⇒デスクワークは危険!
また、座り時間を短くすれば老化しにくいこともご紹介しましたね。
⇒座り時間を短くすれば老化しにくい
健康と若さの源は、筋肉に多いミトコンドリアが鍵であることもお話ししましたね。
筋肉を鍛えて維持すれば、ミトコンドリアが活性化して、生きるエネルギーを生み出してくれるわけです。
⇒ミトコンドリアの数で若さが決まる
⇒体重・BMIより筋肉量が大事
言い換えれば、運動して筋肉を維持することが、究極のアンチエイジングともいえます。
今日は、年をとると自然に落ちてしまう筋肉をどうすればいいかをお話しします。
日本人の筋肉量の加齢による特徴
大阪医科大学の研究グループが、18歳以上の日本人 4,003 人(男性 1,702 人,女性 2,301 人)を調べた研究「日本人筋肉量の加齢による特徴」があります。⇒谷本 芳美ら 日本人筋肉量の加齢による特徴 日本老年医学会雑誌 Vol. 47 (2010) No. 1 P 52-57
それによると、
- 加齢に伴う筋肉量の減少の割合は男性の方が女性よりも大きい
- 脚は 20 歳代ごろより年を取るにつれて大幅に減少し
- 腕は高齢期になって緩やかに減少しはじめて
- 胴体は中年頃まで緩やかに上昇した後、減少し
- 全身筋肉量は中年頃まで微量に増加あるいは横ばい状態から減少する
- 筋肉量の加齢変化は部位により異なり,減少率が最も大きいのは脚で、次に全身、上肢、胴体の順で落ちていく。
ということがわかりました。
解説すると
脚(腿、ふくらはぎ)の筋肉量は全身の筋肉量の 約50%を占める |
2.は、おそらく、現代社会では、20歳代で社会人になって、デスクワークにつく人が多いため、運動量が減り、大幅に減少してゆくと考えられます。
3.は、でも、腕は、座りがちの生活でも使っているので、なかなか落ちにくいのでしょう。
4.は、胴体(体幹部)の筋肉、つまり、背筋や腹筋などは、座ったり、立ったりしているだけでも使われているので、中年までの時間でゆっくりと鍛えられているために、こうなるのでしょう。
5.は、とくに運動しなければ、全身の筋肉は増えることはないということですね。
6.は、つまり、現代の普通の社会生活を送れば、年を取るにつれて、自然と筋肉は落ちていくということで、特に脚の筋肉が落ちるということです。
筋肉を維持するにはどうすれば良いか
脚(腿、ふくらはぎ)の筋肉量は全身の筋肉量の約50%を占めます。ですから、運動によって脚の筋肉を落とさないことが最低限必要なわけです。
『足腰立たなくなったら、おしまい』みたいなことをよく言いますが、まさにそうなのです。
最近では、加齢で筋肉が落ちていくことをサルコペニアといって、医学的な病気として考えるようになってきました。
カナダで 60 歳以上の 4,449人を対象とした研究では、食事、入浴、着替えなどの基本的な日常の 動作ができなくなることとサルコペニアが関係していることも報告されています。
⇒Janssen et al. Skeletal muscle cutpoints associated with elevated physical disability risk in older men and women. Am J Epidemiol. 2004 Feb 15;159(4):413-21.
年をとって、食事、入浴、着替えなどが満足にできなくなるのなんて嫌ですよね。
まずは、脚を鍛えることから始めましょう。
いきなり筋トレはつらいでしょうから、まずは、ストレッチから始めるのがよいでしょう。ストレッチをしている暇がない方は、日常生活で文明の利器に頼っていた部分を、自分の力を頼ることにしてみるのも一案です。
例えばこんなことで脚を鍛えてみませんか?
筋肉が落ちないようにする |
- エスカレーター、エレベータを使わないで階段で上がる
- 近距離は、自転車やバス、電車を使わないで歩く
- 横断歩道の代わりに、歩道橋を渡る
- 電車で座らない
- ちょっとした買い物するとき、カートを使わないで手でカゴをもつ
- なるべく速足で歩く
- ルンバを使わないで掃除機を使う
- リモコンを使わずに操作できる電気機器は手で操作する
- 座りっぱなしにならないように、1時間に5分は歩くようにする
こうやって挙げてみるといろいろあって、ため息が出そう・・・
まず、ため息が出ないものからはじめてみる、というのはいかがでしょう?
0 件のコメント:
コメントを投稿