2004年の消費動向調査96.5%でしたので、現在ではほぼ100%といえるのではないでしょうか。
こんなに普及している電子レンジですが、webなどでは有害説も見かけますね。
普段、使うものですので、調べてみました。
まず、電子レンジの加熱の原理を知っておきましょう。
1秒間に約24億5千万回のサイクルの電磁波とは、大雑把に言えば、エネルギーの向かう方向が1秒間に12億2千5百万回ずつ入れ変わってやってくるということです。
図では模式的に赤い矢印と青い矢印で表しています。
ここでは、水(H2O)の分子にマイクロ波のエネルギーが伝わり、下方向に押されたり、上方向に押し上げられたりしている様子を模式図と動画にしています。
実際には水分子は振動(方向を細かに変えた回転)をしています。
イメージとしてはこの動画をものすごい早送りで再生する感じでしょうか。
このように食品中の水のような分子構造を持つ分子(双極分子)は、マイクロ波を受けて1秒間に約24億5千万回のサイクルで上下や左右などいろいろな方向に周期的に揺れることになり、この動きが熱となり、加熱するという仕組みです。
つまり食品中の水分と、水と似た分子構造の成分が加熱されて、その周りの成分も温められているということです。
電子レンジで食品を加熱すると、加熱むらが起きることがあります。
これは、食品中の水分に偏りがある場合に起こります。
ごはんなど水分が均一にある場合の調理や加熱は問題ないのですが、水分の少ない固形食品などで起きることがあります。
また、塩味などの味がついた食材や食品は周りから温められる傾向が強くなるので、内側が温められないこともあります。
また、電子レンジは内側(中)から温められると言われることがありますが、これは間違いです。
中から温めるのではなくマイクロ波を吸収しやすいところから温まります。
塩味がついた食品はまず外側の食塩水を含んだ部分にマイクロ波が集まってしまうのです。
電子レンジでの調理に向いているのは、野菜のような水分を均一に含んでいる食材や、塩味のついてない鶏肉の下ごしらえなどでしょう。
また、電子レンジのマイクロ波の波長は、衛星デジタル放送や無線LANと同じ波長帯で、紫外線やX線などのごく短い波長ではないので、分子が大きく強固な固体を通過することはできません。
陶器や耐熱ガラスが温められないのは、陶器の分子構造が大きくて強固なため、マイクロ波を当てても分子が振動しないためです。
コーヒーカップに飲み物を入れて、チン!しても、カップの取っ手は熱くならないのには、こういう理由があったのですね。
カップの本体は、加熱された飲み物に温められて熱くなるのです。
陶器自体がマイクロ波で温められることはありません。
参考図書:肥後温子著 『新版 電子レンジ「こつ」の科学』 柴田書店 2005年
⇒電子レンジの安全性についてはこちらを。
0 件のコメント:
コメントを投稿