いきいき!エバーグリーンラブ: 歳をとってから運動を始めても遅くはない

2015年11月6日金曜日

歳をとってから運動を始めても遅くはない


エバーグリーン研究室では健康を保ち、老化をゆっくりにするために、運動を繰り返しおすすめしています。
でも、わかっていても、お仕事や家事で忙しいと、なかなか運動の習慣を身に付けられない場合も多く、どうすればいいかわからないとの声も聞かれます。

いつかは運動を始めようと思いつつ中年を過ぎてお腹が出てきている方にこそ送りたい研究を紹介します。

まずは、中年になってから運動を始めても、若いうちからやらないと意味がないのでは?という疑問に答えた研究です。

2014年の5月に開催された欧州心臓学会議でフランスの研究者が発表しました。

歳をとってから持久力トレーニングを開始しても遅くはない

Matelot D, Schnell F, Ridard C, et al. Cardiac benefits of endurance training: 40 years old is not too late to start.

Forty is not too old or too late to start endurance training
Cardiac benefits comparable in those who began endurance exercise at an earlier or later stage in life

【試験の参加者】
心臓病を持っていない年齢55歳~70歳の男性40人

【方法】
面接調査でこれまでの運動経験を聞き取り、

グループ1: 1週間に2時間以上の運動を行う習慣が一度もなかった10人。
グループ2: 30歳以前から運動を始め、週5時間以上の運動を平均40.8±5.0年間していた16人。
グループ3: 40歳以降に運動を始め、週5時間以上の運動を平均で18.2±6.1年間していた14人。

にグループ分けして、

①平均運動期間
②安静時心拍数
③最大酸素取り込み量
④心臓エコー検査で左心室のサイズ
⑤心臓エコー検査で血管壁の厚さ

について測定した。
運動の内容はサイクリングかランニングが主なものだった。

【結果】
安静時の1分間の心拍数が、運動経験のあるグループ2と3は運動したことのないグループ1よりも少なかった。
心拍数が少ないということは、1回の拍動で多くの血液を身体に送り出せることを示し、心臓のポンプ能力が優れていることを示している。

最大酸素取り込み量も運動経験のあるグループ2と3は運動したことのないグループ1より平均値が高い値を示した。
最大酸素取り込み(摂取)量は、1分間あたりどれだけ酸素を取り込む能力があるのかを表し、有酸素運動の能力(持久力)を示す。

心臓エコー検査では、運動経験のあるグループ2と3は運動したことのないグループ1と比べて左心室が大きく血管も太かった。
運動したことのないグループ1の血管壁はその他のグループよりも厚く、動脈硬化の徴候が現れていた。
動脈硬化は血管の壁が厚くなりもろくなり、血管が詰まったり、破れたりする病気。心臓病や脳卒中を引き起こす原因。

【結論】
このように40歳以降になって持久力トレーニングを始めた人も30歳前の若いうちから始めた人と同程度の心臓の機能を保っていた。
ライフスタイルを変更して、持久力トレーニングを始めるのに、遅すぎるということはないと結論した。


運動不足は心臓の機能低下や動脈硬化以外にも、高血圧、糖尿病、がん、認知症や骨粗鬆症、腰痛や膝痛などの関節疾患、肩こり、疲労、睡眠障害などを引き起こす。 軽い運動、ジョギング、ランニングを習慣化しよう イラスト
いかがですか、週5時間の運動は1日にならぜば、約43分です。これくらいの運動なら何とかこなせそうですね。

運動不足は心臓や肺の機能低下や動脈硬化以外にも、高血圧、糖尿病、がん、認知症や骨粗鬆症、腰痛や膝痛などの関節疾患、肩こり、疲労、睡眠障害などを引き起こします。
軽い運動を習慣化するだけで、どれだけメリットがあるかわかりません。

忙しい仕事に一生懸命取り組んで、収入を得ても、病気になっては仕事も危ういですし、せっかくの収入の使い道が医療費になってしまうのではもったいないですよね。

いつか運動を始めなきゃ!と思っている方は、病気になったり、けがをしたりして運動をする意欲がなくなってしまわないうちに、少しでも運動する習慣を身につけてはいかがでしょう。

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