半年くらい前のこと。
どうも朝から胃の調子が悪い日がありました。
胃腸はめっぽう逞しく、具合が悪くなることは珍しいので、「昨日、そんなに飲んでないのに」と不思議に思っていたところ、午後になって、今度はおなかが痛くなってきました。
普段は便秘がひどくて困っているので、まあいいか、と思ったのですが、時間がたっても腹痛は治まりません。
トイレに行くと、その時は治るのですが、またすぐに痛くなるので、どこにも出かけられません。
でも、食欲はあったので、普通に食事をして早く寝ました。
が、10:00頃になって突然、吐き気とひどい腹痛に襲われたのです。
どうやら、ウイルス感染症による胃腸炎のようでした。
起き上がることも出来なくなって、水分を摂っても、たちまち、下から出ていく状態。
そのうち、冷や汗が出てきて、呼吸まで苦しくなってきました。
脱水状態による軽いショック症状だったのですね。
心臓がばくばくした状態は、1時間くらいじっとしていてようやく治まりました。
そのあと、飲んだのがアミノ酸スープです。
空っぽの胃と腸に優しくしみ込んでいくのがわかりました。
そして、みるみる力が出てきたのです。
なんて書くと、怪しいCMのようですね。
でも、全然怪しいものではありません。
単純明快、アミノ酸スープは誰でも知っているだし汁です。
いろいろな病気で吐いたり、下痢したりして、水分や栄養を補給しにくい時の特効食といえます。
具は入れないほうが胃腸にやさしいです。
アミノ酸スープの作り方
【材料】(1人分)- 削り節(かつお、ぶり、いわし、あじ) 合計20g
- 昆布 5cm×10cm 1枚
- 日本酒(純米酒) 大さじ3
- 塩 ひとつまみ
- 醤油 小さじ1.5
- 水 カップ2
- 水2カップに昆布を1枚、30分以上浸す
- 1を火にかけ、沸騰する寸前に昆布を取り出す
- 2が沸騰したところに、削り節20gを入れ、火を止める
- 2~3分経ったら、削り節をこす
- 鍋に日本酒を入れてアルコールを飛ばす
- 4のこしただし汁を5の鍋に戻し入れて火にかけ、醤油、塩で味付けする
削り節
使っているのは、はなかつおとヤマヒデの業務用だし。
ヤマビデの業務用だしの原材料は、「さばのふし、いわしの煮干し、むろあじのふし」と書かれています。
このように、4種類の魚の削り節を使うのには訳があります。
魚によって、含まれるアミノ酸が異なるためです。
細かい分析をした研究者がいて、結果が報告されていますので、詳細はこちらをご覧ください。
削り節、特に鰹節にはイノシン酸が豊富に含まれています。
イノシン酸は、細胞のエネルギー源となるATPの原料です。
感染症や病気になると、細胞がイノシン酸(イノシン一リン酸)を作り出すことができにくくなるので、エネルギー源であるATPが減ってしまい、細胞の元気がなくなると考えられます。
アミノ酸スープはこの点に効果的と考えられます。
ただし、突然具合が悪くなったときに何種類も削り節が揃えられなければ、鰹節だけでもOKです。
昆布
昆布にはグルタミン酸が豊富に含まれます。昆布のグルタミン酸と、削り節のイノシン酸がそろうと、ヒトにはとてもおいしいと感じられるようです。
アミノ酸スープは経口補水液と何が違う?
脱水症状にOS-1のような経口補水液が勧められていますね。この経口補水液にはいろいろ誤解があるようですが、それは別の機会に。
脱水症状に対して経口補水液の代わりにお勧めしたいのが、アミノ酸スープです。
OS-1よりずっと体に浸み込んでいくような気がします。
それに、OS-1より圧倒的においしい!
OS-1に含まれる成分は、下記の通り。
- 糖類(ブドウ糖、果糖、コーンシロップ)
- 食塩
- 乳酸ナトリウム
- 塩化カリウム
- 乳酸
- 硫酸マグネシウム
- リン酸ナトリウム
- グルタミン酸ナトリウム
- 香料(一部にオレンジ由来の成分を含む)
- 甘味料(スクラロース)
これらの中で、アミノ酸は、グルタミン酸ナトリウムだけです。
アミノ酸スープには、30種以上のアミノ酸が含まれています。
旨み成分として有名なイノシン酸も含まれます。
イノシン酸はアミノ酸の仲間ではなくて、核酸系の旨みで、うまみ調味料としても利用されます。
もちろん、ビタミンやミネラルも、OS-1よりたくさんの種類が含まれています。
カリウム・カルシウム・ナトリウム・マグネシウムなどのミネラルは、微量なのですが、体にとってなくてはならないものです。
たとえば熱中症では、汗をたくさんかいてしまうので、ナトリウムなどのミネラルが欠乏しがちです。
でも、ミネラルは、それだけでは、小腸から十分には吸収されません。
ミネラルは、アミノ酸やグルコース(ブドウ糖)と一緒に摂取することで効率よく吸収されます。
OS-1も、そのことを考えて、ミネラルを吸収しやすいように糖類や、グルタミン酸ナトリウムや、乳酸などの、アミノ酸の仲間を配合しているようですね。
でも、自然の素材を使ったこのアミノ酸スープは、さらにきめ細かいレシピになっています。
削り節にはたっぷりのアミノ酸、お酒には十分な糖類が入っています。
これらが、昆布と削り節の中の豊富なミネラルがしっかり吸収される手助けをしてくれるのです。
アミノ酸がお腹に優しい理由
タンパク質は、色々な種類のアミノ酸が立体的に連なった形をしています。
胃の消化酵素ペプシンや、膵液の中のトリプシン、キモトリプシン、ペプチダーゼ類でタンパク質が分解され、アミノ酸になって、小腸から吸収されます。
はじめからアミノ酸の形をしていれば、胃や膵臓に負担をかけずに、吸収することができます。
削り節では、発酵によって魚を構成するタンパク質がアミノ酸に分解されています。
ですから、これを煮出すことで、ヒスチジン、タウリン、アンセリン、アラニン、カルノシンをはじめとする、多くの種類のアミノ酸を抽出できます。
これらは、みんな何の消化酵素の助けも借りずに、消化管から吸収されるのですね。
削り節では、発酵によって魚を構成するタンパク質がアミノ酸に分解されています。
ですから、これを煮出すことで、ヒスチジン、タウリン、アンセリン、アラニン、カルノシンをはじめとする、多くの種類のアミノ酸を抽出できます。
これらは、みんな何の消化酵素の助けも借りずに、消化管から吸収されるのですね。
ノロウイルス、ロタウイルス・・・感染性の胃腸炎にもアミノ酸スープ
なんだか理由のわからない胃腸炎ばかりでなく、細菌やウイルスの感染による胃腸炎のときにも、アミノ酸スープは活躍します。
病気に関するメディア情報を見ていると、「お腹を壊して嘔吐や下痢が続くときには水分補給を」といわれていますね。
でも、本当に何を食べてもすぐ吐き戻したり、下痢してしまうようなときは、胃腸に負担をかけてしまう分だけ、無理やり水分を摂るのはかえってよくありません。
もう少し待って、ちょっと口にできそうかな、と思ったくらいの時に飲むようにしてください。
熱中症には冷たいものを飲んで体を冷やすのがいいと思われがちですが、それは間違いです。
体温以下の飲み物や食べ物は、胃で体温まで温まってから、はじめて、腸に送られます。
冷たいものは、そのままでは吸収されません。
ですから、いくら暑くても、冷たいものを多く摂るとかえって体力を消耗します。
覚えておくと、役に立ちますね。
夏バテしたなと思ったら、温かいアミノ酸スープを、ゆっくり飲んでみてください。
きっと、身体が喜んでくれます。
熱中症にもアミノ酸スープ
アミノ酸スープは、熱中症対策にも有効です。熱中症には冷たいものを飲んで体を冷やすのがいいと思われがちですが、それは間違いです。
体温以下の飲み物や食べ物は、胃で体温まで温まってから、はじめて、腸に送られます。
冷たいものは、そのままでは吸収されません。
ですから、いくら暑くても、冷たいものを多く摂るとかえって体力を消耗します。
覚えておくと、役に立ちますね。
夏バテしたなと思ったら、温かいアミノ酸スープを、ゆっくり飲んでみてください。
きっと、身体が喜んでくれます。
二日酔いにもアミノ酸スープ
アミノ酸スープの応用編「とき玉アミノ酸スープ」 レシピはこちら |
脱水症状を改善することで効果を示しますので、たくさん飲むのがよいです。
また、二日酔いの状態では、肝臓が疲れているので、アミノ酸をたっぷり補給してあげれば肝臓の回復が早まります。
また、二日酔いの状態では、肝臓が疲れているので、アミノ酸をたっぷり補給してあげれば肝臓の回復が早まります。
もし、飲みすぎて起きられないあなたに、愛情をこめてアミノ酸スープを作ってくれる人がいれば、お願いしてみてください。
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