いきいき!エバーグリーンラブ: 圧力鍋では味がしみない?

2014年8月15日金曜日

圧力鍋では味がしみない?

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圧力鍋の原理は単純です。
鍋を密封して、加熱することで、鍋内部の圧力と温度とを上げて、短時間に調理します。

密閉しない普通のお鍋で、煮物やスープなど水で調理する料理(揚げ物など油脂で調理する場合は別)では、鍋の中の温度は100℃以上にはなりません。
なぜなら水は100℃で沸騰してしまうからです。

でも、圧力を上げると、水の沸騰する温度が100℃より高くなります。
逆に圧力が下がると水の沸騰する温度は100℃より低くなります。
ちなみにエベレスト山頂では70℃ぐらいで水が沸騰します。

圧力鍋の種類にもよりますが、2気圧を加圧する鍋では120℃ぐらいになります。

ご参考までに、1気圧とは標準的な海面の大気圧で、天気予報で使われる1000ヘクトパスカルとほぼ同じ値です。
2気圧というのはその2倍ですから、かなり高いといえますね。


ここまでは、よくある圧力鍋の説明です。

みなさん、「圧力鍋を使うと早く柔らかくなるけれど、味がしみ込まない」という問題を感じていませんか?
今回は、この問題の原因と解決方法を説明します。

まずは、煮ると柔らかくなるのはなぜかを考えてみましょう。


高温・高圧で柔らかくなる

鍋の中は高温です。
これは、圧力鍋も普通の鍋もいっしょ。
高温にすることで、食材を柔らかく調理できるのです。

例えば、穀物、野菜、根菜、芋などの植物性の食品は、植物細胞でできているので、細胞の一番外側が細胞壁という固い壁に覆われています(下の絵参照)。
その下に、さらに細胞膜という膜もあって、二重に細胞の中を保護しています。


醤油を加えた水に大根が入っているとしましょう。
このままおいておいても、細胞壁に阻まれて醤油の味の成分は大根の細胞にしみません。

味の成分を大根の中に入れるにはどうすればいいか。
細胞壁や細胞膜を壊せばいい。
そう、これらを壊してはじめて、味がしみ込んでいくのです。
調理のファーストステップは、この細胞壁と細胞膜を熱で破壊することです。


動物の細胞の一番外側は細胞膜で、細胞壁はありません。
肉や魚が比較的短時間の加熱で済むのに対して、豆や根菜などの調理に時間がかかるのはこのためです。

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動物の細胞 植物の細胞
圧力鍋は、高温に加えて高圧で調理できるので、細胞壁と細胞膜を短時間で破壊できます。
大根や大豆のように固い細胞壁をもっているものでも、壊すことができます。
これが、普通の鍋に比べて早く調理できる理由です。




味がしみ込むには時間が必要


さて、細胞壁や細胞膜が壊れて、食材に味がしみ込む準備が整いました。

実は、ここからは先は、圧力鍋を使ったからといって急がせることができません。
「拡散」という、物理法則に任せることになります。
拡散とは、濃度の濃いところと、薄いところがある場合にそれを一定にしようとする物理法則です。


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煮物と細胞壁・細胞膜



大根をモデルにシミュレーションした研究者がいます。

厚さ2cmの大根の輪切りを煮た後に放置すると、真中まで味がしみ込むのに約10時間かかります。
98℃で煮続けると、真中まで味の成分がしみこむ時間は3時間に短縮される計算になります。

伊藤章 「煮物は冷めるときに味がしみるというのはなぜ-伝熱と拡散のはなし-」 化学工学,Vol. 73, No. 2, 98 (2009)


いずれにしても、10分や20分では無理みたいですね。

細胞壁や細胞膜を壊すところまでは科学の力で時間を短縮できますが、味をしみ込ませるのは自然の法則に任せるしかないようです。

ちなみに、煮込み続けることで多少なりともしみ込む時間が短縮されるのは、熱が加わることで味の成分を大根にしみ込ませる拡散の力(拡散係数)が上がるためです。


圧力鍋を上手に使うには


圧力鍋では、普通の鍋より早く、強力に、細胞壁を壊してしみこむ準備をするという下ごしらえができることがわかりました。

また、圧力鍋でも普通の鍋でも味がしみこむには同じように時間がかかることもわかりました。

冷めていくことで味がしみ込むわけではなくて、「拡散」という物理法則に従ってしみ込んでいるということですね。

ごく大雑把にいって、しみ込もうとする食材の体積が大きいほど、しみ込むのに時間がかかります。


実際の食卓を見てみましょう。

圧力鍋で大根の煮物を10分加熱して、5分放置して食べるのにちょうどよい温度に下がった状態で、お皿に盛りつけたとします。
これでは、煮物に味がしみ込んでいませんね。

1.加圧して高温で短時間で細胞壁や細胞膜を破壊して、味がしみ込む準備ができ

2.時間がたって、冷めはじめて、味がしみ込み始めた時に

提供してしまっているわけです。

圧力鍋の特徴は、味のしみ込む準備が早くできること

のようです。

圧力鍋で調理しても、味が早くしみ込むことはないと言えそうです。

ですから、圧力鍋であっても、煮物などの味をしみ込ませたい場合は、そのまま放置して、翌日に食べればよいようです。
普通のお鍋で作ったカレーを明くる日においしく食べるのと同じことです。


でも、どうしても、味のしみた大根の煮物を少しでも早く食べたい場合は、どうすればよいでしょう。
料理のプロに教わったやり方をお話しします。
圧力鍋を大根の下ゆでに使うのです。

圧力鍋で大根を10分ほど加熱・加圧して、細胞壁と細胞膜を破壊してから、いったん鍋を冷やして(安全にふたを開けるため)、中の大根を取り出し、冷水につけます。
大根の熱で冷水が温まったら、その水は捨てて、新しい水に取り替えます。
この時十分に時間をかけて何度も水を取り替えることが大切です。

時間がたって十分冷えてから、だし汁に入れて、沸騰させず、ことこと煮るのがよいようです。
ちなみに沸騰させてしまうと、大根の中の水が煮汁に吸い寄せられてしまいます。
圧力鍋のふたは外して煮てください。

なぜ、大根を冷水につけるとよいのか?
それは、細胞壁と細胞膜が壊れた大根の細胞の中の液(細胞液)が、これも拡散の法則に従って、冷水に出ていきます。
大根の細胞の中の濃度のほうが冷水の濃度より高いからです。
水を取り替えると大根と冷水の濃度の差が維持され、大根から冷水への拡散が保たれるので、より効果的なようです。

すると、細胞の中には冷水が入り、濃度が薄くなります。

それを、煮汁に入れて煮れば、また、濃度の濃い煮汁から拡散によって煮汁の中の味の成分が大根に入っていくというわけです。


ここまで読んで、「そうしたら、大根の持っていた成分が抜けてしまうのでは?」と思った方もいると思います。
おっしゃるとおり。
確かに、大根の成分の中で小さいものは抜けてしまいます。
でも、大根は辛いしあくがありますね。
そういった、必要のない成分が抜けて、代わりに煮汁の味がしみ込んでおいしくなるのでしょう。

つまり、この方法は、プロの料理人が経験をもとに編み出した“大根”の煮方。
どんな食材も同じ方法が通用するわけではなさそうです。

美味しく料理を作るには、どうしても手間暇がかかるということですね。


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