いきいき!エバーグリーンラブ

2017年4月18日火曜日

レシピ*ヨーグルト・アーモンド

身体によいと言われるナッツ。
低糖質で、ビタミンもミネラルも豊富。
口淋しいときにスナック菓子の代わりに食べるのに最適です。

とはいっても、いつも同じ味では飽きてしまうので、アレンジしてみました。

混ぜて冷やすだけ。
甘酸っぱくて美味しいです。

【材料】
  • ヨーグルト(無糖) 100g
  • エリスリトール   30g
  • アーモンド     60g

【作り方】
1.ヨーグルトにエリスリトールを混ぜる 
2.1にアーモンドを加えて混ぜる
3.冷蔵庫で2~3日冷やす
     ここで食べてもおいしいですが、さらに
    4.平らな容器に並べて、蓋をしないで、冷蔵庫で1日乾燥させる
     と、ヨーグルトが濃縮されて、よりおいしくいただけます。


    ヨーグルトは、ここではR1で作った自家製のものを使っていますが、何でも良いです。
    低糖質にこだわりがなければ、加糖のヨーグルトでもOKです。
    加えるエリスリトールの量は、少し甘めに調整してください。

    エリスリトールの代わりに砂糖を使う場合は、同量で大丈夫です。

    アーモンドは無塩のものを使っていますが、加塩のアーモンドでも問題ありません。

    冷蔵庫で冷やすうちに、アーモンドがヨーグルトの水分を吸収して少し柔らかくなります。

    アーモンドでビタミン補給

    アーモンドやクルミ、ゴマなどの植物の種子は他の食材にみられないほど、たくさんのビタミンEを含んでいます。

    ビタミンEといえば、抗酸化作用が有名ですね。
    植物は、常に紫外線にさらされているので、自分自身で抗酸化作用を持つ物質をたくさん作って蓄えているのでしょう。

    ビタミンEは油に溶けやすい性質を持っているので、細胞膜に入って、細胞膜の構成成分のEPAやDHAやアラキドン酸などの不飽和脂肪酸を酸化から守ってくれます。

    シミや動脈硬化に効くと言われるのは、この抗酸化作用によります。
    その他、更年期症状や自律神経失調症、関節痛、頭痛、腰痛などにも効果が認められています。

    ビタミンEはサプリメントでも売られています。
    でも、合成されたビタミンEは、抗酸化作用を持つために簡単に酸化されてしまうという性質を抑えるために安定化されている(ビタミンEがすでに酸化されている=抗酸化作用がなくなっている)商品が多いようです。

    ビタミンは、偏って摂るとかえって有害なこともあるので、バランスを考え、なるべく食品から摂りたいものです。
    ナッツ類は理想的なビタミン供給食品ですね。
    いろいろな健康関連の疫学調査で、ナッツの消費量が多い人々が健康であるというデータが出ている理由が納得できます。





    2017年4月16日日曜日

    ホルモンの非常事態が更年期症状に!

    女性ホルモンとホルモン補充療法(HRT)について、何回かお話してきました。

    今回は、更年期のエストラジオールの分泌の変化をもう少し詳しく示しながら、更年期症状との関係について考えます。



    女性の人生は女性ホルモン次第
    更年期を過ぎても元気な秘訣
    精巧!女性ホルモン調節システム
    女性ホルモンはこうして作られる

    エストラジオール についておさらい

    女性ホルモンには、プロゲステロンとエストロゲンがあり、エストロゲンにはエストラジオール、エストロン、エストリオールなどがあります。

    プロゲステロンが子宮、卵巣、乳腺などの生殖に関する器官に主に作用するのに対し、エストロゲンは子宮、卵巣、乳腺のほか、骨、筋肉、骨髄、脳、血管、大腸、(男性では前立腺、精巣)など、全身に作用しています。
    エストロゲンの中で最も活性が高く、分泌量も多いのはエストラジオールですので、通常、エストラジオールの血中濃度が指標として使われます。

    エストラジオールは、卵巣から大量に分泌されます。
    血液中に分泌されるエストラジオールのほとんどは卵巣で作られたものです。
    脂肪細胞で作られたエストラジオールも血液中に分泌されますが、ほんの少しです。
    卵巣機能のなくなった60歳以降に分泌されるエストラジオールは、脂肪細胞で作られたものです。

    エストラジオール分泌のシステム

    エストラジオールの生合成に必要な酵素は
    卵胞の莢膜細胞と顆粒膜細胞の両方にまたがって存在しているため、
    生合成過程で莢膜細胞から顆粒膜細胞へ移動して作られる。
    まず、莢膜細胞の細胞膜のコレステロールを原料に、
    主に莢膜細胞に発現するLH受容体にLHが作用することで活性化される酵素の働きで
    プログネノロン、プロゲステロンを経てアンドロステンジオンが作られる。
    アンドロステンジオンは顆粒膜細胞に移動してテストステロンを経て、
    アロマターゼの働きでエストラジオールとなる。
    アロマターゼは顆粒膜細胞でFSHの刺激により活性化する。
    顆粒膜細胞から分泌されたエストラジオールは、
    視床下部と下垂体の両方に抑制的に働くと同時に
    顆粒膜細胞のエストロゲン受容体に働いてFSH受容体を増やす。 
    FSH顆粒膜細胞のFSH受容体に作用して、
    下垂体のFSH産生を抑制するインヒビンを産生する

    FSHは卵巣でエストラジオールを分泌させる


    卵巣が元気なときの、卵巣の卵胞(卵子を作る袋)の細胞からのエストラジオールの分泌の様子を見てみましょう。

    卵巣(正確には卵巣にある卵胞の顆粒膜細胞)からのエストラジオールの分泌は、卵胞刺激ホルモン(FSH)の指令で調整されています。
    FSHは、更年期にキーになるホルモンですので、覚えておいてください。

    FSHは卵胞の顆粒膜細胞にあるFSH受容体に働いて、アロマターゼという酵素を活性化することで、テストステロンをエストラジオールに変換させ、分泌させます。

    卵巣から分泌されたエストラジオールは主に子宮に働きますが、血液中にも分泌して、血液を介して脳に働きかけ、自分自身(エストラジオール)の分泌を抑えるように指令を出します。


    このように、ホルモンが”たくさん分泌されたら減らすように働く”作用は大切なので、詳しく見てみましょう。



    エストラジオールは、脳の2か所に作用してFSHを低下させる

    FSHは脳の下垂体から分泌されます。
    このFSHの分泌は、脳の視床下部から分泌される卵胞刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)の指令で行われます。

    血液中のエストラジオールの濃度が高くなるとGnRHからのFSH分泌の指令が出なくなって、FSHの分泌は低下します。

    エストラジオールには、下垂体に直接働いてFSHの分泌を抑える働きもあります。


    以上のように、”多くなりすぎると減らす方向”に働き、”少なくなりすぎたら増やす方向”に働くことをネガティブフィードバックといいます。

    多くのホルモンは、ネガティブフィードバックにより、自分自身の血中濃度が一定になるよコントロールしています。

    エストラジオールがFSHの分泌を促進させる場合がある

    ところが、エストラジオールには、ネガティブフィードバックとは違ったふるまいをする場合があります。

    ”そのホルモンの濃度がより高まることで他のホルモンの分泌を高める方向”に働くポジティブフィードバックと呼ばれる作用です。
    これは、特別な目的のために起こります。

    エストラジオールポジティブフィードバックの”特別な目的”・・・それは排卵です。
    排卵は、生物にとって重要なイベントなのです。

    卵胞が成熟していってエストラジオールの血中濃度が一定以上になる(200~300pg/mL以上が2~3日続く)と、下垂体に働いてLH(黄体化ホルモン、黄体形成ホルモン)を一気に分泌させます。

    これをLHサージといいます。
    LHサージが起こると36時間以内に、卵巣の卵胞から排卵が起こります。
    LHサージではFSHも分泌されますが、必ずしも排卵に必要というわけではないようです。

    排卵後、卵胞は黄体に変化して、主にプロゲステロンを分泌するようになります。
    排卵した卵子が受精しなければ(つまり、妊娠が成立しなければ)、この黄体は消滅します。
    そして、FSHの分泌が低下して、新しい卵胞からエストラジオールの分泌が始まり、月経周期が繰り返されます。

    女性ホルモン分泌の精巧なシステムは種(しゅ)を残すためのもの

    女性・・・雌が子どもを産むことが種(しゅ)が生き残ることの基本ですから、女性ホルモンの最大の目的は排卵を起こし、卵子を育てることにあります。
    そのために、このように複雑で精巧なシステムが進化してきたのですね。

    このシステムは、生物にとってはたいへん優秀なのですが、私たち人間の女性には大きな問題を生み出しています。
    大きな問題・・・それは、このシステムが生殖年齢を過ぎた後の身体を守ることには何の配慮もされていないために、更年期以降に様々な支障をきたす、というものです。

    では、更年期以降にホルモンがどうなっていくかを見てみましょう。

    更年期とエストラジオールの分泌の変化

    加齢により卵巣機能が低下すると・・・

    卵巣の機能低下によるエストロゲンの低下、HRTホルモン補充療法 更年期障害更年期(45歳~55歳くらい)を過ぎ、卵巣機能が働かなくなるとどうなるのでしょうか。

    エストラジオールが大量に分泌されることはないので、LHサージは起こりません。
    したがって、排卵は起こらず、妊娠することはありません。

    卵巣からのエストラジオールの分泌がないとFSHの分泌を抑える指令が出ないので、FSHは分泌し続けます。

    更年期以降にも、エストラジオールは、脂肪細胞からごく少量分泌されていますが、FSHを抑えるほどの作用は示しません。

    FSHはいくらたくさん分泌しても、FSHの受容体を持つ卵巣の細胞が機能していないので、FSHはどこにも働きません。

    更年期はどうかというと・・・

    では、更年期にはどうなっているのでしょう。
    かなり個人差がありますが、一般的に次のように考えられています。

    エストラジオールの濃度が低下すると、FSHを抑える指令が出ないので、FSHの分泌が亢進します。
    ここまでは、更年期過ぎの場合と一緒です。

    更年期には、まだ、エストラジオールを分泌する機能が卵巣にいくらか残っているので、FSHの濃度がとても高くなると、エストラジオールが一時的に大量に作られます。

    しかし、卵巣の機能は衰えているので、すぐに力尽きてエストラジオールはまた非常な低値に戻ります。
    それに反応してFSHが上がってくると、また一時的に大量に分泌する・・・ということを繰り返します。

    この分泌の間隔や量は一定ではありません。
     
    右の図に、エストラジオールの分泌の乱高下のイメージを示しました。

    月経周期は不規則になり、間隔が長くなったり短くなったり、出血が増えたり減ったりします。
    迷惑な話ですが、身体にとって本当に 迷惑なことは、もっと目に見えにくいところで進みます。

    エストラジオールの分泌の乱高下で、これまでエストラジオールによって守られてい様々な器官が悲鳴を上げます。
    そして、ほてりや、めまい、発汗、不眠、憂鬱、関節の痛み、疲労感など、様々な症状が現れます。
    これが更年期症状です。

    更年期症状は、卵巣の機能がいよいよ衰えて、エストラジオールの乱高下すらできなくなると治まります。

    しかし、更年期症状に悩まされることはなくなったあとも、エストラジオール不足は続きます。
    エストラジオール不足の影響は血管や骨、神経系など全身に及び、徐々に体を蝕みます。
    そして、あるとき突然、骨が折れたり、脳梗塞が起きたり、認知症が現れたりすることになります。

    更年期の指標にはFSHが有用

    更年期障害の診断には、自覚症状のほかに血液検査でエストラジオールFSHが測定されます。

    それぞれの基準値は、
      HRT ホルモン補充療法 更年期障害 
    • エストラジオール:6 ~ 37pg/mL(更年期以前に比べて低値)
    • FSH:157.79以下(更年期以前に比べて高値)
    ただし、更年期にはエストラジオールの血中濃度は乱高下することから、エストラジオールの値だけで判断することはできません。

    一方、FSHはいったん分泌されると代謝されるまでの時間が長くかかり、多くの場合、継続して高値を示します。

    そのために、更年期かどうかを判断する際には、女性ホルモンであるエストラジオールよりFSHの値の方がより参考になります。

    ホルモン補充療法(HRT)で解決できること・できないこと

    エストロゲン(場合によってプロゲステロンも)を補う治療法をホルモン補充療法(HRT)といいます。
    更年期にHRTを行えば、更年期症状は改善します。
    更年期が過ぎればHRTなしでも、多くの場合、更年期症状は治まるので、更年期の間だけHRTが勧められる場合が多いようです。

    しかし、深刻な病態にならないようにするには、更年期が過ぎてもHRTを継続したほうがよいと思われます。

    ただし、HRTで必ずすべてが解決するわけではありません。
    ヒトの身体は、とても複雑にできています。
    卵巣のエストラジオールの分泌が、非常にたくさんのホルモンや酵素によってコントロールされていることからも想像できますね。

    ホルモンの分泌の仕方も一律ではなく、FSHLHの分泌を促すGnRHは、律動的に、規則的な振幅で分泌していることがわかっています。
    これは、薬でホルモンを補ってもまねできません。

    とはいえ、やはり、HRTはデメリットよりメリットの方がはるかに多いと考えられます。
    更年期以降も、年齢やHRTに対する反応に応じてエストロゲンの種類を変えるなどして、継続することが大切だと思います。
    エストロゲンやFSHの血中濃度を定期的に測定しながら、副作用にも注意してHRTを長期的に行うことをお勧めします。

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    2017年4月9日日曜日

    夜に炭水化物を食べないほうが良い

    仕事や家事や子育てで忙しい毎日、皆様お疲れ様です。

    帰宅が遅くなったり、つい外食や買い食いが多くなったりして、夕食の時間が遅くなっていませんか?

    夕食は、遅くとも寝る前の3-4時間前ぐらいまでに済ませることが理想だと言われますね。
    12時に就寝するとして、8時頃までに夕食を済ますということですね。
    これが体に良いのには理由があります。
    理由についてはこの記事の終わりに書きますね。

    さて、今日は、先ず、やっぱり夜に食事、特に糖質などの炭水化物を摂ると、血糖値を上げてしまうことを示した研究を紹介してから、夕食の上手な摂り方を研究してみましょう。

    特に、糖尿病予備軍や糖尿病の人たちは要注目です。

    夜に炭水化物を取ると血糖値が上がる

    Katharina Kessler. et al. The effect of diurnal distribution of carbohydrates and fat on glycaemic control in humans: a randomized controlled trial.Scientific Reports 7, Article number: 44170 (2017)

    Men with impaired glucose metabolism should avoid high-carbohydrate foods in the evening

    【研究の参加者】
    • 29人の男性(平均年齢:約46歳)
    • 平均BMIは27(平均的な体格~肥満気味の人までが参加したことになる)
    • 参加者のうち11人は、調査開始時点に耐糖能異常(糖尿病予備群)で、他の18人は正常だった。
    【研究の方法】
    • 29人をグループA14人とグループB15人に分けた。
    • グループAにX食、グループBにY食を4週間食べてもらい、4週間の期間(ウォッシュアウト期間)をおいてから、X食Y食を入れ替えてさらに4週間食べてもらった。
    (X食)高炭水化物食を朝~昼頃に食べ、高脂肪食を夕方~夜に食べる
    (Y食)高脂肪食を朝~昼頃に食べ、高炭水化物食を夕方~夜に食べる
    • 参加者の炭水化物と脂質の代謝と各種のホルモン分泌、体重、BMIを測定して、それぞれを比較した。


    【研究の結果】
    • 血糖値を比較した結果、夜に高炭水化物食を摂るY食摂取後の血糖値は、夜に高脂肪食を摂るX食摂取後の血糖値に比べ、平均7.9%高かった。
    • この傾向は耐糖能異常(糖尿病予備軍)でより明らかだった。
    • 糖質の代謝に必要な消化管ホルモンであるグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)と、食欲を抑制する消化管ホルモンのペプチドYY(PYY)の分泌低下も、夜に高炭水化物食を摂るY食摂取を摂取した耐糖能異常(糖尿病予備軍)でより明らかだった。

    【研究から考えられること】
    • 耐糖能異常(糖尿病予備軍)の人は、夕方以降の高炭水化物食は避けるべきである。
    • 通常の生活リズム(体内時計、概日リズム)ではGLP-1ペプチドYYなどのホルモンは食後の必要時にきちんと分泌されるが、夕方~夜に食事をした場合には分泌が低下する傾向にあった。
    • 特に耐糖能異常(糖尿病予備軍)の群ではGLP-1ペプチドYYなどのホルモンの分泌が低下していたことから、耐糖能異常(糖尿病予備軍)の人は、夜に食べるなどの不規則な生活を修正すべきである。
    とコメントしている。

    いかがですか。

    夕方以降の炭水化物摂取は、糖の代謝に負担をかけるようです。
    特に、耐糖能異常(糖尿病予備軍)の人は夕食以降は糖質を控えるべきですね。

    この研究で、寝る前の食事や、夜食、お酒の締めの麺類やお茶漬けなどの食事は、高血糖や肥満の元である理由が明らかになったようです。

    寝ている間に働く”モチリン ”の邪魔をしない食生活を!

    実はこれ以外にも、就寝前まで時間を空けずに食事をすることのリスクを説明するホルモンがあります。

    モチリンという消化管ホルモンです。
    モチリンは小腸の細胞から睡眠中に多く分泌され、寝ている間や食事の合間に胃や小腸に残っている食物などを大腸へ運ぶ蠕動運動を促します(空腹期伝播性強収縮と呼びます)。
    また、モチリンは胃液(ペプシン)や膵液(アミラーゼなど)といった消化酵素の分泌も促します。

    つまり寝ているときの消化と翌日の排便に備えて、消化管内を片づけて掃除する役目のホルモンと言えます。

    こんな大切な役目を持つモチリンですが、モチリン空腹でないと働きません

    寝るときに満腹でモチリン寝ているときに働けないのです。
    胃や小腸に食物がたくさん入っている状態で、モチリンが働いてしまい、内容物をどんどん大腸に送ってしまったら、かえって消化・吸収を妨げることになるからです。

    つまりある程度、消化管の中が空いてきてから、モチリン掃除を始めるわけです。
    モチリンに働いてもらうには、最後に食事をしてからある程度消化吸収が済むまでの時間が必要ということです。
    夜遅く食事すると翌朝食欲がなくなる理由がわかりますね。

    前夜のお酒で翌朝食欲がないのも、二日酔いのせいだけでなく、就寝間際の締めの食事のためにモチリンが作用しなかったからかもしれません。

    そうは言っても・・・という方の対策

    血糖値を上げず、朝から快食・快便の快適な生活を始めるためには、少なくとも夜の炭水化物(糖質)と満腹は避けるべきなことが理解できます。

    「日中は仕事があるから空腹はつらいし、時間がないから外食せざるを得ないし、 朝食と昼食は炭水化物(糖質)を止められない。晩ご飯を早めに食べるのも難しい」という方、晩ご飯だけは炭水化物(糖質)をカットして量を減らしてみてはいかがでしょうか?

    夜遅くコンビニでお弁当を買って帰る際には、おにぎりやカップラーメン、パンはやめて、たんぱく質が多めのおかずを選ぶことをお勧めします。
    お弁当を買ったときには、思い切ってご飯(お米)は残しましょう。
    「もったいない」と思ってしまう方は、〇年後の糖尿病食を想像すると思いきれるかもしれません。

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    空腹感を抑える食べ方
    糖をためる仕組み、脂肪を消費する仕組み
    主食の罠
    たくさん動いていれば何を食べてもOK
    夜に炭水化物を食べないほうが良い

    2017年3月24日金曜日

    老化を遅らせる運動法は?

    例えば、傷の治りが遅くなるとか、打ち身の痛みや、寝違え、捻挫、筋肉痛など、年とともに、治りが遅くなることを感じたことはありませんか?

    モチロン若い方は想像もできないでしょうが、アラフォーを過ぎたあたりからこのことを感じている方は多いはずです。

    ヒトだけでなくすべての生物(真核生物)は老化と死はプログラムされていて避けられないのですが、それを遅らせることはできます。

    ヒトの場合の唯一の方法は、
    本来の体の機能を十分に引き出すこと
    つまり、運動することです。


    では、どうして運動が老化を遅らせることができるのでしょうか。
    そして、老化を遅らせるための運動はどうやって行えばよいのでしょうか?
    このブログをお読みの方はお察しがつくでしょう。
    キーワードはミトちゃんです。
    ミトコンドリアの数で若さが決まる

    今日はそのヒントになる研究を紹介して、老化に対抗する運動法と、老化にブレーキを掛ける仕組みについてみてみましょう。

    運動によるタンパク質生合成の向上で、加齢に伴う身体・代謝の変化へ対応できる

    Matthew M. Robinson et.al. Enhanced Protein Translation Underlies Improved Metabolic and Physical Adaptations to Different Exercise Training Modes in Young and Old Humans.Cell Metab. 2017 Mar 7;25(3):581-592. 

    How exercise -- interval training in particular -- helps your mitochondria stave off old age

    【研究の参加者】
    18~30歳の若年者群と、65~80歳の高齢者群それぞれ36名(男女)

    【研究の方法】
    上記の若年者群と高齢者群に
    1. 高強度インターバルトレーニング(自転車マシーン)
    2. 筋力トレーニング
    3. 高強度インターバルトレーニング+筋力トレーニング
    をそれぞれ行ってもらい、参加者の大腿筋群から細胞のサンプルを取って、
    • 細胞内での小器官の働き
    • 筋肉量
    • インスリン感受性(低下により糖尿病リスクとなる)
    について測定し、それぞれの運動との関連を調べた。

    【研究の結果】
    • 筋力トレーニングはどちらの群でも筋肉量を増加させた
    • 高強度インターバルトレーニングは、若年者群ではミトコンドリアの能力を49%増加させ、高齢者群では69%も増加した
    • 高強度インターバルトレーニングではこれらの効果に加えて、インスリン感受性を改善した
    • 高強度インターバルトレーニングは加齢に伴う筋肉量低下はあまり改善させなかった

    【研究から考えられること】
    • 老化を遅らせるためには、週当たり3~4回の高強度インターバルトレーニングと、筋力トレーニングを組み合わせることがよいと考えられた。
    • 仮に、忙しいので1つの運動パターンを選択しなくてはならないとすれば、高強度インターバルトレーニングはお勧めだが、それだけでは、筋肉量低下は防げそうもない。
    • しかし、全く運動しないよりははるかにましであろう、と研究者らはコメントしている。

    いかがでしょうか。
    研究者らはこの論文で、
    老化に対抗していくには、どのような運動が良いか
    だけでなく、
    この研究によって、運動が細胞内の器官の機能を向上させる仕組みがいくつか明らかになった 
    ことを強調しています。

    具体的には、
    自転車マシーンによる高強度インターバルトレーニング(有酸素運動)では、ミトコンドリアが独自に持つミトコンドリア遺伝子からのRNAの複製が増加し、ミトコンドリアタンパク質*ができて、老化に伴うミトコンドリア機能低下が抑えられ、さらには改善さえして、筋力増強に有用なタンパク質の生合成も増加していた
    ことが示されました。

    老化防止の鍵はミトコンドリア にある

    この研究では、高強度インターバルトレーニング(有酸素運動)で、ミトコンドリアの機能と質が改善し、タンパク質生合成の能力が向上したということは、細胞の小器官としてタンパク質の製造工場を務めるリボソームの若返りを促したものと考えられる、としています。

    *ミトコンドリアタンパク質とは
    ミトコンドリアタンパク質のうち約21%は、ミトコンドリアが総ての細胞や細胞内小器官のエネルギーであるATPを作るために必要な、ミトコンドリア内膜にある電子伝達系(図)と呼ばれるところにあるタンパク質(酵素)のセットに使われています。
    ミトコンドリア, アンチエイジング, 運動, 運動習慣, 運動不足, 筋トレ, 筋肉, 高齢者, 有酸素運動, 老化, ATP, 電子伝達系,
    ミトコンドリアは外膜と内膜で囲まれ、内膜には電子伝達系という5つの酵素のセットがある。ミトコンドリア内では、食物から得られた化合物から水素イオンと電子を取り出す。水素イオンは内膜を通じて大半が汲み出され、電子は電子伝達系で受け渡されて、最終的に、これも取り込まれた酸素と、汲み出されなかった分の水素イオンとが反応して水ができる。その時にできる外膜-内膜のすき間と内膜内の水素イオンの数の差(電位差)が電気エネルギー(電荷の流れ=稲妻に相当)を生み出して、電子伝達系のタービン(電子伝達系のATP合成酵素)を回して、ATPを効率よく作る。同時に、TCA(クエン酸)回路も回して、ATPを作り、食物からの化合物の反応で二酸化炭素もできる。この一連の反応が呼吸(細胞呼吸)である。このように、ミトコンドリアの活動には酸素が不可欠である。有酸素運動がミトコンドリアを活性化させることが解る。

    この酵素セットによって、ミトコンドリア内で呼吸が行われて、エネルギーであるATPができるのです。
    このATPを受け取ったリボソームは、エネルギーとしてATPを使って、細胞に必要なタンパク質を作ることができます。
    ミトコンドリアは、体(細胞)が要求するエネルギーに見合った数の酵素セットを作って、要求に応えていると考えられます。
    その要求とはつまり運動することですね。
    運動をしない人のミトコンドリアは、わざわざ酵素セットを新たに作らないと思われます。
    ミトコンドリアの数で若さが決まる
       ミトコンドリアが酵素セットである電子伝達系を新たに作る能力が若さの秘訣
       と言えるでしょう。

    さらに、この研究者らは、
    参加者から細胞のサンプルを取った大腿筋は筋肉細胞である。
    筋肉細胞は、脳などの神経細胞や心筋細胞などと同様に、細胞分裂しにくい細胞の一種であり、再生しにくい。
    高齢者群でも運動によって、ミトコンドリアの機能が改善し、筋肉量が増えるということは、運動による筋肉の再生が観察されたということである。
    筋肉細胞と同じく、再生しにくい脳の細胞や心筋細胞の再生にも運動の効果が期待できる
    としています。

    アンチエイジングとして、食べ物や、健康食品・サプリメント、各種ダイエット法などがいろいろ宣伝されていますが、やはり運動に勝るものはありませんね。
    外からあれこれ栄養素や成分を摂ったところで、ミトコンドリアに代表される細胞の中の器官を運動で刺激して、自ら大切な体の部品(タンパク質)を作らせて補修させることに上回る効果はないということです。

    例えば、骨の構成成分のコラーゲンは筋肉と似た性質のタンパク質で出来ています。
    コラーゲンはサプリメントなどでそのままの形では外からは取りこめませんから、骨が脆くなりつつある人は、運動してその人の骨にぴったり合ったコラーゲンを、ミトコンドリアとリボソームに作ってもらうことが骨粗鬆症防止に有効ということですね。その原料となるアミノ酸で構成されるコラーゲン(ペプチド)をゼラチンなどで摂ることには、原料を補給するという意味があると考えられます。

    まとめると、健康に役立って老化を防ぐベストな運動法は、基本的には、
    高強度インターバルトレーニング(有酸素運動)+筋力トレーニング
    ですが、忙しければ、最低でも
    高強度インターバルトレーニング(有酸素運動)
    を行えば効果ありということでしょう。

    中高年や高齢者では、
    高強度インターバルトレーニング(有酸素運動)だけでは筋肉の低下を防げないので、筋力トレーニングをプラスする
    のがお勧めということですね。

    また、老化にブレーキをかけるのは、
    有酸素運動によりミトコンドリアとリボソームを活性化して、細胞の中で修復のためのタンパク質を生合成させること
    にあるようです。

    このことから、運動と合わせて、普段の食生活でも修復するタンパク質の原料となる食事由来のタンパク質(アミノ酸)の摂取も大切であることがわかります。

    サプリメントも健康食品も薬も、運動してこそ役に立つ

    逆に言えば、どんなに食事やサプリメントや健康食品で、良い栄養成分を摂っても、運動しなければ、せっかくの原料を体の修復用のタンパク質や化合物に作り変えてもらえないということになります。
    昔からよく言われる、「良好な新陳代謝」とは、運動と適正な食事の2本立てで初めて成り立つものなのですね。

    恐らく、運動せずにこれらの栄養成分をせっせと食べたり飲んだりしても、体が過剰なカロリーと判断して、脂肪としてため込むか、吸収されずに消化器に負担をかけるだけの素通りになる可能性が高いと思います。

     サプリメント健康食品が効果を発揮するには、上でお話ししたミトコンドリア電子伝達系が働く必要があります。
    「これを飲んでいればOK!」と宣伝するサプリメント健康食品???ですね。

    このことは多くの生活習慣病の薬にも当てはまると思います。
    糖尿病の薬も、高血圧治療薬も、高脂血症治療薬も、骨粗鬆症治療薬も、 運動と併用して初めて効果が出る 
    と思ったほうが良いと思います。

    運動とミトコンドリアについてはこちらの記事も読んでください。
    運動・ミトコンドリア
    ミトコンドリアの数で若さが決まる
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    2017年3月3日金曜日

    女性ホルモンはこうして作られる

    女性ホルモンが女性の健康にいかに大切かについてお話してきました。

    女性の人生は女性ホルモン次第
    更年期を過ぎても元気な秘訣
    精巧!女性ホルモン調節システム 

    ホルモンと言われてもなじみのない方が多いと思いますので、ここではホルモンとはどういうものかについて、女性ホルモンを中心にお話しします。

    基礎的な話なので、理科は苦手・・・という方は読まなくても大丈夫です。
    ホルモン補充療法(HRT)の原理を理解したい!という方は、じっくりご覧ください。

    ホルモンの構造には3種類ある

    前回、ホルモンとは、特定の器官から必要に応じて分泌されて、血流に乗って目的の器官に届けられて作用する物質だとお話ししました。
    (最近では、ホルモンが作られた細胞やそのすぐ近くで作用する場合もあることが確認されました。
    脂肪細胞、骨、脳、冠動脈などに見られるエストロゲンは、1つの例です。)

    ホルモンにはたくさんの種類がありますが、構造から大きく3つに分けられます。
    • ペプチドホルモン:タンパク質でできている(副甲状腺ホルモン、インスリン、インクレチン、成長ホルモンなど)
    • ステロイドホルモン:ステロイドから作られる(男性ホルモン、女性ホルモンなど)
    • アミン・アミノ酸誘導体ホルモン:甲状腺ホルモン、副腎髄質ホルモン(アドレナリンなど)
    女性ホルモンはこのうちのステロイドホルモンです。

    女性ホルモンの種類

    女性ホルモンは、エストロゲンプロゲステロンに大きく分けられます。

    エストロゲンには20種類以上の物質が確認されていますが、主なものはエストロン、エストラジオール、エストリオールの3種類です。

    コレステロールから作られるので、コレステロールと似た形をしていますね。

    プロゲステロンでは酸素(O)だった左下の部分が、エストロゲンでは水酸基(OH-)になっています。
    水酸基の数の違いから、エストロンはE1(イーワン)、エストラジオールはE2(イーツー)、エストリオールはE3(イースリー)と呼ばれます。

    どれも、エストロゲン受容体に作用しますが、作用の強さが違います。
    エストラジオールが最も活性が高く、エストラジオールを100とすると、エストロンは10、エストリオールは1くらいとされています。
    百枝幹雄 偏『基礎からわかる女性内分泌』診断と治療社 2016; pp98.より。ただし、「エストラジオール:エストロン:エストリオール=10:5:1とする教科書もある」としています。根拠となるデータの記載はありません。『ディビゲル®インタビューフォーム』では、ラットの最小発情量よりエストラジオール:エストロン:エストリオール=20:10:1とされています。 中山徹也ほか:産科と婦人科 1965; 32(5): 635

    エストロゲンが作られる流れ

     

    ステロイドホルモンはコレステロールから作られる


    エストロゲンは、コレステロールから作られるとお話ししました。
    でも、コレステロールが簡単にエストロゲンになるわけではなく、いろいろな酵素が順番に働くことで、いろいろな物質を経由してエストラジオールエストロンになり、最終的には一番活性の低いエストリオールになります。

    コレステロールを出発点にして、どのように3種類のエストロゲンができるかの流れを見てみましょう。

    エストラジオール エストリオール エストロゲン プロゲステロン コレステロール エストロン 糖質コルチコイド 鉱質コルチコイド

    矢印は、生合成される流れを示し、そのときに必要な酵素ごとに色分けしています。

    酵素は、それぞれ決まった器官にしか存在しませんから、必要な酵素の存在する器官で、それぞれのホルモンは作られることになります。

    原料となるコレステロールは、もともと細胞にあったものに加えて、血液中をLDLコレステロールとして運ばれてきたものを取り込んで使います。
    LDLコレステロールというと、「悪玉コレステロール」と呼ばれて目の敵にされていますが、 実は、身体にとって大切なものなのですね。


    女性ホルモンは主に卵巣で作られる

    エストロゲンは、主に卵巣で作られます。

    卵巣には エストロゲンプロゲステロンを作るための酵素を活性化する作用を持つ、FSH(卵胞刺激ホルモン)とLH(黄体化ホルモン、黄体形成ホルモン)の受容体があるためです。

    閉経前は卵巣が元気なので、脳から分泌されるFSHとLHが卵巣に作用することで、特に卵巣で大量にエストロゲンプロゲステロンが作られます。

    閉経後に卵巣が働かなくなると、 脂肪細胞が主な エストロゲンの供給部位になります。
    脂肪細胞にも、少しだけエストロゲンを作る酵素(アロマターゼ)があります。
    とはいっても、作られるのは非常に少量ですし、分泌のシステムも異なります。



    プロゲステロンがエストロゲン合成の上流にある



    上の図を一部抜き出して大きくしてみましょう。

    プロゲステロンは、上の段のコレステロールから2番目にあります。
    エストロゲンは右下の、生合成の下流です。

    したがって、プロゲステロンエストロゲンの原料になることがわかります。

    だからといって、プロゲステロンを薬などで外から投与すればエストロゲンが生合成されるようになるというわけではありません。
    プロゲステロンからエストロゲンを作るためには、図の流れの中にある様々な酵素を持つ細胞の中にプロゲステロンが存在する必要があるのです。

    ホルモン補充療法(HRT)の方法として、「プロゲステロンだけを投与すれば、エストロゲンプロゲステロンから作られる量で十分」としている専門家もいらっしゃいますが、生体内の仕組みを考えると間違っているのではないかと思われます。


    エストロゲンはプロゲステロンより活性が高い

     
    ここで、月経周期のなかでのプロゲステロンとエストラジオールの分泌の様子を見てみましょう。

    いつ分泌されるかの詳細なメカニズムは、
     精巧!女性ホルモン調節システム 
    をご覧ください。

    ここでは、分泌される量に注目してください。
    一見、同じくらい分泌されているように見えますね。
    でも、プロゲステロンは単位がng/mL、エストラジオールはpg/mLです。
    1ng(ナノグラム)=1,000pg(ピコグラム) 
    ですから、プロゲステロンはエストラジオールの100倍分泌されているわけです。

    ここから、エストラジオールはプロゲステロンに比べて、ほんの少量で作用を発揮する、つまり、活性が高いことが予想されます。


    このことは、ホルモン補充療法(HRT)で使う薬剤の量を考える際にも、思い出すと役に立ちます。


    プロゲステロンから男性ホルモンを経てエストロゲンができる


    プロゲステロンからエストロゲンへの流れをたどっていくと、途中に水色で囲まれた男性ホルモンを経由していることがわかります。

    卵巣では、男性ホルモンをエストロゲンに変換するアロマターゼ(水色の矢印)という酵素の働きが活発なので、 男性ホルモンはエストロゲンに変換されて分泌されることになるのです。

    例:アロマターゼによるエストロゲンの生合成

    上の図のアロマターゼが働く箇所を拡大してみましょう。

    エストロン(E1)はアンドロステンジオン、エストラジオール(E2)はテストステロンという男性ホルモンから、アロマターゼによって作られます。

    アロマターゼは、骨や脳、血管、脂肪組織、皮膚、肝臓、胎盤、性腺などの器官でもつくられるので、卵巣以外でもエストロゲンは合成されますが、卵巣に比べるとずっと少量です。


    【参考】アロマターゼを阻害する抗がん薬


    アロマターゼを阻害する薬(アロマターゼ阻害薬)は、閉経後の乳がんの治療薬として使われています。

    乳がん細胞はエストロゲンの働きで増殖します。
    アロマターゼ阻害薬はアロマターゼの働きを抑えてエストロゲンをなくし、乳がんの増殖を抑えます。

    アロマターゼ阻害薬が保険適応となるのは閉経後で、閉経前の女性は適応ではありません。
    閉経後にも、エストロゲンは皮下脂肪で 少量作られるので、これを抑えてエストロゲンを枯渇させるのが作用機序とされています。

    アロマターゼ阻害薬の作用に関するいろいろな資料に、「エストロゲンは閉経前は(アロマターゼの関与なしに)卵巣で作られるが、閉経後にはアロマターゼによって脂肪細胞で作られるようになるので、保険適応は閉経後」と説明されていますが、これは誤りではないかと思われます。 

    エストロゲンは、閉経前も閉経後もアロマターゼの働きで作られることに違いはありません。
    ということは、理論上は、閉経前でも卵巣のアロマターゼの働きを阻害すればエストロゲンは作られなくなるので、効果があるように思えます。
    しかし、閉経前は卵巣でのアロマターゼの分泌が非常に多いので、閉経前の卵巣でのエストロゲンの生合成を抑えようとするならば、非常に大量のアロマターゼ阻害薬を投与する必要があります。
    それだけの量の薬を投与すれば、当然、副作用も多くなりますから、閉経前の乳がんを保険適応に薬を開発することはできなかったのでしょう。

    ところで、アロマターゼ阻害薬には、更年期症状が重症化するという副作用が見られます。
    エストロゲンが全くなくなってしまうためですね。
    閉経後のほんの少量のエストロゲンであっても、重要な役割を果たしていることがよくわかります。


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