日本人やアジア人は特に、エナジードリンクの愛飲者が多いようです。
エナジードリンクって?
エナジードリンクの定義はあいまいですが、肉体疲労時の栄養補給のための商品ということです。リポビタンDのように、効能として、肉体疲労・病中病後・食欲不振・栄養障害・発熱性消耗性疾患などの場合の栄養補給、滋養強壮、虚弱体質などと表示できる商品は、第2類医薬品、第3類医薬品、医薬部外品(指定医薬部外品)などの指定を厚生労働省から受けていて、薬事法の規制下の製品です。
そのほか、保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品)としての製品もあるようです。
保健機能食品は認可された効能効果を表示てきます。
元気になりそうで、健康に良さげなイメージで売っているその他の商品は清涼飲料水、炭酸飲料として発売されいて、効能効果を表示できません。
海外でエナジードリンクが問題視された理由
エナジードリンクの問題がクローズアップされたのは、海外、特にアメリカで、カフェイン入りのエナジードリンクを小児や就学児が飲んで、健康被害にあった事例が複数出てきたためです。アメリカ医師会は、小児や10歳代の青少年への販売を禁止するべきだと表明しました。
各国政府も、エナジードリンクへの規制や課税を強めていて、リトアニアでは未成年者へのエナジードリンク販売を禁止する法律が成立しています。
エナジードリンクに含まれる成分の中で危険性を懸念されている成分は、カフェインです。
カフェインには、中枢神経(脳)を興奮させることから、覚醒作用、強心作用、利尿作用などがあり、コーヒーなどのカフェインを多く含む飲料を飲むと体がシャキッとした気がします。
カフェインの副作用としては、動悸(心臓がバクバクする)、めまい、不眠などがあります。
エナジードリンクの成分
では、実際に売られている代表的なエナジードリンクの成分を見てみましょう。主なエナジードリンクの成分(組成) |
いかがですか?
相当量のカフェインが入っている製品もあるようですね。
ちなみに、レッドブルは、100mL中32mgがカフェインなので、1缶250mLで80mgのカフェイン入りとなります。
参考に、レギュラーコーヒーにどのくらいのカフェインが含まれるかというと、250mLで90mgほどです。
調べた中で、一番カフェイン量が多いレッドブルでも、コーヒー1杯と変わらない…なら、安心だ…とはいかないようです。
これらのドリンクを常用される方の飲み方の中には、疲れているからと言って複数のエナジードリンクを1日に何度も飲んだり、薬局やドラッグストアなどで買い置きしたドリンク剤、栄養剤を2本まとめてグイッ!といく人もいるようです。
1回に飲むカフェイン量がコーヒー以下でも、1日に摂る量が多ければ、副作用が出ても不思議ではありません。
それに、コーヒーなどは、カフェイン飲料を飲んでいる自覚があり、何杯も飲んではいけないと自制が働きます。
一方、エナジードリンクは「元気になる」というメーカーのイメージ戦略に乗せられて身体に良いと思い込み、内容成分を気にして飲んでいる人は少ないようです。
医薬品なら、副作用を警戒しますが、エナジードリンクのお気軽さが、健康被害を引き寄せている気がします。
もう少し知っていただきたいのが、カフェインの習慣性と耐性です。
繰り返しカフェインをとっていると、カフェインなしではいられなくなり(習慣性)、また、カフェインの作用を得るために量がどんどん増えていってしまうのです(耐性)。
これは、アルコールと似ています。
私もそうですが、朝起きぬけのコーヒーが習慣化しているのも、カフェインの習慣性によるものでしょう。
エナジードリンクによる健康被害には、カフェインの習慣性と耐性も一役買っているでしょう。
また、エナジードリンクのメーカーも、これを利用して、リピーターを獲得しようとしているわけです。
消費者が自社製品に習慣化してくれれば、濡れ手に粟というところでしょうね。
エナジードリンクの糖質
さて、もう一度表をご覧ください。エナジードリンクの成分には体によさげなビタミンなども入っていますが、カフェインのほかに注目すべきは糖質です。
どの製品もおおよそ100mL中10gほどの糖質が含まれています。
デカビタCは100mL中糖質(炭水化物)は13.2gですから、250mL瓶1本でなんと33g!
角砂糖にすれば8.25個です!!
指定医薬部外品のリポビタンDですら、100mL中19gが糖質(白糖:砂糖=ブドウ糖+果糖)ですから、1本で、角砂糖4.75個です!!
コーヒーにお砂糖を入れて飲む人もいるでしょうが、角砂糖5個も8個も入れますか!
糖質制限していなくても、これらの飲み物の糖質には十分ご注意あれ。
最後に、減塩中の人では、ナトリウムの量も気になりますね。
エナジードリンクのナトリウムの量も、食塩に換算すればそれほど多くはありませんが、ちりも積もれば何とかです。
エナジードリンクに限らず、加工された食品や製品を購入すとるときは、せめて内容表示をよく見て、内容をよく吟味してから、納得して利用しましょう。
こんなにカフェインや糖が入っているなんて知らなかった…、とならないように…。
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