いきいき!エバーグリーンラブ: お酒と糖類の依存性

2014年5月17日土曜日

お酒と糖類の依存性

「酒は百薬の長」は本当でしょうか?


冬の熱燗、夏のビール、お酒がおいしいシーンは多いですよね。また、お酒が持つ作用で、楽しくなったり、リラックスできたり、メリットもあります。
でも、お酒の飲みすぎで二日酔いになったり、長期に大量に飲酒すると肝臓病や膵炎、喉頭がん、食道がんや大腸がんになったり、デメリットも多いようです。

アルコールと糖は似た化学構造


糖とアルコールの化学構造

ここでも、ちょっとお酒を化学的に見てみましょう。
お酒の主成分はエチルアルコールです。
私たちが普段「アルコール」と呼んでいるのは、「エチルアルコール」のことです。
上の図を見ると、アルコールも果糖やブドウ糖も同じ形を持っているのが分かります。
エチルアルコールは肝臓でアルコール脱水素酵素によってアセトアルデヒドに変えられます。
上の図の青とピンクで囲った部分に注目です。
青い部分のC-OHはアルコール性水酸基といって、条件がそろえば簡単にピンクで囲った部分のH-C=Oの形に変換されます。
H-C=Oの形はアルデヒド基といって、酸化されやすく(還元性があるともいう)、ほかのものと反応しやすい性質をもっています。
そのために、体に吸収されると、体の構成成分であるDNAやタンパク質と結びつきやすい性質があります。
糖がくっつくので「糖化」と呼びます。
糖化されるということは、余計なものが結合(付加体産生)するのですから、DNAやタンパク質は正常に働けなくなります。
これがアルデヒドの毒性です。
AGE(アージーイー)って聞いたことがありませんか?
タンパク質に糖が結合(「糖によるタンパク質の糖化」といいます)したもので、老化物質とされています。

話がそれました。
アルコールからできるアセトアルデヒドが悪者だというところから仕切り直します。
アセトアルデヒドができたことを察知すると、肝臓は2型アルデヒド脱水素酵素を使って、アセトアルデヒドを毒性の低い酢酸の形にしてから、血中に放出します。
酢酸は皆さんご存知の「お酢」で、毒性はありません。

このように栄養や成分の形を体内で変えることとを代謝といいます。
飲んだアルコールの量が多いと、どんなに肝臓ががんばって働いても代謝が追いつかなくなります。
そうなるとアセトアルデヒドを酢酸の形にしきれずに、血中にアセトアルデヒドが出てきてしまいます。
アセトアルデヒドの血中濃度が高いと顔が赤くなり、頭痛、吐き気、嘔吐などの中毒症状がでます。
そう、これが二日酔いです。
糖と同様に、アルコールも取りすぎるとよくないようです。

依存性・習慣性=アルコールと糖の怖い共通点

アルコール依存症(中毒)という病気があります。
お酒を飲まずにいられなくなる病気です。
怖いですよね。

アルコールと糖には、
摂らないでいることができなくなる=依存性
繰り返し摂りたくなる=習慣性
という点が共通しています。

誰でも褒められると嬉しくて、また次も頑張ろうと思いますよね。
これは脳の「報酬系」と呼ばれる神経回路が働くためです。
もう少し詳しくお話しすると、脳の報酬系が刺激されると、快楽物質と呼ばれるドパミンが脳内に放出されます。
このドパミンこそ、「気もちよい」と感じさせる物質。
ドパミンは他にも、達成感、やる気、集中力を高める作用を持っています。
アルコールも糖も、吸収されて脳に入ると脳のこの回路を刺激してドパミンを放出させる作用を持っているので、脳は心地よさ、楽しさを感じます。
お酒で楽しくなったり、気が大きくなったりするのもドパミンのこの作用です。
脳と報酬系では、ドパミンによる快楽を得るために、ドパミンを放出させるものをさらに、繰り返し求める性質があります。
これが依存性・習慣性の原因です。
このような、「報酬系」よる欲望の仕組みは、生物の進化の歴史上で、生物が常に飢餓と欠乏に見舞われていたために獲得した性質です。
これらの仕組みを理解して節制しないと、脳が発する際限ない欲望に負けて、必ず健康を損なうことを覚えておいてください。

さらに、アルコールにも、糖にも、耐性といってだんだん欲しがる量が増えてゆく共通点もあります。
同じ刺激を繰り返し受けているうちに、慣れてしまい、もっと欲しくなるのですね。

お酒は毎日飲んでいると、肝臓のアルコールを代謝させる酵素が多くなって、だんだんお酒に強くなり、同じ酒量では酔いにくくなり酒量が増えてゆきます。
糖類が入った甘いものでも、同様です。甘いものをちょっとだけ食べると、もっと食べたいと思いませんか。
そして、今食べたスイーツより、さらに甘いスイーツを求めて、量も甘さも増えてゆくことが多いはずです。

まとめると、
糖類とアルコールには

○依存性(中毒性)・習慣性があり、摂らないでいることができなくなる
○繰り返し摂りたくなる
○だんだん満足するために必要な量が増えていく

という怖い性質があります。

アルコールの場合は、飲みすぎれば二日酔いになったり下痢をしたりして、アルコールの毒性を自覚してブレーキがかかりやすいですが、糖類は甘くおいしいだけで、短期的には毒性を自覚しにくいので、より危険だとも言えますね。
そして、時間をかけて太っていくのです・・・。

糖質や糖尿病については下記もご覧ください。

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