いきいき!エバーグリーンラブ: ブドウ糖と果糖の毒性

2014年5月17日土曜日

ブドウ糖と果糖の毒性

ブドウ糖と果糖は双子の兄弟だけど

米や小麦粉(デンプン)などに含まれるブドウ糖(グルコース)と、果物に多い果糖(フルクトース)。
どちらもよく目にする甘味料ですね。
この二つについて知っておくことは、糖質制限をするうえでポイントになります。
化学構造を比べてみましょう。

下の絵が化学構造です。
化学の苦手な人にはちょっとわかりにくいかもしれませんが、ざっと形を眺めてください。
ほとんど同じ構造で、まるで双子の兄弟のようです。

まずは、上のブドウ糖をみてください。
真ん中の魚の背骨のようなまっすぐ(鎖状)なブドウ糖は、左右にある輪っか(環状)の形にもなります。
1番のC(炭素)につながっているO(酸素)が5番目のCとつながって丸くなるのです。

また、下の果糖は、ブドウ糖と1と2のCの部分が変わっているだけです。
これも、まっすぐになったり、環になったりします。
それだけでなく、果糖は、上のブドウ糖にも、簡単に形を変えることができるのです。

ブドウ糖や果糖は毒性(糖化作用)がある


実は、下の絵で、ブドウ糖の1のピンク色部分には酸化されやすく(還元性があるともいう)、ほかのものと反応しやすい性質があります。
ですから、体に吸収されると、体の構成成分であるタンパク質と、簡単に結びついてしまいます。
糖が結びつくことでタンパク質は通常通りの働きができなくなります。
よくない作用といえますね。

糖がタンパク質に結びつくことをタンパク質の糖化といいます。
結びついてできたものはAGE
終末糖化産物とか最終糖化産物とも呼ばれます。
今話題の、老化物質の1つですね。

糖尿病の指標となる、糖化ヘモグロビン(HbA1c)も赤血球のタンパク質であるヘモグロビンにブドウ糖が結びついたものです。
糖尿病では血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が上がるために、ブドウ糖が赤血球に結びついてしまい、HbA1cが多くなります。
こうなると赤血球は本来の働きをしにくくなってしまっています。
糖尿病患者さんが血管の病気になりやすい原因の1つとされています。



ブドウ糖(グルコース)、果糖、構造、化学平衡


果糖はブドウ糖よりも毒性が高く、肝臓で早く処理される

上の絵のように、ブドウ糖は血液の中で、真ん中のまっすぐな形となったり、両側の輪っかの形となったりしています。
これを平衡といいます。
とはいっても、真ん中のまっすぐな形にはわずか0.25%ぐらいしかなりません。

輪っかの形のブドウ糖には1のピンク色の部分がないので、還元性がありません。
つまり、毒性を発揮しません。

ところが、下の果糖は血中に入ると、70%もがまっすぐな形になります。
なんとブドウ糖の280倍!
そのうえ、先ほどの説明の通り、果糖はブドウ糖になりやすいので、まっすぐなブドウ糖に形を変えて毒性を発揮してしまいます。

果糖の摂りすぎは肥満の原因

このように、果糖は体にとってとても危険な存在。
だから果糖が吸収されると、肝臓は速やかに果糖の形を変えようとがんばって処理(代謝)します。

まずは、果糖を中性脂肪(トリグリセリド)に変換するので、中性脂肪血症(高トリグリセリド血症)になります。
もちろん、これは肥満の原因。

それでも処理しきれなかった過剰な果糖は、乳酸という物質になって血中に出ていって血液を酸性にします。
それに、肝臓はとても頑張り屋さんなので、果糖をたくさん摂りすぎると疲れてしまいます。
そう、果糖は肝臓にとってかなり迷惑な存在だったのです。

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ブドウ糖と果糖の毒性
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