では、「キメ」ってなんでしょう?
キメは、皮膚の表面の溝です。
皮膚は伸びたり縮んだりできないと、動かすたびにバリバリとひび割れてしまいますから、細かい溝をつくっておいて、蛇腹のように表面を崩すことなく動けるようにしているのです。
溝が細かく、規則正しく描かれていれば、キメの細かい美しい肌。
「キメを保つ」とうたっているのが基礎化粧品ですが、基礎化粧品を使って潤っている肌には、キメがなくなっている、ということを、皆さん、ご存じですか?
恥ずかしながら、私は、潤っていてつるつるした肌=キメの超細かい肌だと思っていました。
私の乾燥肌対策
私はひどい乾燥肌ですから、保湿には余念がありませんでした。まず、お風呂でたっぷりのクレンジングでファンデーションをきれいに落とし、蒸しタオルで肌に水分を含ませて、お風呂上りにローション+美容液+美容ジェル+保湿クリームなどなど、とにかくいっぱいつけて、時には保湿パックまでしていました。
成果は著しく、翌朝にはツルツル、すべすべのお肌に。
乾燥もさることながら、シミもなかなかの問題。
もともとはどちらかといえば肌の色は白い方でしたが、学生時代のテニスで目いっぱい焼いたのが祟ってか、地の白い肌はどこに残っていることやら。
薄いシミの上に濃いシミが重なって、ファンデーションの色もどこに合わせてよいかわからない状態でした。
対策はもちろん厳重に。
朝は水で軽く洗って、ローション+美容液+クリームをつけ、下地クリームを塗ってファンデーション。
下地クリームもファンデーションも日焼け止め効果の一番高いものです。
これ以上、シミが増えたらたいへんですからね。
ファンデーションは薄めでしたが、外出するときは日に焼けるのを恐れて、真冬でも塗り直していました。
その結果、イラストの右側のようなツルンとしたお肌になりました。
ファンデーションのノリは悪くないし、艶々だし、よしよし、と。
ところが、これが大きな誤解でした。
「私の乾燥肌対策」は間違いだった!
キメのない肌は、表面のバリアが壊れた、水分の蒸発しやすい、シミのできやすい半崩壊状態の肌だったんです。だから、保湿クリームの量は増える一方。
私がしていた乾燥肌対策が正しいのだとしたら、使っているうちに、だんだん肌は丈夫にならなければいけないわけです。
風邪を引いたときに風邪薬を飲んで体調が良くなったとき、風邪薬を止めたら必ず風邪をぶり返し、どんどん病弱になっていったとしたら、そんな風邪薬、一刻も早くやめないと、と思いますよね。
ということは、この乾燥肌対策、どこかが間違っていたと考えられます。
では、私のスキンケアのどこが間違っていて、こんなになってしまったのでしょう?
日常のお手入れに潜んでいる犯人は、大きく3つ。
- 犯人1 クレンジングクリーム、石鹸
- 犯人2 保湿クリーム、美容液、美容ジェル、下地クリーム
- 犯人3 ファンデーション、日焼け止め
犯人1 クレンジングクリーム、石鹸
界面活性剤は肌に悪いっていわれますね。なぜでしょう。
それは、界面活性剤が皮膚の一番外側のバリアを壊してしまうからです。
なぜか?
それは、界面活性剤というものが油と水を混ぜるためのものだからです。
皮膚の一番外側にある皮脂と呼ばれる油の層も、水に混ざるようにして溶かしてしまいます。
クレンジングクリームは、ファンデーションという油を落とすのですから、界面活性剤であることは当然ですね。
この作用は、石油系だろうと、植物系だろうと、アミノ酸系だろうと全く違いはありません。
石鹸も強力な界面活性剤です。
これも、天然素材(?)だろうと、固形だろうと液体だろうと、同じこと。
石鹸の誤解についてはまた書きますね。
界面活性剤を含まないクレンジングクリームはないか?
challenge オリーブオイル
「オリーブオイルのクレンジングオイル」と謳っている製品もありますね。これはよいかと思い、私も使ってみました。
確かにオイル風だけれど、よく落ちるし、洗顔せっけんで洗えば残らない。
で、試しにただのオリーブオイルで落としてみました。
が、これはたいへん。
ファンデーションが落ちたかどうかよりもまず、ファンデーションと混ざったオリーブオイルを落とすのに一苦労でした。
ファンデーションとも「クレンジングオイル」ほど、馴染みません。。
やっぱり、「クレンジングオイル」は、オイルと混ぜるための界面活性剤を、多分、少なからぬ量、含んでいると思われます。
ああ、これは界面活性剤を使わなければどうしたってムリ、クレンジングクリームとしては使い物にならない、ってよくわかりました。
⇒界面活性剤の危険性
⇒シャンプーをやめれば髪が生える!
クレンジングクリームを使わないで、化粧を落とす方法
そこで、界面活性剤を含まない成分で化粧を落とせないか、いろいろ試してみました。challenge グレープシードオイル
まず、液体のオイル、料理に使う「油」です。匂いの強いものはNGなので、香りの弱いものに限られます。
オリーブオイルはすでに試してダメだったので、グレープシードオイルを試しました。
が、これもお話になりません。
他の物も同じだということは、容易に想像できました。
challenge グリセリン
そこで、グリセリンを水で倍に薄めてみました。グリセリンは、界面活性剤ではありませんが、水にも油にも混ざります。
が、触ってみればわかりますが、高濃度のグリセリンは、かなりべとべとしています。
案の定、水で流せる感触のよさからはほど遠いものでした。
そのうえ、ただのオイル以上に化粧品ともなじみません。
早い話が、クレンジングとしては何の役にも立ちませんでした。
しかも、高濃度のグリセリンは肌の水分を奪うということがわかりました。
使ってみなければよかった、と後悔・・・
challenge 劇落ちクロス
色々検索するうちに、お風呂で、布でこすって落とす、というやり方をしている方のブログを見つけました。で、さっそく、私も試してみました。
ただの布ではなく、劇落ちクロスという「超微細繊維」で編まれた布です。
これは、確かに今まで試したものの中で一番落ちました。
石鹸も必要ありません。
ただ、物理的にこそぎ落とすのですから、表皮のバリアも落としてしまうことになりますね。
challenge ワセリン+グリセリンローション
試行錯誤の末、最終的に、今、私が使っているのは、ワセリンです。ワセリンで馴染ませて、自分で作った、ただの「グリセリンローション」でふき取ります。
ワセリンは、顔に残ってもさほど問題にならないそうです。
グリセリンローションについてはこちらをご覧ください。
レシピ*手作りグリセリンローション
クレンジングクリームよりは、落ちない方がまし
表皮の細胞は、どんどん入れ替わるので、残った化粧品も数日で自然にはがれるためです。
⇒みずみずしい肌の新陳代謝
ワセリンクレンジングの課題
ワセリンなんて、オリーブオイルよりもベトベトでは?と思われる方も多いでしょう。
たしかに、十分ベトベトしていますが、液体ではないので、いくらか扱いが楽です。
それに、肌への影響が少ないようです。
とはいっても、顔全体に厚く塗った、日焼け止め+下地クリーム+ファンデーションを落とすには、かなりの努力が必要になります。
ここまでのところの解決策は、
- 日焼け止め+下地クリーム+ファンデーションを使わないこと
当たり前ですが、そんなわけにはいかない、って思いますよね。
もちろん、いきなり、そんなことはできません。
時間をかけて、少しずつ素肌の健康を取り戻す方法を、これからご紹介します。
とにかく、ワセリンクレンジングを試してみるだけでも、効果はあります。
気長に、少しずつ。
今使っている化粧品がなくなってからでもいいので、お試しください。
化粧品をやめて美肌になる!〈クレンジングクリーム、洗顔石鹸〉
化粧品をやめて美肌になる!〈クリーム、美容液〉
化粧品をやめて美肌になる!〈ファンデーション、日焼け止め〉
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