンとか、のどぬーるスプレーなどのヨード製剤は使わないほうがよいです。
殺菌作用もありますが、同時にのどの細胞を殺してしまい、かえって喉が荒れます。

うがい薬についても調べてみました。
これならOKといううがい薬も作ったので、見てください。
レシピ*うがい薬。

最後に

せきの出る疾患には、重篤なものもたくさんあるし、他人に移してしまう病気が隠れていることもあります。
そんな時は、お医者さんの診断と、お医者さんの出す薬が必要です。
ヒューヒュー音がするとき、長引くとき、発熱(微熱でも)が続くとき、呼吸が苦しい時などは、病院に行ってください。

2014年8月6日水曜日

風邪のひきはじめに飲む薬


かぜ かっこんとう ぎんぎょうさん 首がこわばる 漢方薬 葛根湯加川キュウ辛夷 かっこんとうかせんきゅうしんい ひきはじめ 温める ドリンクタイプ 顆粒 ガーゼのマスク 子ども こわばり 初期 飲みにくい まずい 風邪 葛根湯 銀翹散 喉 のど 急にのどが痛い インフルエンザ タミフル ギンギョウサン ウイルス感染 鼻の奥 汗をかく マスク だるさ 寒気 肩こり 発熱 のど 痛み 汗 タオル 寒気 肩こり 肩がこる むずむず 
これまでに、風邪をひいたときには総合感冒薬ではなくて、抑えたい症状に合わせて薬を選びましょう、というお話をしてきました。

⇒総合感冒薬についてはこちらをご覧ください。
⇒風邪薬の選び方【解熱薬】についてはこちらをご覧ください。
⇒風邪薬の選び方【鼻水の薬】についてはこちらをご覧ください。
⇒風邪薬の選び方【咳の薬】についてはこちらをご覧ください。

とはいっても、「あ、風邪ひきそうかも・・・」となんとなく寒気がするようなときや、のどが痛くなりそうな気配のあるときなど、なにか予防的に飲む薬ってほしいですよね。

今回は、そんなときの対策をご紹介します。

風邪かな?と思うときってどういうとき?

では、私たちはどういうときに「風邪かな?」と思うのでしょう?
それは、鼻や口から入ってきたウイルスが、鼻やのどの粘膜の細胞の中に入り始めたときです。

かぜ かっこんとう ぎんぎょうさん 首がこわばる 漢方薬 葛根湯加川キュウ辛夷 かっこんとうかせんきゅうしんい ひきはじめ 温める ドリンクタイプ 顆粒 ガーゼのマスク 子ども こわばり 初期 飲みにくい まずい 風邪 葛根湯 銀翹散 喉 のど 急にのどが痛い インフルエンザ タミフル ギンギョウサン ウイルス感染 鼻の奥 汗をかく マスク だるさ 寒気 肩こり 発熱 のど 痛み 汗 タオル 寒気 肩こり 肩がこる むずむず 健康な状態では、鼻の奥やのどの粘膜には細かい毛が生えていて、ここに分泌される粘液で、上手に体の外に押し出しています。
ところが、空気が乾燥していたり、体力が落ちていたりして、うまくウイルスを外に出せないと、ウイルスは細胞の中に入ってしまいます。
これが「ウイルスが感染した」状態。
そして、細胞を壊しながらどんどん分裂して仲間を増やします。

ただし、感染したばかりのときは、まだ、のどや鼻の細胞から、そう遠くまで広がっていません。
遠くに広がるというのがどういうことかというと、血管の中に入って血液の流れに乗って全身にいきわたる、ということ。
その前ならば、ウイルスを退治するチャンスがあります。

実は、ウイルスというのはとても不完全な生物で、何かに感染しないと生活できません。
しかも、ウイルスごとに感染できる細胞が決まっています。
たまたま、人間ののどの粘膜に入れるウイルスが感染したときに、風邪をひくのです。

これは余談。

感染初期の症状は、人によって様々です。
のどがイガイガする、鼻がむずむずする、首がこる・・・そんな症状がサインだと思ってください。

感染したウイルスを退治しようと、私たちの体が戦いの準備を始めた状態です。
準備の仕方は人によって微妙に違うので、症状も人それぞれなんですね。

風邪かな?と思ったら

感染したばかりのウイルスは、まだ、のどや首のあたりにとどまっています。
この間に、ウイルスを駆逐するチャンスがあります。

さっきお話しした「戦いの準備」をしている体の中の戦闘員に加勢してあげましょう。

どうすればいいかというと、まずは、汗をたくさんかいて、ウイルスを外に出してしまうんです。

ウイルスは高熱に弱いので、首を温めるのも効果的。
首の前と後ろにホカロンを貼るといい、と言っているお医者さんがいました。
試してみてもいいかもしれません。
ただし、首に直接貼らないように。
低温やけどをしてしまいます。

さらに、のどや鼻を潤してあげれば、より、ウイルスが外に出ていきやすくなるし、まだ、感染していない細胞に感染することも防げます。
これにはマスクが有効です。
私は、昔ながらのガーゼのマスクを付けて寝ると、のどのイガイガくらいならば、朝までに治ります。

風邪のひき始めのための常備薬

実は、対ウイルス効果を高めてくれる薬があります。

ひとつめは葛根湯。


漢方薬には風邪の初期に効く薬はいろいろありますが、人によって相性があり、使いこなすには専門家の見立てが必要です。
そんな中で、葛根湯は比較的応用範囲の広い漢方薬です。

症状の目安は、

●風邪の初期で首筋や肩にこわばりがある

●寒気を感じる


などですが、そういった症状以外でも、風邪の初期に幅広く使われます。

葛根湯にはドリンクタイプと顆粒タイプがありますが、効果は変わりません。
ドリンク剤のほうが飲みやすいという方はドリンク剤をどうぞ。
でも、お値段は顆粒タイプの方が圧倒的にお得です。

葛根湯入りの総合感冒薬もあるので、間違えないように注意してください。
他の成分が入っている薬だと、葛根湯自体の量が少ないことが多いです。
総合感冒薬と一緒に飲んでも特に問題はありません。

「葛根湯加川芎辛夷辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)」という漢方薬もありますが、鼻炎や蓄膿症など、鼻の症状におもに使われる薬ですので、お間違いなく。

もう1つは銀翹散。


ギンギョウサンと読みます。
寒気を感じる間もなく、いきなり熱が出たり、のどがものすごく痛くなる方もいるかと思います。
インフルエンザのような強力なウイルスに感染したときも、こんな感じでしょう。

これは、もう葛根湯で対応できる状況を通り越しています。
今更、体を温めても逆効果。
何しろ、体が自ら発熱しているのですから。

そういう方には、銀翹散をお勧めします。
症状の目安は

●急にのどが痛くなった

●突然、熱が出た


いずれにしても、症状が出たらすぐに服用します。

葛根湯と違って、どこでも売っているわけではありません。
ドリンクタイプもありません。
お値段も、葛根湯に比べて高め。

でも、私自身、突然のどに来ることが多いので、常備しています。

のどが痛いときには、こまめにうがいをすることもお忘れなく。

インフルエンザにかかったかな?

と思ったときにも銀翹散は使えます。
インフルエンザウイルスは強力なので、すっぱり治るというのは難しいですが、軽くすむように思います。
お医者さんで処方される抗インフルエンザウイルス薬のタミフルなどと一緒に使えます。


葛根湯・銀翹散の使い方

使い方にコツがあります。
葛根湯、銀翹散どちらも共通。

① おかしいな?と思ったらすぐに飲むこと。


② 1回目は1.5~倍量飲むこと(お子さんには、年齢に応じた小児用量の1.5~倍量)


③ 2日間飲んでも変わり映えがしなければやめる

③について補足・・・
葛根湯は2日もたったら、もう病状が進んでしまっていると思われるので、効き目がなくなると考えられます。

銀翹散は飲み続けたからといって、のどの痛みに対して効き目がなくなるわけではありません。
でも、その程度の効果ならば薬のお値段に見合わないので、2日くらいがやめ時かと。


どちらの薬も、お子さんでも使えます。

添付文書には、
葛根湯は「2歳未満には使用しないこと」
銀翹散は「5歳未満には使用しないこと」
と書いてあります。

でも、量が多くて飲みにくいし、独特の味があるし、5歳くらいで飲めるかなぁ??
風邪をひいて辛いのに、まずい薬を大量にむりやり飲ませるのは、逆効果なような気もします。