いきいき!エバーグリーンラブ: 血糖
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2016年4月21日木曜日

血糖値だけでない空腹感のメカニズム


読者の方々から「食事を食べる順番や、ゆっくり食べることとと食欲に関係があるの?」という質問を受けました。

それにお答えする興味深い研究報告を紹介しようと思いましたが、読者の皆さんとやり取りするうち、血糖値と食欲ばかりに注目が偏っていらっしゃる方が多いと感じました。
これも、糖質制限ダイエットの流行の影響でしょうか。

そこで今回は、まず、基本的な食欲の仕組みと血糖値・ホルモンとの関係を解説することにしました。

食欲のメカニズムと血糖値・遊離脂肪酸・ホルモンの関係

このことを理解していると、食欲のコントロールや、ダイエットに役立つと思います。

今回はやや複雑な仕組みの解説となるので、動画を作ってみました。
「あーお腹すいた。」とつぶやいているあなた。
4分13秒の動画にまとめましたので是非ご覧ください。



この血糖値が上がったり下がったりする波を小さくすれば、空腹感が減ります。

これが、ダイエットを成功させるコツです。

具体的にどうすればよいか・・・。
次回、説明しますね。
空腹感を抑える食べ方


動画の内容の要約は以下の図をご覧ください。


空腹感, 満腹感, 血糖, インスリン, インスリン拮抗ホルモン, グルカゴン, 摂食中枢, 満腹中枢, 遊離脂肪酸,

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今回のコンテンツに特に関連が深いのは
インスリンは肥満ホルモン?!
糖質は食べ物でとる必要はない?
脂肪を貯めるしくみ
りんご型肥満でおなかが炎症
脂肪細胞が食欲をコントロールする

の各コンテンツです。

よろしければこちらも読んでください。

糖質
血糖になる栄養素
何を食べると血糖値が上がる?
「糖類オフ」と「糖質オフ」の違い
ブドウ糖と果糖の毒性
果糖はブドウ糖より危険
果糖は別腹
糖類を食べるとおなかがすく?
糖質は食べ物でとる必要はない?
糖質制限で二日酔いから解放?
アルコール飲料 角砂糖いくつ分?
スポーツドリンクで糖尿病に? 
お酒と糖類の依存性
あなたの1日の糖質量
糖質制限 糖質は何gまでOK?
エナジードリンクは飲んでもOK?
加糖飲料の危険性が次々証明
全粒粉や玄米はなぜ体に良い?
高血糖の恐ろしい結果、終末糖化産物(AGEs)とは?
早い、うまい、安いが身を滅ぼす
血糖値だけでない空腹感のメカニズム

糖尿病
4~5人に1人が糖尿病予備群!
糖毒性で糖尿病予備群に??
グルコーススパイクに注意
インスリンは肥満ホルモン?!
早食いはメタボの元
厚労省お墨付き栄養法で糖尿病?
低GI食品って意味ある?
やっぱりGIはあてにならない
糖尿病予備群は癌リスクが15%高い
全粒粉や玄米はなぜ体に良い?
高血糖の末路、終末糖化産物(AGEs)とは?
血糖値だけでない空腹感のメカニズム

食べ物・栄養
食生活は進化の中で3回変わった
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2015年12月18日金曜日

高血糖の末路、終末糖化産物(AGEs)とは?

糖尿病の検査としてヘモグロビンA1c= HbA1c(エイチビーエーワンシーと読みます)という項目をよく耳にしますね。

Hbというのは、ヘモグロビンのこと。
赤血球に含まれる成分で、酸素を運ぶ役割を果たしているタンパク質です。

なぜ、HbA1cが糖尿病の指標になるのでしょう。

まずは、血糖値の推移からおさらいしましょう。

グルコーススパイクとは 

図は、健康な人と糖質(グルコース)の処理がうまくいっていない人が、それぞれ同じ時間に1日3回食事をとった場合に、血糖値の推移がどのように違うかを表したモデルグラフです。

グルコーススパイク
青い線が健康な人で、赤い線が糖質の処理がうまくいっていない人です。
糖質(グルコース)の処理がうまくいかない状態を耐糖能異常と呼び、耐糖能異常がみられる人は糖尿病の予備群とされます。

どちらの線も食事を食べた直後に血糖値が上がっていますが、赤い線は血糖値の上り方が大きくて、下がってくるのにも時間がかかっているのがわかります。

このように、血糖(血中グルコース)値がスパイク(英語で尖がっていることの意)の形に上昇してなかなか下がってこないことを「グルコーススパイク」とか「食後高血糖」と呼びます。

グルコーススパイクが頻繁に起こると、もちろん血糖値は高いままの時間が長く続いてしまうわけです。

グルコーススパイクが糖化の原因

高血糖の持続時間が長いほど、体の細胞を構成するタンパク質が糖と結びつきやすくなります。
これを糖化といいます。

タンパク質が糖化したものを終末糖化産物または最終糖化産物英語ではAdvanced Glycation End Products(AGEs:エイジスとも呼ばれます)といいます
終末糖化産物が蓄積するタンパク質が本来の働きをしなくなり、細胞の機能が低下してしまうと考えられています。

AGEs糖尿病をはじめ、高血圧脳卒中心筋梗塞などの原因となる動脈硬化慢性腎不全アルツハイマー病がん脂肪肝不妊などの原因となるとされています。

また、最近では老化にも関わっていて、皮膚のくすみやしわ、骨粗鬆症、変形性関節症(膝痛、肩痛など)などにもAGEsが一役買っていることを示した研究報告もあります。

HbA1cは終末糖化産物(AGEs)のひとつ

HbA1c(ヘモグロビンA1c)は、終末糖化産物(AGEs)の一例です。
正常なヘモグロビンに対する糖化したヘモグロビンの割合を%で算出した値です。

糖尿病や糖尿病予備群と診断される耐糖能異常の人では、グルコーススパイクが頻繁に起こります。
そうすると、タンパク質でできているヘモグロビンは糖化されると考えられます。
HbA1cが糖尿病の診断に使われるのは、そのためです。

ヘモグロビンは赤血球のなかにあるタンパク質で、酸素を運ぶという重要な役割を持ちます。
糖化されたヘモグロビンでは、この酸素を運ぶ機能が失われ、本来の働きをしないと考えられています。

ですから、検査の結果、「HbA1c が高い」と言われたら、「糖尿病になっている」というだけでなく、「糖尿病のために、ヘモグロビンの機能が衰えている」ことが診断されたことになります。

終末糖化産物(AGEs)ができないようにするには

それでは、体の中でなるべくAGEsを作らないようにするにはどうしたらよいでしょう。
まずは、

500mLのペットボトル入りの 
サイダーやコーラを1日1本飲めば、
 1日必要量摂取カロリーの
 8.1%-11.7%に

①「グルコーススパイク」や「食後高血糖」を避ける

ことです。
糖質制限ダイエットをするかどうかはさておき、少なくとも血糖値を急速に上げる糖質の食べ過ぎは避けるべきでしょう。
ご飯(白米)やパン(精製した白いパン)の摂りすぎは良くありません。

清涼飲料水や甘いお菓子・ケーキ、アイスクリーム、キャンディ―などは、あくまで嗜好品として考えるべきですね。


つぎに、

砂糖(ショ糖:グルコース+果糖)の摂取量を管理する

砂糖(ショ糖)は、グルコース(ブドウ糖)と果糖が1つずつ連なったものです。

最近の研究で、グルコースと果糖を同時に摂取する(砂糖を摂る)と膵臓からインスリンがより多く分泌されて、膵臓への負担が増えることがわかってきました。

もちろん血糖値も上がります。
また、果糖は、脳で食欲をつかさどる視床下部の酵素を活性化させて食欲を増加させることもわかりました。

さらに、果糖は、この視床下部の酵素の活性化によって、外から摂る糖だけでなく、肝臓での糖新生も増加させることも報告されています。

果糖の過剰な摂取がAGEsを増加させている可能性を示す研究報告もあります。

やはり、糖(糖類、糖質)の量はWHOの推奨する糖類25g(1日のエネルギーの5%)にとどめることは守りたいものです。
くわしくは糖質は何gまでOK?を読んでください。

糖質や糖尿病については下記もご覧ください。

糖質
血糖になる栄養素
何を食べると血糖値が上がる?
「糖類オフ」と「糖質オフ」の違い
ブドウ糖と果糖の毒性
果糖はブドウ糖より危険
果糖は別腹
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アルコール飲料 角砂糖いくつ分?
スポーツドリンクで糖尿病に? 
お酒と糖類の依存性
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糖質制限 糖質は何gまでOK?


糖尿病
4~5人に1人が糖尿病予備群!
糖毒性で糖尿病予備軍に??
グルコーススパイクに注意
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2015年9月8日火曜日

全粒粉や玄米はなぜ体に良い?

健康に良いとされる食べものは、沢山ありますね。
食物繊維が豊富な野菜や全粒粉もその1つでしょう。

今の日本人の食生活では食物繊維が足りない、と言われて、努力して野菜ばかり食べたり、場合によっては食物繊維のサプリをお使いの方もいらっしゃるかもしれません。

食生活や運動習慣に気をつけて、実践して、いつまでも元気でいることはとても素敵なことです。
でも、情報を吟味しないで、そのまま鵜呑みにすると、せっかくの努力が無駄になりかねません。

食物繊維や全粒粉の効果的な利用方法

今日は、食物繊維や全粒粉のより効果的な利用方法についての研究を2つご紹介します。

1つ目の研究は、
2型糖尿病を予防するには食物繊維をどの食物(野菜、果物、穀物)からどのようにとればよいのかについての研究です。
 Matthias B. Schulze et al. Fiber and Magnesium Intake and Incidence of Type 2 Diabetes A Prospective Study and Meta-analysis. Arch Intern Med. 2007;167(9):956-965. doi:10.1001/archinte.167.9.956.

【研究の方法】

  • 健康な人の食生活を調べて、その後その人たちが2型糖尿病になったかどうかを追跡調査した研究をデータベースで検索して
  • そのなかで、食物繊維をどの食物(野菜、果物、穀物)からどれだけ摂っっていたかと、糖尿病の発病の関係を調べていた信頼性の高い研究を9つ選んで、まとめて統計学的に分析した。

【研究の結果】

  • 穀物から摂った食物繊維の量が多い人では、2型糖尿病の発病が予防できる。
  • 野菜や果物から摂った食物繊維の量が多い人では、2型糖尿病の発病が予防できない。

と分析できた。

いかがでしょう。

食物繊維を摂れば身体にいいという先入観がありませんか?

イラスト 全粒粉 小麦 胚芽 胚乳 穀物からの食物繊維が多いということは、パンであれば全粒粉などの精製度の低い小麦粉を使ったパンを多く食べていたということです。

全粒粉は絵のように、胚乳、胚芽、表皮(ふすま)を全部粉にしています。

胚乳には糖質が、ふすまには食物繊維が多く含まれます。
つまり、糖質を摂るときに、一緒に食物繊維を摂ることが大切なようです。

食物繊維を糖質と一緒にとれば、食物繊維が糖質の消化・吸収を遅らせて、血糖値の急激な上昇を抑える効果があると考えられます。

野菜や果物をたくさん食べて食物繊維を摂っても、2型糖尿病の予防の効果がみられなかったということは、野菜や果物を単独で食べても、糖質と一緒に摂らなければ食物繊維の血糖値への効果が発揮されないということです。

例えば、食物繊維を多くとろうと思って、サラダや温野菜だけをたくさん昼食で食べても、夕食に糖質の多い食事をして、同時に食物繊維を摂らなければ、1日の食物繊維の摂取量は増えるかもしれませんが、夕食時の急激な血糖上昇は防げないわけです。

この研究からわかることは、

  • 糖質を摂るときに食物繊維を一緒に摂るのが良い
  • 野菜や果物などを単独で多く食べても2型糖尿病の予防にはならない
  • 食物繊維のサプリメントを使うなら、食事と一緒に摂るのがよさそう

ということですね。

食品を加工しすぎるのは危険?!

次の研究は、同じ小麦粉でも、製粉の仕方によって血糖値の上がり方が変わるというものです。
⇒Cathrina H Edwards, et al. Manipulation of starch bioaccessibility in wheat endosperm to regulate starch digestion, postprandial glycemia, insulinemia, and gut hormone responses: a randomized controlled trial in healthy ileostomy participants. Am J Clin Nutr doi: 10.3945/ajcn.114.106203.

【研究の方法】

  • 研究の参加者は、ストーマ(お腹に便を排泄する人工的な排泄口)を持つ健康な9人。
  • 9人をランダムに、①2mmの粒子になるように小麦の胚乳を製粉した小麦粉(粗挽き)で作ったお粥、②0.2mmの粒子になるように製粉した小麦粉(普通の小麦粉)で作ったお粥を食べるグループに割り付けて、
  • 少なくとも1週間、お粥を食べてもらって、血糖値やインスリンの値を測定し、
  • そのあと、同じグループで①と②を入れ替えて1週間お粥を食べてもらって、血糖値やインスリンの値を測定しそれぞれ比較した。

【研究の結果】
粗挽き小麦粉のお粥を食べた人は、通常の小麦粉のお粥を食べた人に比べて、

  • 食後2時間以内の血糖値の上昇が33%抑えられた。
  • インスリンの分泌も43%抑えられた。
  • インスリンの過剰な分泌による「低血糖」の状態を起こすことも少なかった。
  • ストーマからの小腸の内容物を調べると、未吸収の小麦粉の大きな粒子が沢山残っていた。粒子が大きいほど天然の細胞壁の構造(食物繊維)がより多く残されていた。

【研究から考えられること】

  • 粗挽きも粗挽きでなくても、小麦粉の成分は全く同じなのに、粗挽きだとでんぷんの消化・吸収の速度が遅くなって、急激な血糖値の上昇を抑えられると考えられる。
  • 小麦は植物なので、細胞壁があり、でんぷんの周りを細胞壁=食物繊維で取り囲まれている。普通に挽かれた小麦粉は細胞壁=食物繊維が破壊されているため、でんぷんは速やかに消化されて糖類になり、吸収されて、血糖値が急速にあがる。
  • 天然の食物繊維の構造を破壊しないような製粉(製造法)によって、食後の血糖値の上昇を抑えることができそうだ。

いかがですか?

速い栄養にご注意

全粒粉、大豆、ふすまで作ったパン
製粉技術が未熟だった頃には、全粒でしかも粗挽きの小麦粉で焼いたパンなどを、ゆっくり噛んで食べていたでしょう。
玄米飯も噛んで飲み下すのに時間がかかります。

こうした食事では、消化に時間がかかるために、食後の急激な血糖値の上昇が抑えられると考えられます。
食後に急に血糖値が上がってしまうことをグルコーススパイクとか食後高血糖と呼び、動脈硬化などの原因になるとされます。
⇒グルコーススパイクに注意


砂糖や糖類や、みりんやケチャップなど糖類を含む調味料で味付けした食品、加糖飲料や、精製度の高い主食(白飯、パン)、粥、スムージー、麺類(うどん、中華麺、つなぎの多い日本蕎麦)、片栗粉や小麦粉でトロミをつけた料理や流動食などは、消化・吸収が速やかです。
同時にこれらの食品は柔らかく、喉ごしが良く呑み込みやすいものです。

私たちエバーグリーン研究室では、これらに多く含まれる、単純糖質(遊離糖質)を「効率の良すぎる速い栄養素」と呼んでいます。
⇒吸収が速い栄養素は老化を進める?

消化の手間がなく単純糖質を吸収できる食品・飲料や、加工・調理法が、血糖値上昇にとって危険であると言えるでしょう。

永い進化の歴史から見れば、「効率の良すぎる速い栄養素」がふんだんに食べられるようになったのはごく最近のことに過ぎません。
我々の身体と遺伝子は、「効率の良すぎる速い栄養素」にまだ対応できていないと考えます。
⇒短い期間でも、健康な食事でがんのリスクが減る

2014年5月17日土曜日

果糖は別腹

果糖は別腹の理由を説明しましょう。

果糖は、文字通り果物に多く含まれる単糖ですが、その美味しさのために多くの加工食品にふんだんに使われています。
言うまでもなく美味しいものは、食べ過ぎの危険と裏腹です。
果糖の性質と果糖に対する生物の生理ををよく理解しておくとよいと思います。

①満腹を感じにくい
果糖を摂っても、直ぐには血糖値(血液中のブドウ糖の濃度)が上がらないため、インスリンが出てきません。
インスリンは脳の満腹中枢に働いて「もう食べるな」という信号を出しますが、これが働かないのです。

②果糖を摂るともっと食べたくなる(食欲亢進)

果糖は脳の視床下部という食欲をコントロールする場所でAMPKという酵素を活性化させて、食欲を亢進させることが分かりました。
さらにAMPKが活性化すると、肝臓で作られるブドウ糖の量も多くなることがわかりました。

Cha SH, Wolfgang M, Tokutake Y et al: Differential effects of central fructose and glucose on hypothalamic malonyl-CoA and food intake. Proc
Natl Acad Sci USA 2008; 105: 16871-5.

Yang CS, Lam CK, Chari M et al: Hypothalamic AMP-activated protein kinase regulates glucose production. Diabetes 2010; 59: 2435-43.

Kinote A, Faria JA, Roman EA et al: Fructose-induced hypothalamic AMPK activation stimulates hepatic PEPCK and gluconeogenesis due to
increased corticosterone levels. Endocrinology 2012; 153: 3633-45.

③痩せホルモンが出てこない

食欲や体重をコントロールする、俗に「痩せホルモン」とも呼ばれるホルモンがあります。
レプチンといって、脂肪組織から分泌されるホルモンです。
レプチンは、満腹のときのようにエネルギーが余っていると、脳の視床下部に作用して、全身の細胞にエネルギー(カロリー)を消費させるようにシグナルを出します。
このとき、「もうおなかが一杯だから食べなくていいよ~」という満腹サインも出します。
レプチンの濃度は血液中のブドウ糖の濃度、つまり血糖値が上がると上がります。
ところが、果糖を摂っても直ぐには血糖値は上がらないためにレプチンの分泌は増えません。
ということは、満腹サインも出ませんし、カロリーを消費させるシグナルも出ないのです。

④食欲が湧くホルモンを下げない

レプチンとは反対に、食欲が湧くホルモンがあります。
グレリンといって、血糖値(血中ブドウ糖値)が上がると濃度が下がり、満腹サインを脳に出してくれます。
でも、果糖は摂っても直ぐには血糖値が上がらないので、グレリンが下がらず、満腹サインが出ません。

①~④をまとめると、

果糖を摂ると、満腹を感じにくく、もっと食べたくなり、カロリーが消費しにくくなる、

つまり、果糖は別腹、ということです。


糖質や糖尿病については下記もご覧ください。

糖質
血糖になる栄養素
何を食べると血糖値が上がる?
「糖類オフ」と「糖質オフ」の違い
ブドウ糖と果糖の毒性
果糖はブドウ糖より危険
果糖は別腹
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糖尿病
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ブドウ糖と果糖の毒性

ブドウ糖と果糖は双子の兄弟だけど

米や小麦粉(デンプン)などに含まれるブドウ糖(グルコース)と、果物に多い果糖(フルクトース)。
どちらもよく目にする甘味料ですね。
この二つについて知っておくことは、糖質制限をするうえでポイントになります。
化学構造を比べてみましょう。

下の絵が化学構造です。
化学の苦手な人にはちょっとわかりにくいかもしれませんが、ざっと形を眺めてください。
ほとんど同じ構造で、まるで双子の兄弟のようです。

まずは、上のブドウ糖をみてください。
真ん中の魚の背骨のようなまっすぐ(鎖状)なブドウ糖は、左右にある輪っか(環状)の形にもなります。
1番のC(炭素)につながっているO(酸素)が5番目のCとつながって丸くなるのです。

また、下の果糖は、ブドウ糖と1と2のCの部分が変わっているだけです。
これも、まっすぐになったり、環になったりします。
それだけでなく、果糖は、上のブドウ糖にも、簡単に形を変えることができるのです。

ブドウ糖や果糖は毒性(糖化作用)がある


実は、下の絵で、ブドウ糖の1のピンク色部分には酸化されやすく(還元性があるともいう)、ほかのものと反応しやすい性質があります。
ですから、体に吸収されると、体の構成成分であるタンパク質と、簡単に結びついてしまいます。
糖が結びつくことでタンパク質は通常通りの働きができなくなります。
よくない作用といえますね。

糖がタンパク質に結びつくことをタンパク質の糖化といいます。
結びついてできたものはAGE
終末糖化産物とか最終糖化産物とも呼ばれます。
今話題の、老化物質の1つですね。

糖尿病の指標となる、糖化ヘモグロビン(HbA1c)も赤血球のタンパク質であるヘモグロビンにブドウ糖が結びついたものです。
糖尿病では血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が上がるために、ブドウ糖が赤血球に結びついてしまい、HbA1cが多くなります。
こうなると赤血球は本来の働きをしにくくなってしまっています。
糖尿病患者さんが血管の病気になりやすい原因の1つとされています。



ブドウ糖(グルコース)、果糖、構造、化学平衡


果糖はブドウ糖よりも毒性が高く、肝臓で早く処理される

上の絵のように、ブドウ糖は血液の中で、真ん中のまっすぐな形となったり、両側の輪っかの形となったりしています。
これを平衡といいます。
とはいっても、真ん中のまっすぐな形にはわずか0.25%ぐらいしかなりません。

輪っかの形のブドウ糖には1のピンク色の部分がないので、還元性がありません。
つまり、毒性を発揮しません。

ところが、下の果糖は血中に入ると、70%もがまっすぐな形になります。
なんとブドウ糖の280倍!
そのうえ、先ほどの説明の通り、果糖はブドウ糖になりやすいので、まっすぐなブドウ糖に形を変えて毒性を発揮してしまいます。

果糖の摂りすぎは肥満の原因

このように、果糖は体にとってとても危険な存在。
だから果糖が吸収されると、肝臓は速やかに果糖の形を変えようとがんばって処理(代謝)します。

まずは、果糖を中性脂肪(トリグリセリド)に変換するので、中性脂肪血症(高トリグリセリド血症)になります。
もちろん、これは肥満の原因。

それでも処理しきれなかった過剰な果糖は、乳酸という物質になって血中に出ていって血液を酸性にします。
それに、肝臓はとても頑張り屋さんなので、果糖をたくさん摂りすぎると疲れてしまいます。
そう、果糖は肝臓にとってかなり迷惑な存在だったのです。

糖質や糖尿病については下記もご覧ください。

糖質
血糖になる栄養素
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2014年5月16日金曜日

何を食べると血糖値が上がる?

血糖値が上がる栄養素はなんでしょう?

1.炭水化物
2.脂質
3.タンパク質


正解は「炭水化物」です。
それ以外は血糖値をあげません。
意外でしょう?

アメリカ糖尿病学会は、糖尿病の教科書で「炭水化物・タンパク質・脂肪はみなカロリーを含んでいる。しかし、炭水化物だけが、血糖値に直接作用する*」と書いています。

*出典:Life With DiabetesA Siries of Teaching Outlines by the Michigan Diabetes Research and Training Center , American Diabetes Assoiation ,4th Edition,2009

実は、以前は、「糖質は100%、タンパク質は約50%、脂質は10%未満が血糖に変わる」
とされていました。
現在では、

糖質のみが血糖値をあげる

ことが分かっています。

また、下の表のように、血糖値を大きく上げるのは、デンプン(白米や小麦粉など)や果物の中の果糖(フルクトース)であることもわかっています。

炭水化物 脂質 果物 牛乳 野菜 肉 魚 脂肪 脂質
血糖値を上げる食物

お肉や魚、脂質は血糖値をあげないのですね。

糖質や糖尿病については下記もご覧ください。

糖質
血糖になる栄養素
何を食べると血糖値が上がる?
「糖類オフ」と「糖質オフ」の違い
ブドウ糖と果糖の毒性
果糖はブドウ糖より危険
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血糖になる栄養素

ブドウ糖(グルコース)、アミノ酸、脂肪酸 脂肪酸、長鎖、短鎖 リンパ 中性脂肪 短い脂肪酸 リポタンパク カイロミクロン キロミクロン 静脈  動脈 消化に時間がかかる 吸収できない エネルギー 栄養素 リノレン酸 トリプシン キモトリプシン 肉 早い栄養素 膵液 化学構造 アミノ酸 すぐに吸収
血糖値といえば、血液中の糖の濃度。
この「糖」とは何を指しているかご存知ですか?
いろいろある糖の中でも、「グルコース」の濃度を示しています。
グルコースのことをブドウ糖ともいいます。

血糖値をあげる栄養素は何?

では、血糖、つまり血液中のグルコースとなる食物・栄養素は何でしょう?
「糖質」です。
三大栄養素(タンパク質、脂質、炭水化物)のうちの炭水化物は、糖質と食物繊維を合わせたもの
ですから、糖質とは、炭水化物から食物繊維を除いたものです。
この辺のお話はまた、別の機会に。
⇒糖の仲間の呼び方について

ここでは、どうやって糖質が吸収されて、血の中で血糖となるのかをみてみましょう。
中学受験 理科 生化学 消化 吸収の仕組み 体の仕組み 食べ物 どこから吸収 吸収が早い 
消化の模式図


食べ物は、この絵のように、噛んで飲み込まれて、胃、十二指腸、小腸と消化器の下の方へ送られ、
だんだん消化されて、小さくなっていきます。
栄養素の多くが、小腸で吸収されます。

このように、栄養素にするために、吸収できるように小さくしていくことを消化といいます。

なぜ、消化する必要があるのでしょう?

小腸の表面の細胞(上皮細胞)が腸内の栄養素を取り込もうとしても、栄養素がある一定の大きさまで消化されて、吸収できる化学構造になっていないと、取り込めないからです。



炭水化物の消化と吸収

デンプンは単糖になって吸収される

パンを食べたとします。
その主成分はデンプン。、
グルコース(ブドウ糖)が連なった形をしています(下図)。

デンプンは、まず、口の中で唾液中の消化酵素のアミラーゼで分解されます。
これは、小学校の頃、理科の実験で試したことがありますね。
お米にヨウ素液を掛けると紫になるけれど、くちゃくちゃ噛んでからヨウ素液をかけると、色がつかない、というあれです。
これは、噛むことでお米のデンプンが消化されて切り分けられることで、ヨウ素デンプン反応が起こらなくなるためです。

このとき、デンプンはランダムにブツブツ切られて、グルコース(ブドウ糖)が連なった形になります。

この状態で胃を通過して十二指腸までたどり着くと、膵液の中の膵アミラーゼでさらに細かく切られます。
下のイラストにある、グルコース(ブドウ糖)2つが連なっているものはマルトース(麦芽糖)です。
十二指腸を通過して小腸まで行くと、今度はマルターゼが働いてグルコース(ブドウ糖)となります。

糖質は、こうやって1つの糖の形にならないと吸収されません。
1つになった糖の形を単糖といいます。

アミラーゼ、マルターゼ 中学受験 理科 生化学 消化 吸収の仕組み 体の仕組み 食べ物 どこから吸収 吸収が早い グルコース ブドウ糖 マルトース 麦芽糖 消化酵素 タンパク質 たんぱく質 胃 中学受験 生化学 単糖類 でんぷん デンプン 膵臓 ショ糖 砂糖 果糖 血糖値 糖質 甘草 小腸 糖尿病 消化 分解 バラバラ 時間がかかる 全身 炭水化物
炭水化物の消化(デンプン~麦芽糖~ブドウ糖) C=炭素 O=酸素 H=水素

吸収されたグルコースは、肝臓から全身へ

小腸の壁から吸収されたグルコースは、門脈という血管を通じて肝臓に運ばれます。
肝臓から上大静脈という太い血管を経由して全身に流れます。
これが血糖となるのです。


グルコース(ブドウ糖)を食べれば、すぐに血糖値が上がる

糖質はバラバラにされ、グルコースなどの1つの単位(単糖)になるまで、時間がかかります。
でも、いったんグルコースになると、速やかに全身を流れます。
ですから、はじめから単糖の形の糖質を摂ると、すぐに血糖値が上昇するわけですね。


ちなみに、糖尿病患者さんが薬の副作用などで低血糖になると、砂糖ではなく、グルコースを摂ります。
砂糖(ショ糖)はグルコースと果糖が1つずつつながったものです。
だから、血糖値を速やかに上げたい場合には、グルコースと果糖に消化(分解)する手間がかからないグルコース(ブドウ糖)を使うのです。

このように糖質、特に単糖類は「速い」栄養素といえます。
すぐにエネルギーとなり、瞬発力を支えてくれます。
ですので、成長期の人や、アスリート向けの栄養素といえるでしょう。

さて、では他の栄養素はどうでしょう?

タンパク質の消化と吸収


肉を食べたとします。
その主成分のタンパク質。

タンパク質はアミノ酸2~3個にまで消化される

タンパク質は、色々な種類のアミノ酸が立体的に連なった形をしています。
まず、で消化酵素ペプシンで立体的な形を崩され、さらに小腸では膵液の中のトリプシン、キモトリプシン、ペプチダーゼ類で分解されます。
最終的には、ほとんどが1つのアミノ酸か、2~3個連なった形にまで分解され、最後には小腸の上皮細胞の表面にある酵素で、1つのアミノ酸にしてから、吸収されます。

中学受験 理科 生化学 消化 吸収の仕組み 体の仕組み 食べ物 どこから吸収 吸収が早い ブドウ糖(グルコース)、アミノ酸、脂肪酸 脂肪酸、長鎖、短鎖 リンパ 中性脂肪 短い脂肪酸 リポタンパク カイロミクロン キロミクロン 静脈  動脈 消化に時間がかかる 吸収できない エネルギー 栄養素 リノレン酸 トリプシン キモトリプシン 肉 早い栄養素 膵液 化学構造 アミノ酸 すぐに吸収
タンパク質の消化(C=炭素 O=酸素 H=水素 N=窒素)

吸収されたアミノ酸は、ほとんどがタンパク質に組み直される


これらのアミノ酸は、まず肝臓に運ばれて、大半はタンパク質に組み直されます。
なんだ、じゃあ、分解しなければよかったのに、と思われるかもしれませんね。
分解するには理由があります。

その時に体が必要な種類のタンパク質を必要な量だけ作る必要があるためです。
それに、ほかの生物を構成しているタンパク質では、微妙に形が違います。
ブタ肉と牛肉では味が違いますよね・・・

もう少し難しい話をすると、自分のものではないタンパク質は、排除するようなシステムが、私たちの体には備わっています。
このシステムが作動する結果起こるのがアレルギー。
ですから、食べた物が体の中に入った時に異物として認識しないように、自分用のタンパク質に作り変える必要があるのでしょう。

肝臓で作られるタンパク質、全身の組織で作られるタンパク質


肝臓でアミノ酸をもとに作られ(合成され)るタンパク質は、アルブミン、α‐グロブリン、β‐グロブリン、リポタンパク、フィブリノーゲン、プロトロンビンなどの血漿タンパクと呼ばれるものです。

肝臓で血漿タンパクに合成されなかったアミノ酸は、血管を通じて、全身に運ばれて、それぞれの組織(臓器)に必要とされる分だけタンパク質に組み立てられます。

このように、吸収されたアミノ酸は、ほとんどが体内で新しいタンパク質の原料となります。
でも、一部、例外があるんです。

タンパク質にならないアミノ酸は

アミノ酸の一部(糖原生アミノ酸)は肝臓でグルコースに変換されますが(糖新生)、絶食などをして血中のグルコース濃度が(血糖値)が著しく低くない限り、血糖値をすごく上げるほどには変換されません。

糖新生の量は、一定の血糖値(おおよそ100mg/dL)を維持するようにプログラムされています。
ですので、カロリーが不足していなければ、タンパク質を食べても、血糖は上がらないわけです。

また、グルコースに変換される場合でも、グルコースになって肝臓から放出され、血糖になるには3-4時間かかるようです。

アミノ酸がグルコースに変換される糖新生については改めてお話します。


また、血液中のアミノ酸バランスは、常にほぼ一定になるようにコントロールされています。
これは、それぞれの組織(臓器)必要なときに必要なアミノ酸を供給できるようにしているのでしょうね。

脂肪(脂質)の消化と吸収


脂肪は消化・吸収が遅い

最後に脂肪です。
健康診断で中性脂肪とかトリグリセリドとか書かれているのがこれです。
三大栄養素としては脂質となっています。

脂肪を多く含む食品は「腹持ちがいい」ことが多いと思いませんか?
たとえばお昼に揚げ物なんかを食べると、「もたれちゃって夜までおなか空かなかった」、なんて体験もあるでしょう。

実は、脂肪は消化・吸収がきわめて遅いのです。
だから、脂っこいものを食べると、なかなか消化・吸収が進まなくて、「もたれ」、「重さ」などを感じることが多いのですね。

脂肪はまず、グリセリンと脂肪酸に分解される

グリセリンに3つの脂肪酸がくっついたものが脂肪です。
下の図の左上のピンクの部分を見てください。
脂肪は、このピンク部分のように、とても大きい(長い)化学構造を持っています。

左の縦に並んでいる3つのC(炭素)酸素(O)水素(H)がくっついたところがグリセリンです。
赤い点線の右の部分が脂肪酸
この赤い点線のところで、グリセリンと脂肪酸に切られます。
これを行うのは、胃液や膵液に含まれるリパーゼという消化酵素です。

脂肪酸と一言で言っていますが、脂肪酸には図のように色々なものがあります。
どれも、炭素(C)の鎖の端に、カルボン酸(COOH)がついています。

小さい方が吸収されやすいならば、長い鎖をバラバラに消化すれば良いように思えますね。
残念ながら、図に×がついているように、短い脂肪酸にまで消化する能力は人間は持ち合わせていないようです。

長い脂肪酸はリンパ管経由で全身へ


短い脂肪酸は、小腸から門脈経由で肝臓に行きエネルギーとして利用されます。

しかし、多くの場合、脂肪酸は長くてサイズが大きいため、そのままでは小腸から吸収できません。
このため、十二指腸で胆嚢から分泌された胆汁酸の働きにより、ミセルという分子に取り込まれ、小腸まで運ばれてから、小腸の細胞(小腸上皮細胞)の表面で再び分解され脂肪酸となって、小腸の細胞の中に入ります。
小腸の細胞の中に入った脂肪酸は、カイロミクロン(キロミクロン)という大きなリポタンパク質(脂肪酸を運ぶバスケット)に組み入られます。

このカイロミクロンは分子が大きいので、ほかの栄養素のように小腸上皮細胞についている血管(門脈)経由で肝臓に直接は入らず、小腸のリンパ管(腔)に放出されて、リンパの流れに乗ってやがて静脈と合流して全身へ運ばれます。
そして、全身の細胞に取り込まれてから、短い脂肪酸に変えられてエネルギーになります。

エネルギーにならなかった血液中の余分な脂肪酸は、脂肪細胞に取り込まれて蓄積していきます。
これが、内臓脂肪や皮下脂肪です。


このように、脂肪成分の多くはリンパ~静脈~動脈経由の長い道のりをたどります。
脂肪が吸収されるのに食後3、4時間かかるのはこうした長いプロセスがあるからです。

このように脂肪は消化・吸収に時間がかかり、食後の血糖値の上昇には関係ありません

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脂肪の消化


吸収が速い栄養素は老化を進める?


もう一度、炭水化物(糖類)、タンパク質(アミノ酸)、脂肪酸の構造を見比べましょう。

中学受験 理科 生化学 消化 吸収の仕組み 体の仕組み 食べ物 どこから吸収 吸収が早い ブドウ糖(グルコース)、アミノ酸、脂肪酸 脂肪酸、長鎖、短鎖 リンパ 中性脂肪 短い脂肪酸 リポタンパク カイロミクロン キロミクロン 静脈  動脈 消化に時間がかかる 吸収できない エネルギー 栄養素 リノレン酸 化学構造 アミノ酸 すぐに吸収
炭水化物(糖類)、タンパク質(アミノ酸)、脂肪酸の構造



おおざっぱに言って、化学構造が小さいほうがエネルギーとなるのが早いといえるでしょう。

タンパク質アミノ酸2つがつながっているジペプチドまでに消化されていれば、速やかに吸収されます。
糖質も、グルコース果糖のような単糖の形に消化されていれば、速やかに吸収されます。
一方、脂肪酸はその大きな化学構造から消化・吸収に時間がかかります。

特に、糖質はグルコースや果糖などの単糖や砂糖など二糖類の形(単純糖質、遊離糖質)で摂取すると、消化の必要がなくそのまま体が吸収できるので、すぐにエネルギーとなりやすい「効率が良い速い」栄養素、といえます。
このことからも、ペットボトル飲料に入っている、ブドウ糖果糖液糖などを取るとすぐに血糖が上がるのもうなずけますね。


「速い」はキーワードですので覚えておいてください。

活発に細胞が分裂して成長している若いうちは、単純糖質たっぷりのファーストフードを食べても悪影響を免れるかもしれません。
でも、成熟して完成した体は、単純糖質などの効率が良い速い」栄養はあまり求めていません.。
多く摂ると老化を進め、病気の原因になることにつながります。


いつまでも若く美しく健康に過ごすための基本姿勢は、「ゆっくり急がない」ことです
成熟した私たちには「速い」ことは必要ありません。
栄養素も、食べ物も、必要な分だけ、ゆっくり味わって楽しみましょう。


グルコーススパイクに注意

今日は恐ろしいグルコーススパイクのお話です。


グルコーススパイクとは 

図は、健康な人と糖質(グルコース)の処理がうまくいっていない人が、それぞれ同じ時間に1日3回食事をとった場合に、血糖値の推移がどのように違うかを見たモデルグラフです。

グルコーススパイク
青い線が健康な人で、赤い線が糖質の処理がうまくいっていない人です。
糖質(グルコース)の処理がうまくいかない状態を耐糖能異常と呼び、糖尿病の予備群とされます。

どちらの線も食事を食べた直後に血糖値が上がっていますが、赤い線は血糖値の上り方が大きくて、下がってくるのにも時間がかかっているのがわかります。

このように、血糖(血中グルコース)値がスパイク(英語で尖がっていることの意)の形に上昇してなかなか下がってこないことを「グルコーススパイク」、「血糖スパイク」とか「食後高血糖」と呼びます。

グルコーススパイクが頻繁に起こると、もちろん血糖値は高いままの時間が長く続いてしまうわけです。

グルコーススパイクが糖化の原因

そして、高血糖の持続時間が長いほど、体の細胞を構成するタンパク質が糖と結びつきやすくなります。
これを糖化といいます。
タンパク質が糖化したものを終末糖化産物または最終糖化産物英語ではAdvanced Glycation End Products(AGE)といいます
こうなるとタンパク質が本来の働きをしなくなり、細胞の機能が失われたり、低下してしまうと考えられています。

糖尿病の診断に使われるHbA1cという検査値は、グリコヘモグロビンA1cと言わるものです。
グリコは糖を表す言葉で、ヘモグロビンは皆さんご承知の酸素を運ぶ赤血球の中で、酸素と結合する重要なタンパク質です。

グリコ+ヘモグロビンということは、糖化してしまったヘモグロビンということです。

糖化モグロビンはもはや正常な機能(酸素を運ぶ)を果たせないと考えられます。
糖化モグロビン(HbA1c)も代表的な終末糖化産物AGE)です

HbA1c値は%で表されますが、これは糖化していない健康なヘモグロビンと糖化して役割を果たせなくなった糖化ヘモグロビンの割合を%表示しているのです。


糖質や糖尿病については下記もご覧ください。

糖質
血糖になる栄養素
何を食べると血糖値が上がる?
「糖類オフ」と「糖質オフ」の違い
ブドウ糖と果糖の毒性
果糖はブドウ糖より危険
果糖は別腹
糖類を食べるとおなかがすく?
糖質は食べ物でとる必要はない?
糖質制限で二日酔いから解放?
アルコール飲料 角砂糖いくつ分?
スポーツドリンクで糖尿病に? 
お酒と糖類の依存性
あなたの1日の糖質量
糖質制限 糖質は何gまでOK?


糖尿病
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