いきいき!エバーグリーンラブ: 脂肪細胞の正体

2014年9月10日水曜日

脂肪細胞の正体

前回はリンゴ型肥満と内臓脂肪についてお話ししました。
⇒リンゴ型肥満と内臓脂肪について

ここでは、内臓脂肪が病気に結びつくワケを順を追ってお話ししますね。

まずは脂肪細胞について知りましょう。

内臓脂肪と皮下脂肪の違い


下の図を見てください。
前回もお話ししたように、内臓脂肪はお腹の中の膜に脂肪組織が多くなってしまうことで出来上がります。
でも、この内臓脂肪は、皮下脂肪と比べて、カロリー摂取を控えて運動すれば、比較的簡単に減ります。

内臓脂肪が「貯まりやすく、減らしやすい」のには理由があります。

内臓脂肪がたまる腸間膜には小腸から肝臓に栄養を運ぶ血管がたくさんあり、栄養の通り道が近いため、脂肪がたまりやすいのです。
反対にエネルギーが足りなくなったときには、内臓脂肪の中の脂肪から脂肪酸としてエネルギーを取り出しやすいため、運動で減りやすいとされています。

一方で皮下脂肪はダイエットしても、運動してもなかなか減りません。

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内臓脂肪と皮下脂肪

脂肪細胞の種類と役割


脂肪細胞と聞くと、「なければいい存在」のように思ってしまいますが、そんなことはありません。
脂肪細胞にはいくつかの種類があり、それぞれ体に必要な働きをしています。
詳しくみてみましょう。


脂肪組織には、脂肪細胞がたくさんあります。
上の絵のように、脂肪細胞の集落に毛細血管が張り巡らされています。
血液の中の脂肪酸や中性脂肪やグルコース(ブドウ糖)がここまで運ばれてきて、脂肪細胞に取り込まれ、脂肪となります。

脂肪細胞には種類があります。
白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞とベージュ脂肪細胞です。

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脂肪を燃やす褐色脂肪細胞と脂肪を貯める白色脂肪細胞

褐色脂肪細胞

褐色脂肪細胞は、首の周りや、肩甲骨のあたり、わきの下などに少数存在する脂肪細胞で、脂肪を燃焼させる働きがある、ちょっと変わり種の脂肪細胞。
脂肪を燃やすので、そのためのミトコンドリアがたくさんいます。

ミトコンドリアが多い細胞といえば筋肉ですね。
実は、褐色脂肪細胞と筋肉は同じ起源から分かれてくる兄弟であることが最近の研究でわかりました。

褐色脂肪細胞の役割は体温を監視して、体温が落ちそうになると脂肪を燃やして体温を保つ役割をしていると考えられます。

褐色脂肪細胞は赤ちゃんのころが割合が一番多いのです。
これは、赤ちゃんはまだ筋肉が発達していないので、筋肉からの発熱量が低いため、これを補うために褐色脂肪細胞の割合が高いと考えられます。

褐色脂肪細胞は、成人では低温にさらされたときに活発になることがわかっています。


白色脂肪細胞

白色脂肪細胞は、全身の皮下や内臓にあり、数も多く、飢餓に備えてエネルギーを脂肪にして貯める役割をしています。
また、必要時には蓄えている脂肪を脂肪酸とグリセリンに分解して血液に放出して、全身の細胞のエネルギー源にします。

白色脂肪細胞のなかには図のように大きな脂肪滴と呼ばれる中性脂肪を貯めておくプールがあります。
白色脂肪細胞は貯める役割なので、燃やすためのミトコンドリアが少ないわけです。


ベージュ脂肪細胞

2012年にすごい発見がありました。
ベージュ脂肪細胞という褐色脂肪細胞に似た、ミトコンドリアの多い、脂肪を燃やす細胞が発見されたのです。

さらに、脂肪を貯める専門だと思われていた白色脂肪細胞も、筋トレなどの運動すると筋肉からイリシンというホルモンが出て、このイリシンでベージュ脂肪細胞に変化することがわかりました。


内臓脂肪と皮下脂肪はほとんど白色脂肪細胞です。
運動すれば、白色脂肪細胞をベージュ脂肪細胞に変化させられます。

お話しした通り、内臓脂肪は特に、「貯まりやすく、減らしやすい」性質を持っています。
運動すれば、内臓脂肪の白色脂肪細胞がベージュ脂肪細胞になって、蓄えていた脂肪を消費してくれる可能性があるわけです。

運動の習慣がいかに大切かを脂肪細胞は教えてくれているのです。


ところで・・・
褐色脂肪細胞を活性化して脂肪を燃やすという触れ込みの『肩甲骨ダイエット』なるものがはやっているようですが、褐色脂肪細胞は運動では活性化されません。
ということは・・・????

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