以前、おなかに優しいアミノ酸スープをご紹介しました。
今回は、アミノ酸スープの応用編として、海苔と豆腐のお吸い物を作りました。
アミノ酸スープのポイントは、色々な種類の魚から作った削り節を使って、一番だしを取ることです。
魚ごとに違った種類のアミノ酸が抽出できます。
糖質量を抑えるために片栗粉の代わりにサイリウム(オオバコ)を使っています。
アミノ酸スープの応用編:
低糖質 海苔と豆腐のお吸い物
【材料】(たっぷり2人分)
《アミノ酸スープ》
削り節は、はなかつおと
ヤマヒデの業務用だしを使っています
- 昆布 5cm×10cm 1枚
- 日本酒(純米酒) 100㏄
- みりん大さじ1
- 塩 ひとつまみ
- 醤油 大さじ1
- サイリウム 小さじ1/2
- 水 カップ4
《具》
- 絹ごし豆腐 1/4丁
- あおさ海苔(生)75~100g 乾燥でもOK
【作り方】
①アミノ酸スープを作ります。
- 水4カップに昆布を1枚、30分以上浸す
- 1を火にかけ、沸騰する寸前に昆布を取り出す
- 2が沸騰したところに、削り節20gを入れ、火を止める
- 2~3分経ったら、削り節をこす
- 鍋に日本酒とみりんを入れてアルコールを飛ばす
- 4のこしただし汁を5の鍋に戻し入れて火にかけ、醤油、塩で味付けする
②アミノ酸スープを煮立て、煮たったところで中火にして、サイリウムを小さじ1/8くらいずつ鍋全体に広がるように振り入れます。
サイリウムは吸湿(保水力)が高いので、ダマになりやすいので、少量ずつ入れます。
片栗粉のように
あらかじめ水で溶くとダマになってしまうので要注意です。
③1杯振り入れるごとに、お玉でよく混ぜます。
④これを、とろみがつくまで、繰り返します。
ここでは、4回繰り返したところで、ちょうどよいとろみになりました。
⑤ ④に絹ごし豆腐を入れます(別鍋で豆腐を温めておくといいです)。
⑥あおさ海苔をざるに入れてさっと洗い、水を切ります。
⑦ ⑤に⑥を入れます。
ひと煮立ちして出来上がり。
あおさ海苔について
あおさ海苔に含まれる栄養素を調べました。
わかめやひじきなどの海藻全般にいえることですが、あおさ海苔には
カルシウムや
マグネシウムなどのミネラルや、
ビタミン類が豊富に含まれます。
ω3脂肪酸のαリノレン酸が多いことも特徴です。
ほうれんそうやモロヘイヤは、比較的、ビタミン類を多く含むとされていますが、これらと比べても、海藻類が優秀なことがわかりますね。
ケール青汁も確かに優秀です。
しかし、ケール青汁が嫌いな方でも、あおさ海苔などのおいしい食材で、十分、バランスの良い食事ができます。
余談ですが、私たち日本人の腸内には
海藻を分解できるBacteroides plebeius(バクテロイデス・プレビウス)という腸内細菌がいます。
欧米人の腸内にもバクテロイデス・プレビウスはいるのですが、海藻を分解する酵素を持っていないようです。
海に囲まれた日本の私たちの遺伝子は、海産物に慣れ親しんで、腸内細菌もこれに適応しています。
海藻をもっと食べましょう。
豆腐は絹ごしより木綿??
豆腐は、ここでは食感の良い絹ごしを使いました。
上の表を見ると、木綿の方が絹ごしより、栄養価が高いように見えますね。
これは、絹ごしが豆乳をそのまま固めているのに対し、木綿は水分を濾して固めているので身が詰まっているためです。
つまり、絹ごしをたくさん食べれば、木綿を食べるのと同じです。
木綿の方が、コストパフォーマンスが良いということですね。
サイリウム(おおばこ/プランタゴ・オバタ)について
海苔と豆腐のお吸い物では、とろみ付けに片栗粉の代わりに
サイリウムを使っています。
片栗粉は、精製したデンプンです。
100g中の糖質量は、小麦粉73.9gに対して片栗粉81.6g。
デンプンはグルコース(ブドウ糖)がつながったものですから、糖質の塊。
そのうえ精製されているので、当然糖質は小麦粉以上に多く含まれるわけです。
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維を含む
サイリウム(おおばこ)は
90%以上が食物繊維ですから、ほとんど腸管から吸収されません。
不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の両方が含まれていることを特徴とします。
不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の割合は4対1です。
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不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の膨らみ方 |
水溶性植物繊維には、周囲にある水分を吸収して膨らむ性質があります。
サイリウムは30倍以上に膨らむといいますから、一緒に摂った水分だけでなく、腸管の壁の外側・・・つまり体の中からも水分を引き寄せます。
不溶性食物繊維も水分で膨らみますが、吸収するというより、抱え込む感じです。
例えていうと・・・
おがくずを水に浸すと膨らみますが、絞ると水分が外に出てきますね?
これが、不溶性食物繊維。
乾燥わかめを水で戻すと、絞っても中の水分は出てきませんね?
これが水溶性食物繊維です。
どちらも膨らむことで腸管を刺激して排便を促す作用を持ちますが、水溶性食物繊維の方が水分の保持力が強く、便が硬くならないようです。
便秘薬やダイエット食品に
サイリウムは別名を
おおばこ、または、
プランタゴ・オバタといって、よく便秘薬やダイエット食品として用いられています。
おなかの中で30倍以上に膨らむために、満腹感が得られるし、腸管を膨らませて排泄を促します。
便秘薬に配合される量は様々ですが、1日1~4g程度が一般的なようです。
ただし、センナ末などが一緒に配合されていて、サイリウムで腸管を膨らませ、センナ末で腸管を刺激して出す、という役割分担をしていると思われます。
ですから、サイリウムだけたくさん摂ると、お腹が膨れた感じはするけれど排便にいたらない、すっきりしない感じになる可能性があります。
アミノ酸スープでは、水カップ4にサイリウム小さじ1ですから、問題になることはないと思います。
とはいえ、おなかの弱い方は、そんなこともあると知っておくほうがよいでしょう。
ダイエット食品としては、おなかがいっぱいになった感じはするような、しないような・・・
まあ、試してみてください。
とろみ付けに
水分を吸収することでゼリー状になるので、この性質を応用して、
片栗粉の代わりにとろみをつけることができます。
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NOW サイリウムハスクパウダー |
今回は汁ものをご紹介しましたが、炒めものでも応用できます。
ほんの少しずつ、振りかけるように加えてください。
お値段は
良いところばかりのようなサイリウムですが、欠点はお値段が少々高めなこと。
今、私が使っているのは右の商品で、これでもかなり安いものを探しました。
NOW サイリウムハスクパウダー
1個 340g 1,000円前後
アマゾンでも購入できます。
実際に使ってみると、ほんの少しでかなりのとろみがつくので、そんなにコストパフォーマンスが悪い感じはしません。
試してみる価値はあると思います。
サイリウムを使ったレシピはこちら
低糖質マンゴーババロア
豆乳ブラマンジェ