いきいき!エバーグリーンラブ: みずみずしい肌の新陳代謝

2014年6月25日水曜日

みずみずしい肌の新陳代謝

この前は、表皮の保護機能=バリア機能と新陳代謝(ターンオーバー)についてお話ししました。
どうやら、新陳代謝がみずみずしさを生み出しているようだということがわかりましたね。
ということは、新陳代謝が活発になれば、よりみずみずしくなるのでは?

ここでは、新陳代謝が起こるメカニズムについて面白い実験があるのでご紹介します。

新陳代謝でみずみずしい皮膚ができる

まずは復習。
表皮では、バリア機能を保つため、図のように、基底細胞は14~42日かけて形を変えて、脂質の入ったラメラ顆粒という顆粒を内部に持つようになり、最後はアポトーシスによって死んで、セラミド、脂肪酸、コレステロールからなる脂質を流出させます。
このように細胞が形を変えていくことを「細胞の分化」といいます。

死んで角質化したケラチノサイトは14日ほどで自然に剥がれ落ちます。
はがれると下から順に、アポトーシスにより角質化したケラチノサイトと脂質が補充されます。


皮膚・ターンオーバー・新陳代謝


では基底細胞はどうやって、分化してゆくのでしょう。

皮膚のバリア機能が低下して水分が蒸散すると基底細胞に分化のシグナルが送られ細胞分化が進む


バリア機能の低下が細胞分化のサイン

上の図のように、角層の死んだ細胞(ケラチノサイト)が剥がれ落ちて、バリア機能が低下すると、細胞に「分化しなさい」というシグナルが出ると考えられます。
このシグナルをきっかけにして、基底細胞の分化のスピードが早まり、表皮の新陳代謝(ターンオーバー)が盛んになるのです。
では、どうやって角層の細胞(ケラチノサイト)が剥がれ落ちたことを感知するのでしょう?
ポイントは、角層の水分量らしいのです。

角層の水分量を察知して新陳代謝が進む?

1つ、実験をご紹介しましょう。
角層をセロハンテープで剥がして、バリア機能を低下させた状態で、
①その上に水を通さないラップのようなもので覆う
②水を通すゴアテックスのようなもので覆う

①の結果:表皮から水分が蒸発しない→バリア機能の修復は起こらない
②の結果:表皮から水分が蒸発する→バリア機能は修復された

ケラチノサイトが剥がれ落ちてバリア機能が低下した状態では、角層の水分がとんでいって(蒸散)しまうので、水分量が減ります。
②のように水分が蒸発すれば、バリア機能が修復されます。
①のように水分が蒸発しないようにすれば、バリア機能の修復は起こりません。

ということは、表皮のケラチノサイトが水分量の低下を感知すると、基底細胞にシグナルが送られる仕組みのようですね。
皮膚が乾燥した時に痒くなるのは、このバリア機能が低下した角層を強制的に剥がして、角層のターンオーバーを促進して、水分を保てるように再生させるための行動なのかもしれません。

参考図書:傳田光洋著 『皮膚は考える』 岩波書店 2005年


ターンオーバーを促進するにはどうすればいい?

常に新陳代謝(ターンオーバー)が起こって、バリア機能が低下しないようにすれば、憧れのみずみずしい肌になりそうです。
だからといって実験のように、常に引っ掻いて、皮膚を修復させるわけにはいきませんね。

外から、コラーゲンや水分を補えば効果がある・・・と謳っている化粧品はたくさんありますが、本当でしょうか?

角層は脂質のバリアーが働いているので、ふつうは水分もコラーゲンも外からは補えません。

化粧水や保湿クリームは役に立っていないということでしょうか?
詳しくはこちらを。





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