私たちの祖先は何を食べていたのか?
今日は、ダイエットや糖質制限に挑戦しようとお考えの皆さんに、すごーく基本的で知っておいて損はない、長い人類の歴史の視点で、どのように食生活が変化してきたのかをお話ししようと思います。
別なページでお話ししますが、人間はもともと太りやすい体質をもっています。
ですので、現代のように飽食で、便利で運動量の少ない文明社会に生きていたらほとんどの人にとって太るのは必然なのです。
ダイエットとか減量というと、まずは、食べ物へ注目!ですよね。
運動もダイエットにある程度の効果がありますが、短期的にはダイエットへの食べ物の影響に比べれば、効果は期待できません。
運動は継続しなければ効果が出にくいのです。
ダイエットや糖質制限、運動に挫折してしまうのには、色んな要因があると思います。
つらい、苦しい、めんどくさい、おいしくない…。
でもいちばん基本的なことで、なぜ、ダイエットの必要があるのか?という疑問にわかりやすく根本的で納得できる理由が示されていないことも、大きな要因だと思います。
「今、ダイエットしないと将来、病気になるぞ!」と言われても特に若い人には実感がないですよねぇ。
では本題に入りましょう。
現代文明社会の食物はほとんどが間違っていて、体に合ってません。
その説明を順番にしていきます。
今回は、人類とその祖先はどのような食生活をして進化してきたのかをお話しします。
図を見てください。
人類の食生活の歴史
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約700~600万年前に、ヒトの祖先とチンパンジーの祖先が枝分かれします。
以降、ずっと森の中にとどまったチンパンジーは、暖かい森の中でこれまでのように果物や木の実を中心とした炭水化物(糖質)リッチな食生活を続け、現在に至ります。
では、ヒトはどうでしょうか?
おそらく300~250万年前にはじまった最後の氷河期のころまでは、チンパンジーと森で共存して、チンパンジーと同じような糖質の多い食生活であったと思われます(図の①の時期)。
氷河期になり、森が縮小し、森に棲める生物の総量が少なくなり、ヒトの祖先は、仕方なく(そうする理由があったのかもしれませんが解っていません)森を出て草原の広がる平地で狩猟採集生活をするようになります。
森と違って、草原には、豊富な果実や木の実はありません。一面に草が生えているだけの世界です。
そこには、なかなか食べるものがありません。
獲物となりえるのは草を食べている植物食の動物です。
ヒトの祖先は最初は、ほかの強力な肉食動物の食べ残しのもの(骨など)を漁り、やがて集団を組織して、道具を作り(特に飛び道具)、狩りが上手にできるようになっていったと考えられています。
つまり、250万年ほどの長い時間、ヒトは、狩りに成功すればタンパク質・脂質中心の食生活をし、採取によって得た穀類や芋などの植物性食物を交えて、雑食をしていたと考えられます(図の②の時期)。
そして、狩りの方法や道具を工夫しながら、人類は進化し前頭葉と小脳を進化させて、ついに文明の芽を育てる発明をします。
約1万年前に農耕・牧畜が始まるのです。
農耕や牧畜も初期には技術がないので効率が悪いですが、進化した脳の機能を利用して、品種を改良したりして、作物の収率がどんどん良くなり、保存方法もどんどん改良されて、やがて食べ物が欠乏するという困難から解放されていきました。
特に穀物は乾燥させれば長期間保存がきくので重宝がられてきたわけです。
このように過去約9700年間ぐらいは、農作物に支えられた、炭水化物(といっても精製されていません)が多い食生活になりました(図の③の時期)。
産業革命後の現代人の食生活は糖質漬けです。
さらに、約300年前に産業革命がおこると、エネルギー産生と利用の革命がおこり、農作物の収率や保存の効率もさらによくなり、また、食品の加工技術も飛躍的に向上してきます。
たとえば、日本でも、江戸時代以前には、米を精米して白米として食べることは稀でした。
この技術革新で、特に影響を受けた食べ物が穀物や芋などの炭水化物の利用方法です。
全粒の穀物は、ゆっくり噛めば、ほんのりとした甘さです。
しかし、精製した穀物は(白米、米粉、精製小麦、小麦粉など)はとても甘くおいしいものです。
そして、人類は砂糖に代表される単純糖質を造る技術を開発しました。
これ以降は皆さんも知っているように、甘くておいしく感じる加工食品の開発の歴史が現在の食の文明ともいえると思います。
この300年間で、文明の名のもとに、人類はかつて体験したことのない、単純糖質が極端に多い「糖質漬け」の誤った食生活を自分で作り出して、その脅威にさらされているのです(図の④の時期)。
つまり、人間の進化の歴史で、
炭水化物食(数百万年間)~雑食(炭水化物・+タンパク・脂肪食:250万年間)~炭水化物食(1万年間)~単純糖質過剰食(300年間)
と変わってきたのです。
250万年間もタンパク・脂肪・食物繊維豊富な炭水化物の雑食を続けた先祖の遺伝子DNAを受けついでいる、われわれ現代人は、単純糖質の代謝が得意ではありません。
単純糖質を太らないで代謝できるDNAをもっていないのです。
⇒代謝の仕組みはこちらをご覧ください。
これに加えて、産業革命以降の300年間で、文明社会に生きる人々は、利便性と引き換えに慢性的な運動不足になってしましました。
これでは、エネルギー密度・効率の高い糖質が有害作用を発揮してしまいます。
⇒代謝の仕組みはこちらをご覧ください。
これに加えて、産業革命以降の300年間で、文明社会に生きる人々は、利便性と引き換えに慢性的な運動不足になってしましました。
これでは、エネルギー密度・効率の高い糖質が有害作用を発揮してしまいます。
この「単純糖質漬け・慢性運動不足」の産業革命以降の300年間と、肥満、肥満がもたらす糖尿病、がん、認知症、動脈硬化(脳卒中、心筋梗塞)が増加した時期は一致しています。
ということは・・・・?!
糖質や糖尿病については下記もご覧ください。
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何を食べると血糖値が上がる?
「糖類オフ」と「糖質オフ」の違い
ブドウ糖と果糖の毒性
果糖はブドウ糖より危険
果糖は別腹
糖類を食べるとおなかがすく?
糖質は食べ物でとる必要はない?
糖質制限で二日酔いから解放?
アルコール飲料 角砂糖いくつ分?
スポーツドリンクで糖尿病に?
お酒と糖類の依存性
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糖質制限 糖質は何gまでOK?
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