界面活性剤の問題点については、ブログ記事の
シャンプーをやめれば髪が生えるでもお話ししました。
界面活性剤は、洗剤をはじめとして、歯磨き粉、シャンプー、石鹸、ボディーソープ、化粧品、スキンケア用品、クリーム、日焼け止め、医薬品のクリーム、ローションなど幅広く使用されています。
界面活性剤はこんな形
界面活性剤は、化学構造上、水になじむ部分と、油になじむ部分を持つ物質で、主に洗浄するときに用いられるものです。
こんな化学構造をしています。
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界面活性剤は水になじむ(親水基)部分の電気的性質で、イオン性(陰イオン性、陽イオン性、両性)および非イオン性の4種類に分類される。多くの界面活性剤は親水基が陰イオン性(マイナスの電荷を持つ)だが、陽イオン性(プラスの電荷を持つ)界面活性剤は逆性石鹸と呼ばれ殺菌力がひときわ強く、殺菌剤・消毒剤として使用されている。
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界面活性剤は分子内に水になじみやすい部分(
親水基、紫色の部分)と、油になじみやすい部分(
親油基・疎水基、グレーの部分)がある物質の総称で、両親媒性分子とも呼ばれます。
グレーの部分が、皮膚や布や食器などに付いた油っぽい汚れとなじんで、汚れを取り囲むようにいくつもくっついて、紫色の部分が水となじむので汚れを浮き上がらせて、洗浄するのです。
界面活性剤の殺菌作用
界面活性剤の別な側面として、殺菌作用があります。
殺菌作用の強さは、界面活性剤の種類により異なりますが、特に逆性石鹸と呼ばれる種類のものは、殺菌作用を持ち、殺菌剤や消毒剤としても使用されます。
界面活性剤の殺菌作用については、未だはっきりわかっていない部分もありますが、概ね以下のように説明できます。
イラストで解説しますね。
まず、細胞に対して、界面活性剤がどのように作用するかを理解しましょう。
下の絵は私たちを含む生物の細胞のイラストです。
細胞は細胞膜で囲まれています。
これは、すべての生物の細胞に共通しています。
しなやかな細胞膜があるおかげで、細胞は様々な機能を発揮できます。
この細胞膜のしなやかさは、生物が生きていくうえでとても大切なものです。
細胞膜の大切さについてはこちらを読んでください。
さて、上の絵の中の、細胞膜を大きく拡大したところに注目してみましょう。
この絵のように、細胞膜は脂質二重層という脂肪の成分からできていて、脂肪は細胞膜の材料として使われています。
約40兆個といわれる、私たちのすべての生きた細胞の細胞膜はこの脂質二重層でできています。
この絵の細胞膜の脂質二重層のうち、水色の丸い頭のような部分が水になじみやすい部分です。
水色の頭から黄色や、ピンクや緑色の脚が出ていますね。
これらの黄色や、ピンクや緑色の脚の部分は油となじみやすい部分です。
細胞膜の脂質二重層を構成する分子を1つ取り出して拡大したのが左の絵です。
これらの分子が沢山集まって結びついて脂質二重層を構成しているのです。
細胞膜の脂質二重層の特徴は、細胞の中と外を隔てておく大切な機能にあります。
ここでは詳しくは説明しませんが、細胞の外からの異物や毒性のあるものを中に入れないようにしたり、細胞の中の老廃物を外に出したりするときにとても都合が良い構造をしています。
詳しくはこちらを読んでください。
⇒細胞膜で脂肪が果たす役割
さて、ここに界面活性剤がやってくるとどうなるでしょう。
この絵のように、界面活性剤の紫色の部分は、細胞膜の脂質二重層の水色の部分と同じ、水になじみやすい性質があるので、水色の部分に吸い寄せられて、やがて中に刺さります。
そして、細胞膜の脂質二重層の結びつきを弱めます(細胞膜の流動性の増加)。
やがて下の絵のように…
バラバラにほどけて、細胞膜が破れ、細胞が破裂してしまいます。
これが、界面活性剤に殺菌作用がある理由です。
界面活性剤は日常生活のいたるところに・・・
ここで、よく考えてみてください。
この作用は病原菌だけに現れるわけではありません。
私たちの細胞にも同じように作用するのです。
界面活性剤が殺菌作用を持つということは、すなわち、私たちの細胞に対しても毒性があるということです。
病原菌だけでなく、毎日のように界面活性剤にさらされている、私たちの皮膚の細胞、口の粘膜、頭皮の細胞、女性の大切なお顔の細胞にも、等しく毒性があります。
機械いじりをしたりして頑固な汚れが付いたときに、界面活性剤を使うのは仕方がないと思いますが、毎日のお化粧や、歯磨きや、乾燥防止のクリームや、日焼け止めクリームなどで界面活性剤を使い続けるのは考え物ですね。
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