座りがちの生活は、危険なことは以前お話ししました。
今日は、それを裏付ける研究がいくつか発表されたのでご紹介します。
ますは、アメリカでの観察研究です。
Light-Intensity Physical Activities and Mortality in the United States General Population and CKD Subpopulation
Light-Intensity Physical Activities and Mortality in the United States General Population and CKD Subpopulation
1時間にたった2分の運動で死亡リスクが減る
【研究参加者】
2003-2004年のアメリカ国民健康栄養運動調査の対象となった3626人のアメリカの一般人で、うち383人が慢性腎臓病患者だった。
2003-2004年のアメリカ国民健康栄養運動調査の対象となった3626人のアメリカの一般人で、うち383人が慢性腎臓病患者だった。
【方法】
1時間相当の活動を加速度センサーで計測して、
①座りがち
②低い活動
③軽い活動
④中等度活動~活発
の四段階に分類した。
1時間相当の活動を加速度センサーで計測して、
①座りがち
②低い活動
③軽い活動
④中等度活動~活発
の四段階に分類した。
①の座りがちの人が1時間ずっと座りがちを続けた場合と、1時間に2分間、上の②~④の活動をした場合とで、死亡率に差が出るかどうかを、最長3年間観察して分析した。
【結果】
●座りがちでも、1時間に2分間、③の軽い活動を行えば、全参加者で死亡リスクが約33%低下した。
●座りがちでも、1時間に2分間、③の軽い活動を行えば、全参加者で死亡リスクが約33%低下した。
●慢性腎臓病患者を選り分けて分析すると、1時間に2分間、③の軽い活動を行うと死亡リスクが41%低下していた。
なお、③の軽い活動は(加速度センサーで500-2019カウント/分)だった。
上の研究の「加速度センサーでのカウント」というのがわかりにくいですね。
要するに、1時間に2分間、歩くか、ちょっと早歩きしなさいと理解すればいいと思います。
個人差はありますが、2分間歩くまたは早歩きで7-9kcalぐらい消費する運動です。
職場でのデスクワークなどで、ずっと座っていると、伸びをしたくなったり、トイレに立ったり、無意識にしていると思います。
これは、同じ姿勢でいることに体が警告を出しているのでは?と個人的には思っています。
エコノミークラス症候群はご存じでしょう。
長時間座っていると、下半身(脚)の静脈に血の塊が出来やすくなって、この血の塊が肺に飛んで肺の血管を塞いでしまい、呼吸困難になったりするのがエコノミークラス症候群です。
私たちの体は、下肢(特にふくらはぎ)の筋肉が動くことで、下肢の静脈が押されて、血液が心臓に還っていくのを助けています。
(ミルキングアクション、筋ポンプ作用とも言います)。
血液の循環はとても大切です。
特に、重力で下に下がった静脈の血を心臓に還すことが重要なのです。
心臓は血液を送り出すポンプですが、吸い上げる機能は弱いのです。
血液の循環から考えても、ずっと同じ姿勢でいるのは1時間が限度で、それを超えそうなら、最低2分歩くことが必要ということですね。
職場の上司の方にも教えてあげてください。
Physical activity and all-cause mortality across levels of overall and abdominal adiposity in European men and women: the European Prospective Investigation into Cancer and Nutrition Study (EPIC)
【研究参加者】
33万4,000人の男女のデータを集めた。
平均12年の観察期間中、参加者は身長、体重、胴囲を測定し、身体活動レベルを自己申告してもらった。
観察期間中の死亡リスクと、身体活動のレベルとの関係を分析した。
【結果】
●参加者の約4分の1(22.7%)が座りがちな職業で、レクリエーションもしない、“非活動的”に分類された。
●“非活動的”な人のグループと全く運動しないわけではないが軽い運動はする“ある程度非活動的”な人のグループでの死亡リスクをを比較した結果に大きな差があった。
●これらの結果から、1日に90~110カロリーを消費する運動(1日20分ぐらいの早歩き)により、死亡リスクを16~30%低減できると研究者たちは推定した。
●さらに、研究者たちははヨーロッパでの死亡に関する最新データを分析して、ヨーロッパでの男女の死亡920万件のうち、33万7,000件は肥満によるものと推定し、この約2倍(67万6,000件)が、運動不足によるものと推定した。
肥満と健康についての数多くの研究の中には、ちょっと太り気味の人のほうが、死亡リスクが低いというものが結構あります。
肥満も程度の問題で、明らかなリンゴ型肥満で慢性的に炎症が起こってしまっていると死亡リスクが上がると思います。
りんご型肥満でおなかが炎症
でも、BMIや体重だけでは判断できないと思います。
私の個人的な解釈ですが、肥満というより、筋肉が脂肪に置き換わった場合が危険だと思います。
体重・BMIより筋肉量が大事
ずっと同じ姿勢でいるのは不自然なこと?
いかがですか。上の研究の「加速度センサーでのカウント」というのがわかりにくいですね。
要するに、1時間に2分間、歩くか、ちょっと早歩きしなさいと理解すればいいと思います。
個人差はありますが、2分間歩くまたは早歩きで7-9kcalぐらい消費する運動です。
職場でのデスクワークなどで、ずっと座っていると、伸びをしたくなったり、トイレに立ったり、無意識にしていると思います。
これは、同じ姿勢でいることに体が警告を出しているのでは?と個人的には思っています。
エコノミークラス症候群はご存じでしょう。
長時間座っていると、下半身(脚)の静脈に血の塊が出来やすくなって、この血の塊が肺に飛んで肺の血管を塞いでしまい、呼吸困難になったりするのがエコノミークラス症候群です。
私たちの体は、下肢(特にふくらはぎ)の筋肉が動くことで、下肢の静脈が押されて、血液が心臓に還っていくのを助けています。
(ミルキングアクション、筋ポンプ作用とも言います)。
血液の循環はとても大切です。
特に、重力で下に下がった静脈の血を心臓に還すことが重要なのです。
心臓は血液を送り出すポンプですが、吸い上げる機能は弱いのです。
血液の循環から考えても、ずっと同じ姿勢でいるのは1時間が限度で、それを超えそうなら、最低2分歩くことが必要ということですね。
職場の上司の方にも教えてあげてください。
死亡の原因は肥満よりも運動不足が多い
つぎは、ヨーロッパで行われた観察研究です。Physical activity and all-cause mortality across levels of overall and abdominal adiposity in European men and women: the European Prospective Investigation into Cancer and Nutrition Study (EPIC)
【研究参加者】
33万4,000人の男女のデータを集めた。
平均12年の観察期間中、参加者は身長、体重、胴囲を測定し、身体活動レベルを自己申告してもらった。
観察期間中の死亡リスクと、身体活動のレベルとの関係を分析した。
【結果】
●参加者の約4分の1(22.7%)が座りがちな職業で、レクリエーションもしない、“非活動的”に分類された。
●“非活動的”な人のグループと全く運動しないわけではないが軽い運動はする“ある程度非活動的”な人のグループでの死亡リスクをを比較した結果に大きな差があった。
●これらの結果から、1日に90~110カロリーを消費する運動(1日20分ぐらいの早歩き)により、死亡リスクを16~30%低減できると研究者たちは推定した。
●さらに、研究者たちははヨーロッパでの死亡に関する最新データを分析して、ヨーロッパでの男女の死亡920万件のうち、33万7,000件は肥満によるものと推定し、この約2倍(67万6,000件)が、運動不足によるものと推定した。
筋肉がないことが危険?
いかがですか?肥満と健康についての数多くの研究の中には、ちょっと太り気味の人のほうが、死亡リスクが低いというものが結構あります。
肥満も程度の問題で、明らかなリンゴ型肥満で慢性的に炎症が起こってしまっていると死亡リスクが上がると思います。
りんご型肥満でおなかが炎症
でも、BMIや体重だけでは判断できないと思います。
私の個人的な解釈ですが、肥満というより、筋肉が脂肪に置き換わった場合が危険だと思います。
体重・BMIより筋肉量が大事
ですので、運動不足のひとの死亡が多かったのっではないでしょうか?
この研究者たちの推定が正しければ、痩せていても、筋肉がない人はリスクが高いはずです。
筋肉量と死亡リスクについての研究を行えばよいと思います。
定期的に運動すれば、筋肉が落ちてしまうことはありません。
筋肉は脚から落ちる
始めの研究では1時間に2分運動するだけでも、死亡リスクが下がるとしていました。
1日16時間活動(起きて)いるとして、2分間を15回、1日当たり30分の軽い運動=歩行か早歩きとなります。
2つ目の研究での、1日に90~110カロリーを消費する運動(1日20分ぐらいの早歩き)とだいたい同じぐらいの運動量です。
この2つの研究は全く関係がありませんが、死亡リスクを減らすのに必要な最低限の運動量がだいたい一致しているのが興味深いですね。
筋肉は脚から落ちる
始めの研究では1時間に2分運動するだけでも、死亡リスクが下がるとしていました。
1日16時間活動(起きて)いるとして、2分間を15回、1日当たり30分の軽い運動=歩行か早歩きとなります。
2つ目の研究での、1日に90~110カロリーを消費する運動(1日20分ぐらいの早歩き)とだいたい同じぐらいの運動量です。
この2つの研究は全く関係がありませんが、死亡リスクを減らすのに必要な最低限の運動量がだいたい一致しているのが興味深いですね。
2つの研究から運動と、筋肉を保つことが大切だとわかりますね。
運動・ミトコンドリア・筋肉 についてはこちらもどうぞ
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筋肉は脚から落ちる
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