私にとって糖質制限で一番のストレスは、心置きなくパンを食べられないこと。
この悩みを解決するために、家庭用のパン焼き器で試行錯誤を重ねてきました。
パンを膨らませる方法について
パンというのは、小麦粉をイースト菌で発酵させることで膨らませます。ご参考までに、ここでいう「発酵」とは、イースト菌が小麦のブドウ糖(グルコース)をエタノールと二酸化炭素にすることです。
化学式で書くと、こうなります。
C6H12O6 (ブドウ糖)→ 2 C2H5OH(エタノール2コ)+ 2 CO2(二酸化炭素2コ)+エネルギー
イースト菌は生き物ですから、この時にできるエネルギーをエサにして生きているわけです。
ただし、このあと、イースト菌は生地と一緒に焼かれてしまうので、せっかく作ったエネルギーは使えないかもしれません。
できたエタノール(アルコール)も、蒸発してしまいます。
では、発酵によってなぜパンが膨らむのでしょうか?
発酵の際に出てくる二酸化炭素を小麦に含まれるタンパク質がキャッチして間に含ませるためです。
このタンパク質がグルテン。
粘り気を出す性質があります。
ちなみに、強力粉と薄力粉の違いはグルテンの量で、強力粉にはグルテンが多く含まれるので、パンがふっくら焼きあがります。
グルテンが含まれていないと、イースト菌が二酸化炭素を出してもその気泡をとどめておけないためにパンは膨らみません。
お米では、いくらイースト菌をたくさん入れても膨らまないのはこのためです。
さて、小麦粉を使わずに、グルテンをたくさん入れて大豆などに含まれる微量の糖質でイースト菌に発酵させる方法は、小麦アレルギーの方などがいろいろ試されています。
私も、同じように作ってみましたが、かなりつらい仕上がりでした。
グルテンが多いと、どうしてもゴムのような食感になってしまいます。
グルテンは二酸化炭素の気泡を含ませることでふっくらしますが、二酸化炭素が足りないとゴムの様な食感だけが残ってしまうのですね。
で、小麦粉として使っている全粒粉の量を調節しながら、美味しく、かつ、あまり手間のかからないレシピをあれやこれや試してみました。
全粒粉は小麦の胚芽、表皮、胚乳を、小麦粉は胚乳のみを製粉したものです。
今回、かなり上手にできたので、ご紹介します。
低糖質大豆パン
ホームベーカリー(パナソニックSD-BH105)を使っています。【材料】
全粒粉 40g (糖質22.8g) 煮大豆 100g (2.7g) アーモンド粉 55g (5.1g) グルテン 20g (1.6g) 卵 1コ (0.2g) ラカンカット 大2 - 塩 小1/2 - バター 25g (1.1g) ドライイースト 小2 水 大豆と卵と合わせて200㏄ 「ドライイースト、早焼き、淡」コース |
【作り方】
1.大豆の水煮を作る。
水で戻した大豆を、圧力鍋で30分煮て柔らかくする。
缶詰の大豆の水煮でもOK。
2.計量カップに水煮大豆100gと卵を入れ、全部で200㏄になるように水を加える。
3.2をミキサーで撹拌する。
ミキサーはバイタミックスを使っています。
4.パン焼き器のお窯に、3.と、その他の材料をすべて加える。
5.パン焼き器の「ドライイースト、早焼き、淡」で焼く。
15分くらい混ぜたところで、ちょうどよい硬さになっているかどうか、確認。
壁面に生地がついていたら、ヘラで取る。
びしゃびしゃしてまとまらない場合は、ふすまを小さじ1ずつ加えて調節する。
ふすまがなければ、全粒粉でOK。
ただし、糖質の量は増えます。
6.あとは、普通にパンを焼く時と同じ。
大豆は煮る前の重さで40gくらいです。
水の量の調整が難しかったのですが、卵を加えたところ、失敗なくできるようになりました。
これで335gのパンができました。
糖質の量は、全部で35g程度ですから、10.3%に相当します。
(ラカンカットは糖質ですが、血糖をあげないので、ここでは糖質としてカウントしていません)
普通の食パンの半分くらいのサイズで、ちょっと身が詰まっている感じです。
アーモンド粉は、アーモンドをミキサーで砕いて使っています。
アーモンドプードルでもOK。
大豆の水煮は、たくさん作って冷凍しています。
柔らかくしたいので、圧力鍋で30分くらい煮ます。
大豆粉や、おからパウダーでも代用できますが、水の量が変わっきます。
おからパウダーは、きめの細かいものでないと、食感が少々悪くなります。
これまでの経験では、粉の大豆やおからを使うと、ぱさぱさ感が出てくるような気がします。
煮た大豆を食べて、ぱさぱさしているって感じはしないですよね。
一度乾燥させてしまうと、大豆の細胞はもう一度水に浸しても元のようには戻れない、ということでしょうか?
コストと、手間と、滑らかさを考えると、この方法が今のところベストです。
考えられる改良点は・・・
もっとイーストを減らしても、膨らみ具合は一緒かな?とも思います。
全粒粉を減らしてグルテンを増やせば糖質の量を減らして同じ膨らみを維持できるはずですが、このおいしさを損なうことなく、どこまでできるか、これも試す価値がありそうです。
もっといいレシピができれば、またご報告します。
レシピ*低糖質ごま大豆パンはこちら
低糖質ゴマクッキーのレシピはこちら低糖質チョコレートブラウニーのレシピはこちら
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